いつ買ったか忘れましたが(推定1990年頃)、DELCATEC AVK-202 という FM/VHF/UHF のビデオブースターです。
一般的に「受信環境改善にはあまり役に立たない」と言われるブースタですが、私の研究室では FM チューナーに電波を供給するのに使っています。
利得は FM/VHF 15〜19dB (最大出力 95dB), UHF 9〜13dB (最大出力 95dB) ですから、低利得タイプです。
消費電力は AC100V 2.3W と僅かです。
大きさはタバコ2箱分くらいで小さいです。
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我が家には CATV 会社から、テレビの電波と一緒に FM 電波も入った同軸ケーブルが来ています。
CATV 配信ですから、FM 電波そのものの S/N がとても良いです。
イグニッションノイズやカミナリなどのバリバリ雑音が全く無いです。
また、FM 電波は無加工で増幅して同軸ケーブルに入れてくれているため、音質の劣化も無いです。
なのに、なぜブースターを使うの???
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我が研究室には常に FM チューナーが10台程度はゴロゴロしているのです。
これらのチューナーに FM 電波を注入するには、分配器で電波を分けます。
例えば10分配すると単純には 20dB は FM 電波が減衰してしまうのです。
せっかく S/N が良いのに分配で電波が弱くなってしまいます。
このため、FM チューナーの性能がフルに出せなくなってしまいます。
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この問題を解決するために、このブースターを使っています。
ブースターで電波を強めてから分配するのです。
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ブースターを使うには以下の点を考慮する必要がありません。
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元々 S/N が悪い電波にはブースターの効果は期待できません。
かえって悪くなる場合があります。
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ブースターで増幅後の電波の出力が、そのブースターの最大出力を超えないようにします。
ブースターに入力する電波が強過ぎる場合は、アッテネータを入れて弱めてから入れる等の方策が必要です。
クリップしているかどうかは、チューナーの音を聴けば判ります。
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我が家では、CATV 電波をローパスフィルターを通して FM 電波だけにして、ブースターに入力しています。
上記のクリッピング対策でもあります。