Kenwood KT-6040 (3号機) をゲット!
2011年5月24日、私のチューナーページのファンである茨城県柏市の I さんから
KENWOOD KT-6040
の寄贈を受けました。
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寄贈者のコメントは以下です
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2009年7月10日にケンウッドサービスにてメーカーメンテナンス済です。
右がその時の修理票です。
クリックすると原寸の pdf で表示できます。
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セパレーションは 60dB 取れているとの事です。
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リモコン付です。
程度&動作チェック
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外観
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全体に汚れはありますが綺麗です。
キズも見当たりません。
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天板に上の載せていた機器の足跡があります。
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リモコンの外観は良好です。
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電源 ON してチェック
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FM/AM とも正常に動作します。
FM ではちゃんと Stereo になります。
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タクトスイッチは全て正常に動作します。
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FL 表示管は若干痩せ気味ですが、まだまだ十分使えるレベルです。
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リモコンでの動作も良好です。
修理
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再調整してみたのですが以下の問題がありました
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PLL 検波調整でリミッタ IFT (L38) のピークが出ない。
ピークが出ないと PLL 検波の直線性が崩れます。
この異常は何台も調整した経験がないと気が付かないと思います。
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上記が原因で MPX 調整でセパレーションがせいぜい 20dB 程度。
調整ボリュームで調整し切れない。(時計回りに回し切りが最良点)
重症状態
です。
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チューナ基板を外してみました
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あっと驚きました!
IFT (L8), IFT (L19), IFT (L38), 19kHz フィルタ (L54) に容量抜け対策の追加コンデンサが(ケンウッドサービスにて)取り付けされていました。
メーカサービスでもアマチュアと同じような修理をするのですね。
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リミッタ IFT (L38) の容量ヌケ対策として 100PF の追加コンデンサが2次側に取り付けられていました。
これは根本的に間違いです。
同調回路は1次側なので、1次側に追加コンデンサを取り付けるべきです。
写真は交換した L38 と、取り付けられていた 100PF コンデンサです。
- メーカのサービスと言っても、既に高級チューナの技術が失われた現在に至っては、この程度なんですね。
- やはり、自分でメンテナンスするしかなさそうです。
- 冒頭にある「セパレーションは 60dB 取れているとの事」は、ありえないです。
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対策として、リミッタ IFT (L38) を KT-1010F のジャンク品から移植しました
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交換後はセパレーションは 70dB を超えるようになりました。
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IFT (L8), IFT (L19), 19kHz フィルタ (L54) の追加コンデンサはこのままとしました。
調整
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KT-6040 (1〜2号機)
に記載の手順で再調整しました。
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調整結果
FM ステレオセパレーションなどは以下です。
素晴らしい数値です。
項目 |
IF BAND |
L |
R |
単位 |
ステレオセパレーション |
WIDE |
72 |
74 |
dB |
ステレオセパレーション |
NORMAL |
70 |
70 |
dB |
ステレオセパレーション |
NARROW |
56 |
59 |
dB |
パイロット信号キャリアリーク |
- |
-100 |
-93 |
dB |
オーディオ出力レベル偏差 (MONO) |
WIDE |
0 |
+0.15 |
dB |
使ってみました
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KT-6040 はやはり良い機種
です。
性能に満足できます。
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FM の感度と妨害電波排除能力は良く、音質は解像度の高い良い音です。
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AM の感度は良く、音質は普通です。