2001年10月14日に
映像百貨ヨシオカ
から購入しました。
定価は 65,000円ですがピッタリ半額の 32,500円で購入できました。
特長は
Image Stabilizer 手ブレ補正機構
搭載です。
<スペック>
- 倍率 : 10倍
- 対物有効径 : 30mm
- 対物レンズ : 1群2枚
- 接眼レンズ : 4群5枚 (フィールドフラットナーレンズ2枚含む)
- プリズム : ポロプリズム方式
- コーティング : スーパースペクトラムコート
- 実視界 : 6°
- 見掛視界 :60°
- 1,000m先視界 : 105m
- ひとみ径 : 3.0mm
- 明るさ : 9
- 至近距離 : 4.2m
- ピント合せ : CF (Center Focus),対物レンズ移動方式
- アイリリーフ : 14.5mm
- 手ブレ補正方式 : バリアングルプリズムによる光学補正式,補正角度 ±1.0°
- 眼幅調整範囲 : 55〜75mm
- 視度調節あり
- 電源 : 単3電池×2本,(常温(25゜C) アルカリ電池4時間、リチウム電池12時間)
- サイズ(mm) : 127(W) × 150(H) × 70(D)
- 重量 : 600g
本体の色はダークブルーで欲しかった色でしたので嬉しいです。
全体のデザインは双眼鏡としては斬新なもので説明しなくてもハイテクの雰囲気がします。
全体的にほとんどプラスチックなのが少々残念です。
でも感触は悪くなく良好の部類です。
これが Canon 10x30ISの光学構造です。
バリアングルプリズムが動き、手ブレを吸収します。
接眼レンズにはダブレット・フィールドフラットナーレンズが組み込まれており、視野周辺部の歪を補正します。
これが付属品一式です。
ソフトケースの出来が良いです。
ネックベルトは幅広で作りは丁寧です。
実際に首にかけると10x30ISはほぼ真っ直ぐ下を向いてくれるので、胸にコンコン当たるということもなく、バランス良く携行できます。
これがソフトケースです。
上部のファスナーが斜めに降りて最後まで開けると双眼鏡が取り出しやすい。
アルミ製の丸いエンブレムに「Canon」と彫り込みしてあって、これがソフトケースの表中央に貼り付けられています。
何か持っていて誇らしい感じがします。
通常の双眼鏡に付いてくるソフトケースはとても格好悪くて使う気がしないのですが、これは全然別次元のソフトケースです。
肝心の性能評価です。
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対物レンズに反射した部屋の蛍光灯は緑と青と紫の3つの反射像が見えます。
接眼レンズの反射像はオレンジと紫と緑などそれ以上の数で見えます。
スーパースペクトラムコートというかなり凝ったコートのようです。
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接眼レンズ径は実測21mmもあります。
アイリリーフは14.5mmです。
接眼レンズが大きくてハイアイポイントの双眼鏡は非常に見やすいです。
倍率10倍にも関わらずブラックアウトしにくいので咄嗟の観測に威力が出ます。
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全体の見え味は非常にスッキリとした見え方です。
やはり
キャノントーン
です。
Canon 10x30ISは基本的にポロプリズムなので優れた性能があるようです。
実際に覗いてそう感じます。
いろいろ見ているとハッとするような素晴らしい見え方をする時があります。
後で考えてみると比較的近距離の目標物であったと思います。
「これ1台」の選択肢に十分ノミネートされるべき性能です。
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解像度もコントラストも抜けも優秀な素晴らしい双眼鏡です。
ピントのピークもすごく判りやすいです。
近くの木の葉を見るともうちょっとで浮き上がるような見え方です。
防振なしでも他の双眼鏡と十分勝負できるというか、勝ってしまう像質です。
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周辺までフラットな感じで、見掛視界60度がフルに活用できます。
フィールドフラットナーレンズ2枚で見事に補正されています。
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糸巻歪はありますが程度が軽く、見掛視界60度という準広角では理解できる範囲です。
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観察対象のエッジ部の色ズレはかなりあります。
特に白に黒とか、黒に白とかのコントラストの強い被写体では結構目立ちます。
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逆光条件での見え具合をチェックしました。
双眼鏡を逆光で使うと全体に霧がかかったようなフレアが出ることが多いです。
Canon 10x30ISではいかに...
明らかに太陽の光の直接光が入る位置(実際には太陽は視野に入れません。視野から少し離れた位置とします。)にして、目標物を見ましたがフレアを全然感じません。
なかなか良い出来です。
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フォーカシングノブとスタビライザースイッチはちょっと遠目です。
フォーカシングノブは小さくて動作はかなり硬めのため、指が痛くなります。
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目幅調節機構は望遠双眼鏡のように、接眼部のみを左右連動回転させて合わせます。
格好良いです。
この目幅調節機構にはすごく感激しました。
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防振はやはり素晴らしいです。今まで見えなかったものが見えてきます。
そしていくら注意して構えても手ブレは結構あったんだ!ということが素直に理解できます。
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映画館でスクリーンから30〜40m離れた席から映画を見ると、スクリーンに映っている映像は結構ピントが甘いのがよく判ります。
そして感激したのはスクリーン布の織り込み模様がハッキリ見えるのです。
通常の双眼鏡の手持ちではこんな事、絶対に気が付かないでしょう。
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10m位離れた場所からA4サイズくらいの電車の時刻表を見ると防振なしでは数字が読み取れません。
防振にすると、とたんに数字がハッキリ読み取れます。
感激ものです。
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防振にしてサギを観察していると、ゆったりしている動作から急に長いクチバシを素早く水中に突っ込んだと思ったら、水中から出てきたクチバシには小魚が...そして数秒で飲み込まれました。
防振なしではこの瞬間の状況を判断できないでしょう。
小魚の色まで見えました。
中心部の解像度やコントラストや明るさは
DOCTER 8×32B/GA Aspheric
に及びませんが、平均的レベルをはるかに超えてかなり良いレベルです。
私はこのレベルで十分満足できます。
重さが600gと全然負担にならないし、付属のソフトケースの出来が秀逸なので、稼働率が高くなると思います。
Canon ISの保管方法
バリアングルプリズム付きのISシリーズの保管時の向きはどれが正しいでしょうか?
- 水平(寝かせる)にして保管する。
- 垂直(立てる)にして保管する。
- どっちでもいい。
これに対し
双眼鏡愛好会
の掲示板で「ねっし〜」様から回答をいただきました。
キャノンのISは水平に置いた状態で保管がよろしいです。
10x30ISは左右一体構造ですがOFF時に像の倒れが起きないとも限りませんので。
ついでに他のキャノンISも同様視軸ズレ防止のため水平に保管してください。
これは防振OFFの時バリアングルユニットをバネとプラスチック(エンプラ)で固定するようになっているのですが、水平に置いた状態を想定してクリアランスを取っています。
壁にぶら下げると固定プラスチックが設計と違う位置に行ってしまい結果として視軸ズレの原因になります。
また、初期12x36ISは電池が無くなると発振を起こします。
この状態で何度も使ってしまいますと間違いなく視軸ズレを起こします。
まだ、それ以上の事は技術センターより報告を受けておりません。