Full Coverage FPGA FM Stereo Tuner

はじめに



Full Coverage とは?

  1. 従来の FPGA Tuner は RF アンプに組み込まれている LC 同調にて単一周波数に同調されていました。 このため、基本的には単一放送局受信となっていました。

  2. Full Coverage では LC 同調の部分を BPF (バンドパスフィルタ) とします。

  3. Full Coverage では誰が選局する?

  4. 帯域内に非常に強力な電波があって ADC オーバーレンジすると、正しい処理ができなくなります。

  5. そもそも ・・・



Full Coverage 改造 ・・・ Full Coverage 改造作業は、76〜95MHz BPF の細かい調整が必要になるので、設計者の林さまにお願いしました

  1. 右の回路図は、Full Coverage 仕様の RF アンプ回路です。 右の回路図をクリックすると pdf で拡大表示できます。

  2. 基板の表面から眺めると、コイルが1個少なくなって、水晶クロックが 69.12MHz に変更になりました。

  3. 基板の裏面から眺めると、チップコイルが2個増えて、他にも新たな部品が取り付けられています。 右の写真をクリックすると拡大表示できます。



スイッチ/ジャンパ/LED 表示 の仕様変更

  1. 受信周波数を8つまで設定できるようになりました。

  2. 上記の [MONO 受信機能] はこのジャンパに移動しました。

  3. 受信チャンネル LED 表示の変更

  4. 受信チャンネル選択について



性能改善

  1. ステレオセパレーションが向上

  2. S/PDIF 出力の分解能が24ビットに向上



シリアル設定モード追加 ・・・ RS-232C ライクなシリアル通信でリモート設定が可能になりました!

  1. シリアル設定モードを使うことで ・・・

  2. 今回追加されたシリアル設定モードを理解するために、FPGA tuner の3つの設定モードを以下に説明します。

    1. 基本設定モード

      • [設定機能有効化ジャンパ:無] で動作するモードです。

      • [出力レベル (許容最大周波数偏移) 設定:155.0kHz] [受信帯域幅設定:198kHz] が固定となり、これ以外の DIP-SW, ジャンパが設定可能です。

      • このモードでは [シリアル設定モード] も利用可能になっています。 今回の FPGA Configuration Data で機能追加されました。

    2. 拡張設定モード

      • [設定機能有効化ジャンパ:有] で動作するモードです。

      • [出力レベル (許容最大周波数偏移) 設定] [受信帯域幅設定] を含め、全ての DIP-SW, ジャンパが設定可能です。

      • このモードでは [シリアル設定モード] は無効です。(利用できません。)

    3. シリアル設定モード

      • [設定機能有効化ジャンパ:無] で、かつ、有効なシリアル設定データが FPGA tuner で受信できた場合に動作するモードです。 その仕様は次項以降で説明します。

      • [基本設定モード] [シリアル設定モード] は瞬時に切り換わります。

        • 電源投入直後は [基本設定モード] で動作します。

        • 有効なシリアルデータを FPGA tuner が受信すると [シリアル設定モード] で動作します。 以降、DIP-SW, ジャンパを操作するまで [シリアル設定モード] のままです。

        • DIP-SW, ジャンパを操作すると [基本設定モード] で動作します。 以降、有効なシリアルデータを FPGA tuner が受信するまで [基本設定モード] のままです。

      • FPGA 内で別々の [基本設定レジスタ] [シリアル設定レジスタ] を持ちます。

        • これは [基本設定モード] [シリアル設定モード] 間で設定情報の引き継ぎを行わないことを意味します。 この辺りが誤解しやすいので注意!

        • [シリアル設定モード] では [シリアル設定レジスタ] を参照して FPGA tuner が動作します。

        • [基本設定モード] では [基本設定レジスタ] を参照して FPGA tuner が動作します。

  3. インタフェース仕様

  4. コマンド文字列の仕様

  5. シリアル設定モードで使う場合の注意事項

  6. FPGA tuner から送信するステータス文字列



ドキュメント ・・・ 林さまから提供いただきました

  1. 接続および DIPSW 設定表

  2. ピンヘッダおよび LED/SW 設定表

  3. Full Coverage 改造前の性能測定結果

  4. Full Coverage 改造後の性能測定結果


  5. FPGA tuner Configuration Data



受信周波数選択ロータリ SW の変更

  1. 私の場合、FPGA tuner 基板をケースに組み込んで使っています。

  2. 仕方なく1回路12接点ロータリ SW を入手しました。

  3. ダイオードエンコードを回路圧縮して、もっと簡素化する。 右の回路図をクリックすると pdf で拡大表示できます。

  4. 選局スイッチユニットは、下の写真のように完成しました。

      



USB シリアルケーブルの製作

  1. シリアル設定モードを試すために [USB シリアルケーブル] を製作しました。

  2. 右の写真が完成した [USB シリアルケーブル] 全景です。

     




Full Coverage 機を使ってみました

  1. 右の写真はケース組み込みの様子です。

  2. 8局受信できるようになると、今までの弱点であった受信放送局の制限が解消されて、一般的なチューナのように使えます。 我が家の放送電波環境では何の不満もなくなりました。

  3. 96kHz/24bit のサンプリングレートでフルデジタルアンプに接続して聴いてみました。

  4. 我が家では電波が強過ぎるのか、アンテナ入力を F 型アッテネータで -6dB 絞る必要がありました。