双眼鏡愛好会
の掲示板の書き込みを見て「Canon 8x32WPってそんなにいいのだろうか?」と思いました。
実売価格をみると定価38,000円が半額以下で売っています。
「この価格では made in Japan ではないのでは?」と思い、調べてみましたが、「made in Japan」でした。
実際に覗いてみると結構マトモじゃありませんか。
どうしてもチェックしてみたくなり、そんなに悩む金額でもないので2001年8月4日に
e-camera
で買ってしまいました。
17,800円でした。
<スペック>
- 倍率 : 8倍
- 対物有効径 : 32mm
- レンズ構成 : 5群7枚
- フィールドフラットナーレンズ : 1枚
- プリズム : ダハプリズム方式 BaK4
- コーティング : マルチコート
- 実視界 : 7.5°
- 見掛視界 :60.0°
- 1,000m先視界 : 131m
- ひとみ径 : 4.0mm
- 明るさ : 16
- 至近距離 : 6m
- ピント合せ : CF (Center Focus)
- アイリリーフ : 18mm
- 防水性能 : JIS7級 (1m/5分)
- サイズ(mm) : 136(W) × 145(H) × 54.5(D)
- 重量 : 730g
この値段では珍しく
made in Japan
です。
ラバー外装は濃いグリーンでキャノンらしい色づけです。
上質です。
フォーカシングはダハ型の完全防水でありながら接眼可動式となっており窒素ガスが抜けないのか心配になります。
フォーカシング操作そのものはスムーズでシッカリしています。
これが付属品一式です。
接眼レンズキャップ、ストラップベルト、ソフトケースです。
これらの付属品の質は並み程度です。
さして不満はないが高級感もない。
肝心の性能評価です。
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対物レンズを見ると透明感があって緑色に見えるマルチコーティングがされています。
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接眼レンズを見ると透明感があって緑色に見えるマルチコーティングがされています。
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中心から70%くらいまではスッキリと見えます。
しかし、全体に像がソフトで、中心部でも焦点のピークが判り辛いです。
70〜90%でも若干暗くなりますがフォーカスもキチンと合っており好印象です。
90%を超えるとボケますが大きくボケることはなく、被写体を認識できます。
かなり良いレベルです。
これが
フィールドフラットナーレンズ効果か!
というのを実感しました。
このため実視野7.5度、見掛視野60度でありながら、実効視野はかなり広く感じます。
グッドです。
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普通の双眼鏡は中央部にフォーカスを合わせると周辺がボケて、周辺に合わせると中央部がボケるということになります。
「Canon 8x32WP」の場合はかなり違います。
中央部にフォーカスを合わせると周辺が少しボケる程度です。
周辺にフォーカスを合わせてみると一番良いと思われるポジションでも完全にフォーカスが合わず少しボケており、中央部は完全にフォーカスが合っているという状態です。
ですから中央部でフォーカスを合わせた状態が周辺でも最良位置なのです。
フィールドフラットナーレンズ効果
でしょうね。こういう見え方をする双眼鏡は初めてです。
すごく好印象です。
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像の歪ですが、周辺でもほぼフラットです。
なかなか良く補正されています。
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色再現性はごくごく僅か黄色がかるように見えますが、概ね無色透明というところです。
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上の評価は日中使用でのものです。
夜の場合は以下でした。
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夜に街灯を見ると十字に光芒を引くのでフェーズコートはされていないと思います。
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満月を見ましたが、特に不満もなくスッキリ見えました。
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花火はたいへん綺麗に観望できました。
ですから日中の観望には非常によい性能を持っていますし、夜での使用もそれほど不満はないと思います。
私はこれを持って鳥を見たり、近々海へ行くので防水性と相まって活躍しそうです。
日中専用と割り切って使えばすごくパフォーマンスの良い双眼鏡と思います。
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視度補正は右接眼を回す一般的なものですが、クリックが付いており若干ズレにくいです。
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重さは 730gで首から提げるにはチト重いです。
重い双眼鏡はストラップの長さを長いめにして肩からタスキ掛けすると楽です。
首から提げるという固定概念はやめといたほうが良いです。
タスキ掛けで肩から提げるようにすると 2Kgの双眼鏡でも楽々です。
2001年8月8〜11日に沖縄へ家族旅行しました。
「Canon 8x32WP」もお供でした。
現地では「Canon 8x32WP」を浜辺や水上で使いましたが、やはり完全防水ということで安心して使えました。
ホテルに帰ってから水道水でジャブジャブ洗いましたが(塩分を取るため。)何ともなかったです。
それとホテルの部屋の温度は22度くらいで、そこで置いておいた双眼鏡は外に持ち出すと、35度を超える暑さと高湿度のため、一発でレンズが曇ります。
ところがしばらくして乾くと内部は何ともない訳で、ハードな使い方には完全防水しかないと認識したしだいです。
こんな使い方、完全防水でも6桁双眼鏡ではちょっとこわくて試せません。
値段が値段だけに、それほど気を使わなくてイイのはもう1つのメリットか。