Mizar Arctec BK-2000 7×50
2000年11月25日に
スターゲイズ
にて購入しました。 定価は \19,800ですが \6,000で入手できました。 \6,000で「対物レンズ・接眼レンズ共マルチコート」「プリズムはBaK4」「ハイアイポイント」と信じられないほどのスペックです。 私も最初は本当だろうか???と思いましたが、到着した双眼鏡をチェックして全て本当でした。
スターゲイズの社長さまとのメール交換で以下のコメントをいただきました。 このようなしっかりしたポリシーに基づいているので、
スターゲイズ
は要チェックサイトだと思います。
「当社のラインナップは一流メーカー品ではなく、普及価格帯でありながら実用面においてしっかりした商品を、実際に目で確かめて選定するようにしております。 今回はその中でもメーカーとのタイアップでこのような商品を送り出しておりますが、需要がこれだけあることが確かめられれば、もっと多くの種類の商品を紹介して行きたいと思っています。」
<スペック>
倍率 : 7倍
対物有効径 : 50mm
プリズム材質 : BaK4
コーティング : マルチコート
実視界 : 6.6°
見掛視界 :46.2°
1,000m先視界 : 116m
ひとみ径 : 7.1mm
明るさ : 51
至近距離 : 7m
ピント合せ : CF (Center Focus)
アイリリーフ : 21mm
接眼レンズは非球面(と思う)
ポロプリズム方式
視度調節あり
サイズ(mm) : 193(W) × 65(T) × 199(L)
重量 : 940g
対物レンズ・接眼レンズ・プリズム全てにマルチコートされており、かつプリズムが BaK4硝材なので高級品志向のようです。 また、保証期間が5年ということは品質に自信があると思われます。
双眼鏡の見え味は「双眼鏡の性能」と「自分の目の性能」の合成値ですから、本当に良いかどうかは自分で判断することになります。 カメラだとレンズのF値を絞って使うのが普通なので、レンズの多少の問題は絞り込むことにより補正されます。 双眼鏡はカメラでいう開放状態で使うので良い光学系と悪い光学系はモロにわかります。
これが付属品一式です。 付属の携帯ソフトケースの作りはクッション性があり合格です。
BK-2000と一緒に「スタークリック!二千年秋号」CD−ROM(定価1,000円)という電子マガジンがサービスで付いてきました。 内容を見ると天文の話題が満載でした。
肝心の性能評価です。
対物レンズ 50mm,倍率 7倍で 50÷7=瞳径 7.1mm ですから、日中はもちろん夜間や天体にも使えます。 ハイアイポントのためか、接眼レンズはびっくりするほど大きな口径(実測 25mm)でした。 見え味もハイアイポントと相まってかなり良いです。 ハイアイポント設計ですからメガネをかけたまま観測することができます。 ちょっと難点を挙げると、接眼ゴム見口直径が 43mmとバカでかいので顔に押し付けても密着しないことです。 周囲の光の混入が心配です。 しかし、メガネをかけたまま双眼鏡を覗き込む人もいるくらいですから、これはあんまり心配しないでもよいのかもしれません。
レンズですが、どう見ても対物レンズも接眼レンズもマルチコートで間違いないです。 マルチコートされているかどうかは、レンズに光を当ててその反射を見れば判断できます。 この写真のように緑掛かって見えます。
双眼鏡を目から遠ざけ接眼レンズを見ると、小さい光の円が見えます。 これが瞳径で、これが真円に近いほどプリズムの材質が良いです。 BK-2000では真円の大きな瞳径が見られます。 よって、プリズム硝材は BaK4に間違いないです。
ピントノブを回してみて、レンズの動きに問題ないかチェックします。 BK-2000は、ピント調節で接眼レンズが前後に動きます。 ピントノブの動きがスムーズであるか、バックラッシュがあるか等チェックします。 その他機構部のチェックもします。 この項目は良好でした。
全体がゴムで覆われており、しっくり手に馴染みます。作りは良いです。
重さは 940gとマトモな設計に思えます。 マトモなプリズムやレンズや筐体を投入すると対物 50mmでは 1Kg前後になるのは常識と思っています。
「Mizar BK-2000 7×50」「Vixen Ultima 8×32」「Kenko GIOTTOS 10×50」で比較しました。
この3つの中で周囲まで破綻なく見れるトップは BK-2000でした。 Ultimaもかなりイイ線行ってますが、やはり対物 50mmと 32mmの差が出たというところです。 最悪が GIOTTOSです。この GIOTTOSは私が初めて買った双眼鏡です。 買った時は「よく見える」と感激していましたが最近になって違いが判るようになり、そろそろこの双眼鏡は卒業かなと思います。 「最悪」と書いたのは、今の私の判断基準からいうと「像が大きく湾曲している(糸巻き歪)」「周辺部での色ずれがハッキリ見える。」ですので、良いというレベルではなくダメというレベルに入っているのです。
BK-2000の接眼レンズをよくみると軽い非球面レンズを使っているようです。 このためもあってか周辺までスッキリ見えます。実効視界が広いと判断しました。
コントラストは BK-2000も Ultimaもどちらも良いです。 BK-2000は硬調、Ultimaは軟調に見えます。 GIOTTOSはコントラストが甘く色ズレが目立ちます。
実際にバードウォッチングしてみました。
埼玉県越谷市は水辺の鳥が多いです。 よって、2000年11月26日にバードウォッチングで使ってみました。
越谷総合体育館周辺の池と松伏記念公園で鴨さんや白鳥さんを見てみました。 双眼鏡で見ると平面的に見えてしまうことが多いのですが、この BK-2000では立体的に観測できました。 コントラストがすごく良くて、色彩の再現性も申し分ありません。 BK-2000はなかなか良い双眼鏡だと思います。
以上より、
私の評価は「非常に良好」です。