MASPRO VSP4

MASPRO VSP4 をゲット！

2009年11月14日、AV スプリッタ MASPRO VSP4 の中古を税込3,000円で買いました。 （定価は税込10,815円です。）

中古ですが本体にキズなしの新品同様で、取扱説明書や元箱も揃っていました。

AV スプリッタとは AV 分配器のことです。 1系統の AV 信号を4系統にして、それそれに同じ AV 信号を出力します。

VSP4 はアクティブ型なので、分配損失ゼロで4分配できます。

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カバーを開けてみました

1. 右の写真は内部です。 定価1万円を超える製品なので、当然ビデオアンプ IC を使っているのだろうと予想してカバーを開けました。
   
   
2. 開けてビックリ玉手箱！ IC なんて1個も使っていません。 オールトランジスタのディスクリート回路です。
   
   
3. 実にシンプルな構成です。 これだと定価1万円は高いです。 （ラジオで1万円というと、もっと部品量が多いです。） 私の買った3千円くらいが妥当かも。
   
   
4. 電解コンデンサは全て105℃クラス品を使っています。 電波ブースターのように24時間通電でも大丈夫な作りです。
   
   

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回路図化

1. 簡単な回路構成だったので、基板から回路図化しました。 右の回路図をクリックすると原寸の pdf 図面が表示できます。
   
   
   （注意）この回路図は、私の独自調査によるもので完全に正しいかどうかは保証しません。 また、この情報を元にメーカに問い合わせすることはできません。
   
   
2. 電源回路とオーディオ回路は特に問題ありません。 オーディオ回路はエミッタフォロアなので増幅度ゼロです。
   
   
3. ビデオ回路は問題あり
   
   
   • ビデオ入力は R41 75Ωで終端しているので正しいですが、この時点で -6dB の減衰が生じます。 従ってビデオアンプには 6dB のゲインを持たせてから、出力インピーダンスを75Ωにするのが正しいのですが、そのような回路になっていません。
     
     
   • ビデオ入力を Q5 のエミッタフォロアで受け、その出力を R13〜16 75Ωで分配し、Q1〜4 のエミッタフォロアで出力しています。 Q5 出力をわざわざ75Ωインピーダンスに変換している理由が判りません。 75Ωは同軸ケーブルのインピーダンスであり、内部での配線では75Ωにする必要がありません。
     
     
   • Q1〜4 のエミッタフォロア出力には75Ω抵抗を直列に接続しておらず、出力インピーダンスがゼロΩに近くなっています。 75Ωの抵抗を直列に接続すると回路的には正しくなりますが、前述のように -6dB の減衰が生じたままとなります。
     
     
   • 上記を解決するには、Q5 に 6dB のゲインを持たせ、Q1〜4 のエミッタフォロア出力に75Ω抵抗を直列に接続するのが正しいです。
     
     
4. 以上より、どう見ても素人の回路設計に思われます。 とても大メーカ製品に思えず、アマチュア手作りみたいです。 残念です。
   
   

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使ってみました

1. 端子類は全て金メッキされており安心感があります。 AC アウトレットも装備されているのも良いです。
   
   
2. 素人同然の回路を持った VSP4 ですが、実使用ではほぼ問題なく使えています。
   
   
   • ただし、ビデオ出力が正しい75Ωにマッチングしていないので、出力ケーブルに長いものを使うと（ケーブル内信号反射により）若干画質に影響するようですが、普通には気付かないと思います。
     
     

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仕様

項目	内容
映像入力	1系統・RCA ピンジャック 75Ω (1Vp-p)
映像出力	4系統・RCA ピンジャック 75Ω (1Vp-p)
音声入力	1系統・RCA ピンジャック 20kΩ (2.2Vp-p)
音声出力	4系統・RCA ピンジャック 1kΩ (2.2Vp-p)
微分利得	3% 以下 (APL 10〜90%)
微分位相	3°以下 (APL 10〜90%)
電源	AC100V, 50/60Hz
消費電力	6.2W
使用温度範囲	-10〜40℃
外形寸法	170(W)×47(H)×190(D) mm
重量	1.2kg


（注）APL：Average Picture Level (平均画像レベル)

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