Linksys BEFSR41C-JP ルーター
2003年10月28日、
手乗りルーター
の
Linksys BEFSR41C-JP
を購入しました。
アキバの PC Success で 4,870円でした。
スループットはNATを有効にして DHCP接続時 92Mbps、PPPoE接続時 70Mbps です!!!
高機能/高安定/高スループット/高パーフォーマンスです。
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このルーターより実売価格で3倍以上高い NTT-ME MN8300 とどちらにするか迷ったのですが、最終的に BEFSR41C-JP の選択が決定的になったのは以下の理由です。
- BEFSR41C-JP は SNMP を喋ってくれる。
- BEFSR41C-JP はハードVPNである。
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更に、BEFSR41C-JP はファームのバージョンアップにより「PPPoEマルチセッション」「VoIPアダプタ」対応になっているので、Bフレッツで何の不安もありません。
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ビックリするほど小さい!
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お店で最初どこにあるか判らなかったです。
だって、VGAカードの箱より小さい箱に入っていたからです。
重さも軽い軽い。
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開けてみて更にビックリ。
本当に掌と同じくらいの小ささです。(113×30×88mm, 170g)
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ACアダプタもスイッチング方式で軽いです。
ACアダプタ出力は 5V 1A ですから最大でも 5W の消費電力です。
この程度だと筐体が小さくても発熱の問題はないでしょう。
背面には WANポート×1、LANポート×4、リセットスイッチ、DC入力端子 があります。
WANポートとLANポートいずれも 100M/10M オートネゴシエーションで、AutoMDI/MDI-Xに対応しているので、ケーブルのストレート/クロスを気にする必要はありません.
BERSR41C-JP の基板です。
すごくシンプルです。(技術力があるからシンプルにできる。)
CPUには 166MHz動作の
MICREL
KS8695
(ARM922Tコア)を採用しています。
BEFSR41C-JP の設定画面
設定画面は以下のように主なものだけで15面もあります。
完全に使いこなすにはネットワーク知識とセンスが必要です。
それと Lynksys ルーターに対する慣れ。
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セットアップ
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「ホスト名」「ドメイン名」「タイムゾーン」「LAN設定」「設定タイプ」などの基本的な設定をここで行います。
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Firewall
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面白い機能として「Webフィルタ」があります。
これは「プロキシ」「Java」「ActiveX」「Cookie」について許可/拒否を設定できる機能です。
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「リクエストブロック」「マルチキャストパススルー」「IPSecパススルー」「PPTPパススルー」「PPPoEパススルー」「リモート管理」「リモートアッグレード」を有効/無効に設定できます。
これも Linksys 特有の機能です。
例えば、PPPoEパススルーではルーターの PPPoE 接続を保ったままパソコンの PPPoE 接続ドライバー(XPでは標準じゃなかったか?)を使って更に別の PPPoEリンクを張ることが可能になります。
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SPI(Stateful Packet Inspection )機能があります。
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MTU値を設定できます。
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VPN
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パスワード
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SNMP機能を有効/無効に設定でき、SNMPコミュニティの動作が設定できます。
この機能はたぶん MN8300 にはないんじゃないかと思います。
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UPnP機能もここで設定します。
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ステータス
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「ホスト名」「ファームウェア バージョン」「現在の時間」「ログイン」「LAN」「WAN」の状況を表示できます。
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WAN 側の設定タイプに PPPoE、RAS PPTP または HBS を選択した場合、[接続] ボタンをクリックしてインターネットへ接続できます。
[切断] ボタンをクリックすると、[接続] ボタンがクリックされるまで、ルーターは自動接続を行いません。
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DHCP
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ごく当たり前の設定項目以外に「固定IPアドレス配布」の設定ができます。
これは指定MACアドレスに固定的にIPアドレスを割り振る機能です。
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ログ
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指定ホストに syslog を排出します。
指定ホストにはブロードキャストを指定しても構わないです。
ウェブからログを参照することもできます。
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syslog は BEFSR41C-JP の画面で眺めても良いのですが、syslog なんでちゃんとパソコンに取り込んで眺めたいです。
UNIX だと syslog 取り込みの設定をするだけなので簡単ですが、Windows には syslog の機能がありません。
Linksys 作成の Windows用ログビュア
(英語版)が無償で提供されています。
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ヘルプ
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BEFSR41C-JP 添付マニュアルは1枚だけです。
詳細設定マニュアルがありません。
ではどうするか?・・・「ヘルプ機能」を使うのです。
適切なヘルプ表示がされるのでマニュアル要らずです。
考え方によっては合理的で便利で省エネルギー(紙が必要ない。)と言えます。
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フィルタ
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曜日と時間指定によるアクセス制限、URLによるアクセス制限、キーワードによるアクセス制限(例えばエッチなサイトアクセスを拒否する。)、サービス(ftpとかhttpとか)によるアクセス制限ができます。
基本的に一般的に言われるフィルタ機能とかなり違います。
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フォワーディング
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「ポートトリガー」があります。
この機能は Linksys ルーターの特長的な機能です。
この機能はアウトバウンドパケットのポート番号をトリガとしてインバウンドパケットの指定ポート番号を一時的に空けるものです。
これがあると LAN を WAN に対してステルスに保ったまま、ポート番号開放のコントロールができます。
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動的ルーティング
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「動作モード」「動的ルーティング」を設定できます。
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静的ルーティング
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静的ルーティングを設定します。
設定できる項目は「送信先 IP アドレス」「サブネット マスク」「ゲートウェイ」「ホップカウント」「インターフェイス」です。
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DMZ
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BEFSR41C-JP のポート4を DMZ にするかどうかを設定できます。
DMZになれるのはこのポートだけです。
DMZ にできるポートを分離しておくことはセキュリティ管理上重要です。
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MACアドレス複製
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WAN 側 MACアドレスを任意のアドレスに設定することができます。
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DDNS
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DynDNS.org と TZO.com に対応しています。
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その他
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NTP機能があり、インターネットから正確な時刻を BEFSR41C-JP に設定してくれます。
ただし、NTPサーバーを指定する設定画面はありません。(隠されているような気がします。)
正確な時刻は、syslog や NTPメッセージを参照する時や時刻指定によるアクセス制限をかける場合に必須になります。
実際に使ってみて以下のことに気がつきました
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自宅サーバー
http://kita3.net/
は LAN内にあって、フォワーディング設定によりインターネット公開しています。
BUFFALO BLR2-TX4L
ルーターの時は LAN内のホストよりドメイン名
http://kita3.net/
でアクセスできませんでした。(LANのIPアドレスを直に指定する必要がありました。)
BEFSR41C-JP では
http://kita3.net/
でアクセス可能でした。
この辺りはルーターの作りによってマチマチですが、BEFSR41C-JP のようにドメイン名でアクセスできるほうがウレシイです。
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FTPアクセスの最初のネゴシエーションが超速いです。
これはFTPやメールサーバーが行う逆認証やIdentパケット処理
(これはサーバーによって違うが、最近ではセキュリティの関係で、この処理をするサーバーが多くなっています。この処理に対応してないと10秒程度のタイムアウトまで待つ必要がある。)
をちゃんとやっていると思われます。
この BEFSR41C-JP は日本だけの発売です。
なぜアメリカで売らないのか?
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それは、アメリカでは(2003年の時点で)一般家庭に数10Mbpsクラスのブロードバンドが普及していないからです。
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国が広すぎるのでインフラ整備には日本の何100倍もの巨額投資が必要なのです。
それでアメリカでは一般向けには、いまだに 1.5Mbps クラスが最高速度です。
ですから、こんな高速ルーターは必要ないのです。
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今、アメリカが考えているのは電波による70Km半径に届く数10Mbpsクラスのブロードバンドらしいです。
これだとインフラ整備は安く済みます。
でも開発と普及にかなりの時間がかかるような気がします。
ここしばらく、アメリカはブロードバンド後進国のままだと思います。