Kenko SurfSnow 8×23

2000年11月14日に Yahoo!オークション にて完全防水型の Kenko SurfSnow の新品を入手しました。 定価は \24,800ですが \4,000で入手できました。

＜スペック＞

• 倍率 ： 8倍
• 対物有効径 ： 23mm
• プリズム材質 ： BaK4(と思う)
• コーティング ： マルチコート(と思う)
• 実視界 ： 7.0°
• 見掛視界 ：56.0°
• 1,000m先視界 ： 122.4m
• ひとみ径 ： 2.9mm
• 明るさ ： 8.3
• 至近距離 ： 2.0m
• ピント合せ ： CF (Center Focus)
• アイリリーフ ： 8mm
• 接眼レンズは非球面(と思う)
• 完全防水で水深 1m までは保証
• ポロプリズム方式
• 視度調節あり
• サイズ(mm) ： 115(W) × 60(T) × 110(L)
• 重量 ： 380g

黄色が印象的な完全防水双眼鏡です。

　

これが付属品一式です。

肝心の性能評価です。

「SurfSnow」にはなぜかスペック表の類が一切付いていなかったので、経験と実際の使用にて判断しました。

• 対物レンズ 23mm，倍率 8倍は日中にバードウォッチングや海上での使用に十分使えます。 23÷8＝瞳径 2.9mm ですから、日中使用には十分ですが夜間や天体には使えません。 天体では瞳径は 7mm必要です。 手持ちで使うことを考えると倍率は 7倍か 8倍が一番使いやすいです。 10倍以上では手ブレで見ていて気持ちが悪くなって実用的ではありません。 で、日中使用を前提として、この項目は合格です。
  
  
• レンズですが、対物レンズも接眼レンズもマルチコートのようです。 マルチコートされているかどうかは、レンズに光を当ててその反射を見れば判断できます。 特に接眼レンズは非球面レンズのようです。 これもレンズ表面反射カーブを見れば判ります。 接眼レンズが非球面であると観測画像周辺部のアバレ(ピントズレや色ズレ)が抑えられることが期待できます。 で、この項目は合格です。
  
  
• 双眼鏡を目から遠ざけ接眼レンズを見ると、小さい光の円が見えます。 これが瞳径で、これが真円に近いほどプリズムの材質が良いです。 「SurfSnow」ではほとんど真円に見えるので、たぶんプリズム材質は BaK4と思います。 安物の双眼鏡では、この瞳径が四角に蹴られていてプリズム材質が BK7となります。 また、左右の瞳径の位置が左右対称になっていることを確認します。 これは光軸のチェックでこれがズレていると画像が 2つ見えたり、ピントが全然合わないように感じたりと、とても使い物になりません。 「SurfSnow」は問題ありませんでした。 で、この項目は合格です。
  
  
• ピントノブを回してみて、レンズの動きに問題ないかチェックします。 今回の「SurfSnow」は、ピント調節では対物レンズが前後に動きます。 ピントノブの動きがスムーズであるか、バックラッシュがあるか等チェックします。 その他機構部のチェックもします。 特に接眼レンズの視度調節はカチカチとクリック式になっており、ズレにくい機構になっており、好感が持てます。 で、この項目は合格です。
  
  
• 「SurfSnow」は完全防水とうたっており「水深１ｍまでは完全保証します。」と明記されています。 防水構造をチェックしてみると、対物レンズの前に平面ガラスを置き、ピント調節時の対物レンズの動きは完全に内部での動きになっていました。 接眼レンズ部はたぶんＯリングが入っていると思われます。 この構造からみると、たぶん窒素ガス充填で内圧を持たせていると思われます。 こうなっているとレンズ・プリズムにカビは絶対に発生しない訳で、寒暖の激しい移動にも内部に曇りは絶対に発生しないのです。 防水構造にすると多少重くなりますが、過激な使用に強くなります。 で、この項目は合格です。
  
  
• 全面は分厚いラバーで覆われています。よって衝撃には強そうです。
  
  

実際に使って評価します。

• ピントはスカッと合います。 スムーズです。 特に近距離は 2mから合うので美術品の鑑賞などにも使えそうです。
  
  
• 非球面レンズのおかげだと思うのですが、周辺部のアバレは少ないです。 実質的に視野が広くなったような効果があります。 安物の双眼鏡は中心部しか焦点が合わず、周辺部の焦点ズレと色ズレが激しくて、長時間使うと目が疲れます。
  
  
• 色の再現性は合格です。 双眼鏡に色の再現性なんて？？？ と思うかたがいると思いますが、主にレンズやプリズムの内部乱反射や色収差で、安物の双眼鏡の色の再現性はひどいものです。 ひどいものになると、画像全体に霧がかかったように見えます。 カメラの性能はレンズだといいますが、これを実感します。
  
  
• 2000年11月25日に埼玉県県民福祉村でバードウォッチングしてみました。
  コントラストはすごく良好です。 肉眼では気が付かない草むらで休んでいる鳥達の生々しい生活の様子がクッキリ見えます。 Kenkoは安物双眼鏡メーカだと思っていたのですが、この「SurfSnow」は全然違います。 物がイイです。
  
  

以上より、 「SurfSnow」購入は大正解だったと言えます。