Pioneer F-120D (2号機)

Pioneer F-120D (2号機) をゲット！

2014年11月7日、所沢市の K さんより Pioneer F-120D を寄贈していただきました。 しばらく他の趣味で忙しかったのですが、2015年7月5日より手掛けました。

K さんより 「ステレオモードで再生出来なくなっております。」 のコメントがありました。

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早速、程度＆動作チェック

1. 外観
   
   
   • 全体的に綺麗です。 操作ボタンとスイッチに錆は全くなく光り輝いています。 表示窓のアクリルは無傷です。 非常に状態が良いです。
     
     
   • フロントパネルの中央上に 5〜10mm 程度の線キズが2本あります。 キズは浅くてそう目立たないのですが、他にキズは見当たらないので残念です。
     
     
   • 天板全体にスレがあります。 これも浅いスレですが、スレの範囲が広いので目立ちます。 ラックに入れれば見えないです。
     
     
   • リアパネルは綺麗です。 F 端子と RCA 端子には輝きがあって良好です。
     
     
2. 入手した状態のまま電源 ON してチェックしました
   
   
   • LED タイプの表示器とランプは新品同様の輝度があります。
     
     
   • 操作ボタンやスイッチ類の動作は正常です。
     
     
   • この機種でよくあるステーションメモリボタンの動作不良（機構的にうまく押せない。）はなく、正常でした。 この部分は既に修理済みと思います。
     
     
   • FM 受信で周波数ズレがあり、81.3MHz の放送局が 81.0MHz で受信されます。
     
     
     • ブツブツやバリバリという大きな雑音に埋もれてマトモな音とならない。
       
       
     • [STEREO] ランプが点灯せず、ステレオになりません。
       
       
   • AM は正常に受信できました。
     
     

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修理＆調整

1. カバーを開けて確認
   
   
   • 内部にはゴミ1つなく非常に良好です。 基板がとても綺麗です。
     
     
   • 使用 IC のロット番号より、この F-120D の製造年は1984年と判明しました。 電源ケーブルの製造マーキングも1984年でした。
     
     
2. FM 受信で周波数ズレがあり、81.3MHz の放送局が 81.0MHz で受信される。
   
   
   • 原因は FM 同調点の大幅ズレでした。 T103 を仮調整して直りました。
     
     
   • 「ブツブツやバリバリという大きな雑音に埋もれてマトモな音とならない。」 も上記の仮調整で一緒に直りました。
     
     
     • F-120D は 20.14MHz のクリスタル発振器にて IF 周波数を 10.7MHz×2−20.14MHz＝1.26MHz に変換してからパルスカウント検波します。
       
       
     • 0.3MHz 同調ズレしていると 11.0MHz×2−20.14MHz＝1.86MHz となって 0.6MHz も中心周波数からズレるのでマトモに検波できないのです。
       
       
   • 仮調整後はちゃんとステレオになります。 全ての不具合は直り、次項の再調整で完璧になります。
     
     
3. F-120D (1号機) に記載の手順で再調整しました。
   
   
   • 電圧チェック
     
     

     TP	標準値	実測値	備考
     Q601-C	+13.6V	+13.7V	チューナー電源
     Q605-C	+5.6V	+5.94V	MCU 電源
     R605 リア側	+28V	+27.3V	VT 電源

     
     
   • 調整結果
     
     
     • フロントエンドのトラッキングがズレていました。 同調点が大きくズレていました。 再調整で感度が大きく上がりました。
       
       
     • FM ステレオセパレーションは以下で超優秀な数値です。 NARROW 時のセパレーションも良く 当たりの個体 です。
       
       
     • 高調波歪率も 0.016% (1kHz) と超優秀 でした。 素晴らしいです。
       
       

     項目	IF BAND	L	R	単位
     ステレオセパレーション	WIDE	75	75	dB
     ステレオセパレーション	NARROW	54	51	dB
     パイロット信号キャリアリーク	WIDE	-55	-58	dB
     オーディオ出力レベル偏差 (MONO)	WIDE	0	+0.09	dB
     REC LEVEL CHECK 信号	-	-5.8 328.1	-5.9 328.1	dB Hz

     
     

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使ってみました

1. フロントパネルはシルバーです。
   
   
   • 今までブラックしか見たことがなかったので、シルバーは新鮮に感じます。 これもイイなぁ〜と思います。
     
     
   • オプションのサイドウッドはありません。 サイドウッド取付穴には灰色のプラスチックラッチを入れて穴を隠しています。
     
     
2. 誰もが 素直に良い音 と感じるチューナです。 お奨めできます。
   
   
   • FM 受信では、良好な感度があり、ステレオセパレーションが非常に良く音が生き生きしています。
     
     
   • AM 受信では、感度が良く、IF BAND = WIDE の音は高域が伸びており良い音です。
     
     

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