MEGURO MSG-2170
MEGURO MSG-2170 をゲット!
2012年4月25日、
MEGURO MSG-2170
の中古を買いました。 外観は非常に良好でキズやヘコミはなく、操作ボタンなどの動作も正常でした。
MSG-2170 の発売は1995年7月で販売終了は2007年5月でした。
FM 多重放送(SCA)の DARC エンコーダ(DARC 信号発生器)です。 FM 信号発生器と組み合わせて使います。
「見えるラジオ」は DARC で放送されています。
私は DARC 信号発生器として使うつもりは全くなく、オプションの [ステレオ変調器ユニット] が付いていることより、
FM stereo 標準信号発生器
として使う魂胆です。
MSG-2170 オプションの [ステレオ変調器ユニット] のスペックは優秀です。
リアパネル
期待通りオプションの [ステレオ変調器ユニット] が付いていました。 写真左側のサブパネルが [ステレオ変調器ユニット] 関連です。
RS-232C と GPIB 端子があります。
電源コネクタの上にあるセレクタで、電源入力電圧を 100/115/215/230V に切り換えることができます。
AC コード巻取り補助兼用の長い足が4本あります。
ベンチ設置(フロントパネルが上向き)で使う時は [3P AC プラグ] は L 型でないとダメです。
別途 OFC 仕様の [L 型プラグ 3P AC コード] を買い足しました。
ベンチ脚より [L 型プラグ] の長さが短いものが必要ですが、これがなかなか見つからない。 ハードオフ三郷店でやっと見つけました。 315円でした。
FM stereo 標準信号発生器としての性能検討
ステレオ変調器ユニットのスペックは以下
項目
仕様
内部変調周波数
400Hz, 1kHz, 6.3kHz, 10kHz, 15kHz, EXT
変調モード
OFF, MAIN, L&R, SUB, LEFT, RIGHT, MONO
プリエンファシス
OFF, 25us, 50us, 75us
分離度
70dB 以上
歪率
76dB 以上 (0.016% 以下)
検討結果
FM stereo 標準信号発生器としての全ての操作ができます。
内蔵低周波発信器の周波数は FM チューナ調整試験機として十分です。 しかも歪率も十分低いです。
変調モードは以下の表の通りです。 FM チューナ調整試験機として十分です。
内部 AF 発振器を使う [INT モード] と外部 AF 入力を使う [EXT モード] があります。
この表を見て判るように、[L&R モード] [EXT モード] とすると外部からステレオ変調でき、FM ステレオ放送局のように使えます。
○:信号あり
×:信号なし
INT:内蔵 AF 発振器
EXT (L):外部 AF 入力 L ch.
EXT (R):外部 AF 入力 R ch.
分離度(セパレーション)も 70dB 以上と高性能です。
MSG-2170 の後継機は
MSG-2174
になりますが、ステレオ変調器ユニットの性能は MSG-2170 のほうがはるかに上です。
MSG-2174 の分離度は 55dB だが、MSG-2170 では 70dB
MSG-2174 の歪率は 0.02% だが、MSG-2170 では 0.016%
以上より、FM チューナ調整試験機として問題なく使え、高性能と言えます。
使い方
MSG-2170 出力は低周波コンポジット信号のため、通常は図のように FM 標準信号発生器 (SSG) の AF 入力に接続し、FM 変調で電波化して使います。
Panasonic VP-8175A と接続
私は FM/AM SSG の
VP-8175A
と接続して使います。
VP-8175A は FM ステレオ変調部を内蔵しているのに、なぜ?わざわざ MSG-2170 で外部変調するかと言うと、VP-8175A のステレオ分離度 55dB に対し、MSG-2170 では 70dB とより性能が良いからです。
VP-8175A の FM 外部変調周波数特性は 20Hz〜80kHz ±1dB なので性能的に十分です。
MSG-2170, VP-8175A の接続と設定
MSG-2170 [OUTPUT] 〜 VP-8175A [EXT INPUT] 間を接続
MSG-2170 の設定
以下の表は MSG-2170 の設定メニュー一覧です。 FM ステレオ信号発生器として使う場合は水色網掛のように設定します。
MSG-2170 のフロントパネルにある [COMP] = ON とします。
VP-8175A の設定
MOD 部の [SIGNAL] = ON, [EXT/INT] = EXT とします。
FM MODE 部の [MODULATOR] = MONO とします。
レベル合わせ (VP-8175A 入力を±2% 以内にする)
MSG-2170 の [MODE] = MAIN, [SOURCE] = 1kHz とする。
MSG-2170 の [OUTPUT] を微調整して、VP-8175A の EXT LEVEL 表示の [HI] [LO] ランプが両方消灯するよう設定する。
設定初期化
以下の操作をすることで MSG-2170 の全設定を工場出荷時の初期値に戻すことができます。
[SHIFT] = ON とする。
[R/L] ボタンを押すと以下のメッセージが表示されます。
May initialize all memorys from the start ? YES <1> NO <0>
ここで [1] ボタンを押すと初期化されます。 キャンセルする場合は [0] ボタンを押します。
参考写真
STEREO メニューと FM 変調関連端子&調整ボリューム
内部の様子 ・・・ しっかりした作りです
ドキュメント
製品カタログ
・・・ 仕様や概要
MSG-2170 取扱説明書
なんだか内容が MSG-2173 と混じっているようです。 この点を注意して読むようにしましょう。
P.11 : MSG-2173 のパネル図である。(型番は違うがパネルは同一なので問題はない。)
P.15 : @の記述で、「ステレオ信号発生器 (MSG-2170-ST)」と記述あり。
P.52 : ステレオ信号発生器は MSG-2173-ST と記述あり。仕様も MSG-2173-ST のものが記述されている。
P.15 と 52 でステレオ発生器の型番が違うが、正しくは MSG-2170-ST と思う。ですから P.52 には MSG-2170-ST の仕様を記述すべき。
MSG-2174 取扱説明書
・・・ MSG-2174 は MSG-2170 の後継機です。参考。
理解を助ける FM 関連資料
変調方式の説明
DARC の概要
RDS の概要
ビーコンの概要