FUJIFILM FinePix F200EXR

FUJIFILM FinePix F200EXR

FUJIFILM FinePix F200EXR をゲット！

名機の誉れ高いデジカメ

2018年6月5日、ヤフオクで1,200万画素の FUJIFILM FinePix F200EXR の中古が税込2,800円でした。 2009年2月21日発売で、オープン価格ですが発売当初の実売価格は43,000円でした。

以前、 Z700EXR を何気なく買ったら非常に優秀でした。そうなら、CCD サイズがより大きい F200EXR ならもっと優秀なのではと思っての入手です。

付属品は [充電器 BC-45W] [ハンドストラップ] [専用 USB・A/V ケーブル] [CD-ROM] [取扱説明書] [化粧箱] でした。 [バッテリ NP-50] は欠品でしたが、手持ちがあったので問題なしです。嬉しいことに、優秀な [BC-45W] が付属しています。

外観はキズやスレが僅少で良好、レンズ状態良好、そして動作良好です。室内撮影でしか使っていなかったと言うことで、程度は良いです。

1,200万画素あれば普通には十分です。

[1/1.6型スーパー CCD ハニカム EXR] [28～140mm 5倍ズーム] が魅力的です。

2018年10月20日にもハードオフ越谷花田店で1号機より綺麗な逸品が税込4,320円で出ていたので、予備機として購入しました。美品がこの値段なら買い！です。 3ヵ月保証付きです。嬉しいことに専用ケースも付属していました。 1号機より1,500円アップは美品代とケース代かな。

1/1.6型スーパー CCD ハニカム EXR

CCD は1/1.6型と大きい
- このクラスのデジカメでは 1/2.33型 CCD が普通ですが、F200EXR は1/1.6型です。面積比で2.121倍広いです。
- 1/2.33型では1,000万画素までは等倍でもなんとか鑑賞に耐えます。
- 1/1.6型では計算上2,121万画素まで鑑賞に耐えることが見込めます。更に F200EXR はスーパー CCD ハニカム EXR を搭載しているので、もっと画素数を上げられます。
- F200EXR は1,200万画素です。余裕です。
スーパー CCD ハニカム EXR
- 一般的に CCD の感度は単位面積あたりの受光部の面積に比例します。従って、高感度にするには CCD の受光部が占める面積を大きくする必要があります。
- ハニカム構造は受光部を八角形とし、斜めに並べます (図の右)。
- 受光部が格子状に配置された従来構造 (図の左) と比較すると、ハニカム構造はデッドスペースが減って単位面積あたりの受光部の面積が広く、感度が高くなります。
感度が高いということは S/N マージンが上がってノイズが少ないということ
- 一般の 1/2.33型 CCD では ISO200 くらいが使える限界です。
- F200EXR では ISO400 くらいは軽いのではないかと期待できます。

EXR 優先モード

F200EXR には3つの [EXR 優先モード] があります。このうちの2つは画質を向上させる処理をします。
- 更に [EXR AUTO] モードの中に、[EXR 優先モード] を自動選択してくれる設定があります。

以下の表は [EXR 優先モード] の内容です。

No.2～3ではスーパー CCD ハニカム EXR の特性を活かした [画素混合] [画像合成] を行うので、最大記録画素数は半分になります。
- 画素数が絶対と思っている一般素人には受けない、上級者向けモードと思います。
半分とは言っても 600万画素あるので、普通には全然問題ないです。
- 1200万画素→600万画素へ半分になっても、縦横が 0.7倍になるだけなので、そう変わらないです。
- メディアへの記録容量も抑えられます。
下の表で [ロゴ] とあるのは、[EXR AUTO] 撮影中にどのモードで撮影するか表示されるものです。
- どのモードで記録されるのかが撮影前に判るので、安心できます。

No.	EXR 優先モード	ロゴ	最大記録画素数	内容
1	高解像度優先		1,200万画素	全画素をフルに使って撮影します。一般のデジカメと同じです。一般のデジカメにはこのモードしかありません。
2	高感度低ノイズ優先		600万画素	隣接する画素を1つの画素として画素混合します。感度が2倍相当になり、暗部ノイズを抑えます。
3	ダイナミックレンジ優先		600万画素	隣接する画素ごとに露出時間を変えた2つの画像を同時に撮影し、1つは露出時間が長い高感度画像、もう1つは露出時間が短い低感度画像を得ます。この2つの画像をを適切に合成します。ダイナミックレンジを最大 400% まで拡大でき、白飛びや黒潰れを抑えます。

使ってみました

ファームウェアのバージョンチェック
- 入手時のファームウェアのバージョンは 1.20 でした。
- 念のため、新しいファームウェアがないか調べると、これが最新とわかりました。
外観など
- ボディがアルミ材で覆われており、手に持つとヒヤッとして質感を感じます。
  - 入手したのはシルバーモデルですが、ほんの少しシャンパンゴールドの色合いです。
  - 梨地のような綺麗な塗装で、指紋等が付きにくいのがイイです。
- レンズには紫色に見えるマルチコーティングが入っており、手抜きはないです。
  - 焦点距離は 35mm 判換算で 28～140mm です。
  - F 値は F3.3～5.1 と望遠端やや暗いです。
- モニタは [3.0型 23万ドット液晶] と普通です。構図の確認には問題ありません。
  - 液晶保護フィルムを貼る場合は、60.5(W)×45.5(H) mm のものが適合します。
使ってみて
- 使用できる記録メディアは [xD] ピクチャーカード、[SD] [SDHC] メモリカードです。
  - [xD] ピクチャーカードは既に廃れてしまいました。 [SDHC] メモリカードを使うのが良いです。
  - お試し用の [内蔵メモリ] もあって、容量は 48MB です。
- 測距点は [センター固定] が標準で、マニュアルモードにすると [オートエリア] を選択できます。
  - [オートエリア] ではモニタ中央付近にあるコントラストが高い被写体を自動認識して、そこにピントが合います。
- 測光方式は TTL 256分割測光です。
- 広角端も望遠端も歪曲収差はほとんどありません。画像処理での補正がかかっています。
- ちゃんとした手ブレ補正機構を内蔵しています。光学 CCD シフト方式です。
- モニタに縦横3分割線を表示でき、水平垂直や黄金3分割確認ができます。
- 撮影モードには [EXR AUTO] [AUTO] [P] [M] モードがあります。
  1. [EXR AUTO] モード
    - ズーム操作以外はフルオートになります。
    - 被写体にカメラを向けるだけで、カメラが自動的にシーンを認識して最適な設定にしてくれます。
    - 被写体のごく近くになると自動的にマクロモードになります。
    - 常にコンティニュアス AF となるのが困ります。コンティニュアス AF を OFF にする設定がありません。
    - シャッターボタンを押すだけ ・・・写真を撮っているのではなく撮らされている感じがします。
  2. [AUTO] モード
    - [自動でシーンを選択しない] [自動でマクロに切換しない] 以外は [EXR AUTO] とほぼ同じです。
  3. [P] モード
    - 普通のコンパクトデジカメの P モードとほぼ同じです。
    - シャッタースピードと絞りを自動設定 (P)、または絞り優先 (A) を選択することができます。
  4. [M] モード
    - シャッタースピードと絞りが個別に設定できます。
- スーパー i フラッシュ にビックリ！
  - 普通のデジカメに内蔵しているフラッシュで撮影すると、被写体だけが明るく写り、周囲の背景は暗く沈んでしまいます。
    - 色目が変わり、影がきつくなります。よって余程のことがない限り内蔵フラッシュを使わないようにしていました。
  - F200EXR 内蔵フラッシュは [スーパー i フラッシュ] です。これで撮影すると、周囲もある程度明るく写り、自然な感じに撮影できます。
    - 富士フィルムが独自に新開発した発光制御技術で、フラッシュの明るさを自動的に微調整してくれるそうな。
  - 実際にマクロ撮影で [スーパー i フラッシュ] を使ってみると、フラッシュを感じさせない自然な写りでした。
    - どういうアルゴリズムかよくわかりませんが、 素晴らしい！
    - 参考記事・・・スーパーｉフラッシュ、素晴らしいぞ
    - 花や料理の撮影、機器や部品の撮影に使えそうです。
総合評価
- 普通の撮影では フルオートの [EXR AUTO] モードで十分 と感じました。このモードは思っていたより優秀でした。
  - このモードでは、解像度より画質のほうを優先してくれます。好感を持てます。
  - マニュアルで個々に撮影設定するのは大変です。同一被写体を [EXR AUTO] で複数枚撮影しておくほうが合理的です。
- 明るい場所で撮影した画像の画質は非常に良好で、一眼レフに迫っていると思うほどです。
  - EXR 優先モードの [高解像度優先] [ダイナミックレンジ優先] なら ISO400 まで等倍で見ても破綻していないです。
  - [高感度低ノイズ優先] なら ISO800 まで等倍で見ても破綻していないです。
- [スーパー i フラッシュ] が超優秀 です。これだけのために買ってもいいデジカメです。
  - 旅先で出た料理の写真をこの [スーパー i フラッシュ] で撮影しましたが、影がきつくならず、おいしそうに写りました。
その他
- 現在 (2018年)、スマホに駆逐されて安価で優秀なコンパクトデジカメがほぼ消滅しており、中古を探すしかないのが残念です。

さっそく試写！

カメラ任せの [SR AUTO] [画像サイズ AUTO 4:3] [手ブレ補正 ON] で撮影してみました。各写真をクリックすると、大きな元画像が表示できます。

写りも色乗りも良いです。 No.2, 4, 6 は暗くもないのに ISO 感度が上がりました。ダイナミックレンジを確保するのかな？

[NO.1] 西郷どん (せごどん)
1/300秒 F4.6 ISO100
f=96mm (35mm Film 換算)
2018/06/09 12:28
ダイナミックレンジ優先モード

[NO.3] 忍法ガマ蛙の術 (火ではなく、火消し水を吐く)
1/500秒 F5.1 ISO200
f=140mm (35mm Film 換算)
2018/06/09 12:26
高解像度優先モード

[NO.5] アメリカデイゴ (アメリカ梯梧)
1/420秒 F5.1 ISO200
f=140mm (35mm Film 換算)
2018/06/09 13:30
高解像度優先モード

[NO.2] 人形人間 (西郷どんの曾孫かも？)
1/240秒 F5.1 ISO400
f=140mm (35mm Film 換算)
2018/06/09 13:39
高解像度優先モード

[NO.4] 上野東照宮の銅灯篭
1/750秒 F3.6 ISO400
f=35mm (35mm Film 換算)
2018/06/09 12:59
高解像度優先モード

[NO.6] 紫陽花
1/420秒 F3.3 ISO400
f=28mm (35mm Film 換算)
2018/06/09 12:32
高解像度優先モード

仕様など