SONY ZS-E80 をゲット!
2018年4月7日、
ハードオフ
上青木店で CD ラジオの
SONY ZS-E80
のジャンク品が税込1,080円でした。
発売は2014年11月22日で、現行品です。
オープン価格ですが、発売時の実売価格は税抜9,800円でした。
ジャンクの理由は [CD 再生を開始して数曲でフリーズする] です。
外観の状態が良いので暇潰し用に購入しました。
外観は全てに優先します。
ワレなどは修復できないですからね。
分解して判明しましたが、ラジオとして超優秀です。
ワイド FM
に対応した
DSP ラジオ
です。
状態チェック
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外観チェック
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全体的に綺麗で、致命的なワレ等はないです。
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ディスプレイの透明プラスチック部分に2本の薄い線キズがあります。
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CD カバー内側に、何だか得体のしれない [黄色のネバネバした水飴状の付着物] が付いています。
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電源 ON でチェック
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全ての操作ボタンは正常、ディスプレイの表示も正常です。
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FM/AM ラジオの受信は良好です。
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感度は良いです。
FM stereo 受信もできます。
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受信周波数のプリセットが正常にできます。
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音楽 CD を再生してみると ・・・
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一番最初の TOC 読み込みは正常です。
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再生してみると、1曲目は正常ですが、2〜3曲目くらいでフリーズして全ての操作ボタンが無反応になります。
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フリーズして数分くらいで (おそらくタイムアウト処理で)、ボタン操作ができるようになります。
分解
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[CD ドア内に見える2本のネジ] [背面上の4本のネジ] [背面の4本のネジ] [電池ボックス内に見える2本のネジ] を外すと、前後に分離できます。
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[背面上の4本のネジ] だけが短いです。
これ以外のネジは同じものです。
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下の写真は左から [後カバー] [前カバー] [基板取り外し後の前カバー] です。
それぞれの写真をクリックすると大きな画像が表示されます。
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真ん中の写真から判るように基板裏面には銅シートのシールド板が取り付けられています。
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下の写真は左から [基板裏面] [基板表面] です。
それぞれの写真をクリックすると大きな画像が表示されます。
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銅シートのシールド板を取り外して撮影しています。
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基板表面でバーアンテナに一番近い金属シールドケースは DSP ラジオ & IR 受光部です。
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分解してわかったこと
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内部に刻印されているケース製造マーキングは2015年4月となっていたので、この頃の製造品と判りました。
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DSP ラジオ
です。
DSP ラジオ
は IFT など LC 同調回路がなく、調整不要で、かつ経年変化しないです。
素晴らしい!
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内蔵バーアンテナの長さは 70mm で、1コイルです。
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スピーカは小型ですが、マグネットが大きいマトモなものが実装されていました。
リペア
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CD 動作不具合を調査
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CD トランスポートが見える状態で動作させて確認
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CD ピックアップのシーク動作に問題ありです。
シークが途中で止まるようです。
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シークが固着していると思われるタイミングでシークギアを指でちょこんと押してやると、シークが正常に戻ります。
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CD トランスポートのシーク機構の動きが重くなっていると判断しました。
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CD ピックアップは正常と判断しました ・・・ 良かった! 一番高い部品です。
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CD トランポートを取り外して点検
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CD カバー内側にあった [黄色のネバネバした水飴状の付着物] が CD トランスポートにも付いていました。
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これがシーク動作を重くした原因です。
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CD トランスポートを修理
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[CD トランスポート] [CD カバー内側] に付着していた [黄色のネバネバした水飴状の付着物] を無水アルコールで除去しました。
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CD トランスポートの機構部をシリコングリスでグリスアップしてから本体に組み込みました。
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粘度の低いシリコングリスが入手できない場合、ここはモリブデングリスでも大丈夫です。
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仮組立して正常動作を確認できたので、本組立しました ・・・ 修理完了!
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[黄色のネバネバした水飴状の付着物] は前オーナが誤って塗布してしまった化粧品の類と思います。
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アルコール成分が蒸発してネバネバ成分だけが残ったように思います。
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素人では修理が無理で、メーカ修理は CD トランスポート交換などで修理代が1万円以上かかります。
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その他のリペア
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ディスプレイの透明プラスチック部分にある2本の薄い線キズを補修
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キズは浅くスレに近いように思われたので、マイクロ研磨にで修復可能と判断しました。
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透明プラスチック近辺をマスキングテープで養生してから
KOYO プラスチックみがきクロス
にて研磨してみたら、完全にキズが消えました。
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全体を OA クリーナでクリーニングしました。
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以上で新品に近い状態に回復しました。
使ってみました
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デザイン
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318(W)×172(H)×70(D) mm / 1.4kg とホームラジオ並みの大きさですが、奥行が薄く設置に困りません。
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正面から見ると、すごく薄い奥行に見えますが ・・・
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右の写真のように、背面には出っ張りがあります。
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このおかげで設置が安定するとも言えます。
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ディスプレイは LCD で、電源 ON 中は常時ホワイトバックライトされます。
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[AC IN] メガネ端子があって AC100V で駆動可能です。
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単3乾電池×6本を実装できる電池ホルダがあって、乾電池での駆動もできます。
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入出力端子
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[ヘッドホン] 端子があって、ヘッドホンのプラグを挿入するとスピーカから音は出なくなります。
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[音声入力] 端子があって、本機をパソコンのアクティブスピーカのように使えます。
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ラジオ機能
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FM はロッドアンテナ、AM は内蔵バーアンテナです。
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受信周波数範囲
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FM は 76.0〜108.0MHz (0.1MHz step) で
ワイド FM
に対応しています。
ステレオ受信できます。
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AM は 531〜1,710kHz (9kHz step) です。
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プリセット
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[プリセットメモリ] があって、FM 20局分、AM 10局分をメモリ&コールできます。
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[お気に入りメモリ] もあって、FM/AM ランダムで3局分をワンタッチでメモリ&コールできます。
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電源消失しても [プリセットメモリ] [お気に入りメモリ] の内容は消えません。
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CD 機能
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再生可能メディアは [市販の CD] [CD-R] [CD-RW] です。
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[MP3] [WMA] オーディオファイルも再生できます。
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[リピート] [シャッフル] [プログラム] 再生ができます。
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DPC
(デジタルピッチコントロール) 機能があります。
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±50% の範囲で速度調整でき、しかも音程は自然なまま再生します。
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-50% の半速再生すると、ロックの歌声がお経みたいに聴こえます。
面白いです。
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[3秒戻し] [10秒送り] ができます。
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おやすみタイマ機能
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90/60/30/15 分後に電源 OFF にする [おやすみタイマ] があります。
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時間に関する機能は [おやすみタイマ] だけで、時刻表示などの機能はありません。
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評価
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普通にラジオや CD を聴くだけなら取扱説明書は不要です。
直感で操作できます。
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特に FM の感度が良いです。
AM の感度も普通です。
ラジオとして超優秀です。
DSP ラジオは FM 感度が良い傾向があります。
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全般的な音質傾向は、メリハリが感じられない平面的な音です。
SONY ICF-800
くらいの音が出ると嬉しいのですが、完敗です。
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FM 放送の音質は、聴きやすく音作りに成功していると言えます。
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AM 放送の音質は、モゴモゴと籠っています。
DSP ラジオ処理の受信帯域を狭くし過ぎと思われ、これで高音が出ないのです。
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CD 再生の音質は、低音が不足し、高音がうるさく聴こえます。
音の高低バランスが悪いのです。
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ワイド FM が聴けるし感度も良いので FM ラジオとして価値があります。
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