定期メンテンス

概要

• セキュリティ確保や不具合回避のため、定期的にソフトウェアなどのアップデートが必要です。
  
  
• Windows Update の Linux 版みたいなものです。
  
  

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通常のメンテナンス

• 以下のコマンドを実行してメンテナンスします。 通常は No.1〜7 を順に実行すればよいです。
  
  

  No.	コマンド	内容
  1	apt-get update	最新のアップデートを確認します
  2	apt-get upgrade	確認した最新のアップデートを適用します
  3	apt-get dist-upgrade	ディストリビューションをアップデートします
  4	apt-get autoremove	アップデートに伴い不要になったパッケージを削除します
  5	apt-get autoclean	[/var/cache/apt/archives] にキャッシュされていて インストールされていない [.deb] ファイルを削除します
  6	cat /etc/debian_version	(念のため) Debian のバージョンを確認します
  7	reboot	再起動します

  
  

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ディストリビューションのアップグレード

• 通常のメンテナンスは同一ディストリビューション内のアップデートでしたが、ここではアップグレードします。
  
  
• このアップグレードは頻繁に実施するものではありません。 以下に記載した手順はアップグレードした記録です。
  
  

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8 (jessie) → 9 (stretch) へアップグレード ・・・ 2017年末に実施

1. 手順
   
   

   No.	コマンド	内容
   1	通常のメンテナンスを実施	8 (jessie) の最新版にします
   2	apt-get install firmware-linux	firmware-linux をインストール
   3	apt-get install initscripts	initscripts をインストール
   4	nano /etc/apt/sources.list	[jessie] となっている箇所を全て [stretch] に書き換えます
   5	apt-get update	最新のアップデートを確認します
   6	apt-get upgrade	確認した最新のアップデートを適用します
   7	apt-get dist-upgrade	ディストリビューションをアップグレードします
   8	apt-get autoremove	アップグレードに伴い不要になったパッケージを削除します
   9	apt-get autoclean	[/var/cache/apt/archives] にキャッシュされていて インストールされていない [.deb] ファイルを削除します
   10	cat /etc/debian_version	Debian のバージョンが変わっていることを確認します
   11	reboot	再起動します

   
   
2. 動作チェック
   
   
   • 最低限動いてくれないと困る [ssh] [sftp] [web] [mail] 関連が正常なのを確認しました。
     
     
   • トップページにある CGI スクリプト [掲示板] [メール連絡はこちら] で [500 Internal Server Error] が出て動作しない。
     
     
3. CGI スクリプトで [500 Internal Server Error] が出る → 対策完了
   
   
   • 調査
     
     
     • [jcode.pl] 読み込み中にエラーになっていると判明しました。
       
       
     • Debian のアップグレードに伴って、[perl] もバージョンアップされ、[jcode.pl] との相性が崩れたことが原因です。
       
       
   • 対策
     
     
     • [jcode.pl] にパッチを当てました。 FreeBSD 11.1-R perl v5.24.3 でエラー に解説とパッチ方法が記載されています。
       
       
     • パッチ済み jcode.pl と入れ換えます。 CGI が2つあるので、[jcode.pl] も2箇所にあります。
       
       
   • 確認試験
     
     
     • [掲示板] [メール連絡はこちら] のいずれも正常に動作することを確認しました。
       
       

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9 (stretch) → 10 (buster) へアップグレード ・・・ 2019年末に実施

1. 手順
   
   

   No.	コマンド	内容
   1	通常のメンテナンスを実施	9 (stretch) の最新版にします
   2	nano /etc/apt/sources.list	[stretch] となっている箇所を全て [buster] に書き換えます
   3	apt-get update	最新のアップデートを確認します
   4	apt-get upgrade	確認した最新のアップデートを適用します
   5	apt-get dist-upgrade	ディストリビューションをアップグレードします
   6	apt-get autoremove	アップグレードに伴い不要になったパッケージを削除します
   7	apt-get autoclean	[/var/cache/apt/archives] にキャッシュされていて インストールされていない [.deb] ファイルを削除します
   8	cat /etc/debian_version	Debian のバージョンが変わっていることを確認します
   9	reboot	再起動します

   
   
2. 動作チェック
   
   
   • [ssh] [web] は正常に動作しましたが、[mail] が動作しませんでした。 また、[sftp] の一部が動作しませんでした。
     
     
   • su コマンド実行で /etc/profile に記載の path に切り換わりません。 このため、reboot コマンド実行に /sbin/reboot としなければいけない。
     
     
   • 【ご参考】 サーバソフトのバージョンは、各ディストリビューションで以下のように変わりました。 10 (buster) での変更が多いことが判ります。
     
     

     サーバソフト	サーバソフトのバージョン
     	8 (jessie)	9 (stretch)	10 (buster)
     apache	2.4.10	2.4.25	2.4.38
     dovecot	2.2.13	2.2.27	2.3.4.1
     postfix	2.11.3		3.4.7
     proftpd	1.3.5		1.3.6
     openssh	6.7	7.4	7.9
     webmin	1.940

     
     
3. [mail] が動作しない → 対策完了
   
   
   • 調査
     
     
     • /var/log/mail.log ログを見ると、 dovecot: pop3-login: Error: Failed to initialize SSL server context: Can't load DH parameters というエラーが出ていました。 dovecot の POP3s の SSL 認証で撥ねられているようです。
       
       
     • Debian のアップグレードに伴って、dovecot が Ver. 2.3.4.1 にバージョンアップされ、Ver. 2.3 以降では /etc/dovecot/dh.pem が必須になったことが原因です。
       
       
   • 対策
     
     
     • /etc/dovecot/conf.d/10-ssl.conf の一番最後の行に ssl_dh = </etc/dovecot/dh.pem を追加します。
       
       
     • openssl dhparam -out /etc/dovecot/dh.pem 4096 コマンドを実行して dh.pem を作成します。
       
       
     • 上記の対策後、 service dovecot restart コマンドを実行して、dovecot を再起動します。
       
       
   • 確認試験
     
     
     • Windows10 パソコンのメーラー Thunderbird より、SSL 接続でメールを送受信して正常を確認しました。
       
       
4. proftpd で sftp が動作しなくなりました。
   
   
   • 調査
     
     
     • proftpd の ver. 1.3.5 → 1.3.6 が影響している気がしますが、まだ原因判明していません。
       
       
   • 対策までの仮運用
     
     
     • proftpd の ftp では動作するので、とりあえず、これで使います。 原因判明したら修正します。
       
       
     • openssh の sftp は動作するので、それほど支障なく運用できます。
       
       
5. su コマンド実行で /etc/profile に記載の path に切り換わらない → 対策完了
   
   
   • 調査
     
     
     • debian su - and su $PATH differences? に解説がありました。
       
       
     • su の仕様変更とのことで、[su] ではなくて [su -] と実行すれば path は切り換わります。
       
       
     • 前の動作に似た動作を復元する場合は、/etc/login.defs に [ALWAYS_SET_PATH yes] を追加できます。
       
       
   • 対策
     
     
     • まずは、この仕様変更に慣れることです。
       
       
     • 念のため、/etc/login.defs の一番最後に [ALWAYS_SET_PATH yes] を追加しました。
       
       
   • 確認試験
     
     
     • [su] [su -] コマンドのいずれでも path が切り換わることを確認しました。
       
       

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10 (buster) → 11 (bullseye) へアップグレード ・・・ 2022年9月3日に実施

1. 手順
   
   

   No.	コマンド	内容
   1	通常のメンテナンスを実施	10 (buster) の最新版にします
   2	nano /etc/apt/sources.list	[buster] となっている箇所を全て [bullseye] に書き換えます
   3	apt-get update	最新のアップデートを確認します
   4	apt-get upgrade	確認した最新のアップデートを適用します
   5	apt-get dist-upgrade	ディストリビューションをアップグレードします
   6	apt-get autoremove	アップグレードに伴い不要になったパッケージを削除します
   7	apt-get autoclean	[/var/cache/apt/archives] にキャッシュされていて インストールされていない [.deb] ファイルを削除します
   8	cat /etc/debian_version	Debian のバージョンが変わっていることを確認します
   9	reboot	再起動します

   
   
2. 動作チェック
   
   
   • putty (Windows10 用ターミナルアプリ) が ssh で接続できなくなりました。
     
     
     • [暗号化キーの交換ができない] というエラーメッセージが出ます。
       
       
     • putty を最新版の PuTTY-ranvis にアップグレードしたら解決しました。
       
       
     • サーバの問題ではなくてクライアントの問題でした。 暗号化キー交換プロトコルが変わった。
       
       
   • 上記の他には問題無さそうに思います。
     
     
   • 【ご参考】 サーバソフトのバージョンは、各ディストリビューションで以下のように変わりました。
     
     

     サーバソフト	サーバソフトのバージョン
     	8 (jessie)	9 (stretch)	10 (buster)	11 (bullseye)
     apache	2.4.10	2.4.25	2.4.38	2.4.54
     dovecot	2.2.13	2.2.27	2.3.4.1	2.3.13
     postfix	2.11.3		3.4.7	3.5.13
     proftpd	1.3.5		1.3.6	1.3.7
     openssh	6.7	7.4	7.9	8.4
     webmin	1.940			2.000

     
     

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