Pioneer F-505

Pioneer F-505 をゲット!

2009年12月12日、 Pioneer F-505 の中古品を YAMAHA CT-800 の修理のお駄賃にいただきました。



早速、程度&動作チェック

  1. 外観

  2. 入手した状態のまま電源 ON してチェックしました ・・・ ほぼ正常のようです



カバーを開けてみました

  1. ラジオの性能より少しマシ程度のローコスト機ですが、シッカリした作りです。 写真をクリックすると拡大写真を表示できます。

  2. IC を使用して合理化が図られています。


  3. FM フロントエンドは3連バリキャップです。 トリマーコンデンサがありません ・・・ よってトラッキング調整は空芯コイルによる1点調整となります。

  4. FM IF 部は以下のローコストな構成です。

  5. FM 検波部は [PA3001] を使ったクォードラチュア検波です。 通常、クォードラチュア検波ではディスクリ IFT 2段構成にするのが普通ですが、F-505 ではディスクリ IFT は1個だけです。 あまり性能は期待できないです。

  6. MPX 部は [AN7470] を使った PLL MPX です。 なんと!セパレーション調整ボリュームがありません。

  7. AM 部のフロントエンドは2連バリキャップです。 [LA1247] で全てを構成します。

  8. メモリバックアップはチューナー基板上の電気二重層コンデンサ C404 (22mF 5.5V) で行います。



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. 電圧チェック

    TP 標準値 実測値 備考
    IC301-out +13V +13.31V チューナー全般用
    Q301-E +5.6V +5.76V MCU 電源

  2. FM 受信部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 F-505 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - BAND SELECTOR : FM
    FM MONO : OFF
    CCTS : OFF
    - -  
    2 - - 89.9MHz 受信 FM フロントエンド
    OSC コイル
    TP4 電圧 = 8.0V VT High
    3 - - 76.1MHz 受信 - TP4 電圧 = 3.0V VT Low
    確認のみ
    4 83MHz 30dB
    変調 : MONO 1kHz
    83MHz 受信 FM フロントエンド
    RF コイル×2
    TP2 電圧 = 最大 RF 調整
    5 83MHz 30dB
    変調 : MONO 1kHz
    83MHz 受信 FM フロントエンド
    IFT
    TP2 電圧 = 最大 IF 調整
    6 83MHz 90dB
    変調 : MONO 1kHz
    83MHz 受信 L109 TP5〜TP6 間電圧 = 0V QR 検波調整
    7 83MHz 90dB
    変調 : STEREO 1kHz
    83MHz 受信 VR101 STEREO ランプが点灯するように調整 VCO 調整
    8 83MHz 90dB
    変調 : STEREO 1kHz
    83MHz 受信 FM フロントエンド
    IFT
    オーディオ出力 = 高調波歪最小 高調波歪調整
    ±90度の範囲で調整

  3. AM 受信部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 F-505 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - BAND SELECTOR : AM
    CCTS : OFF
    - -  
    2 - - 522kHz 受信 L201 TP4 電圧 = 1.3V VT Low
    3 - - 1629kHz 受信 TC102 TP4 電圧 = 10.0V VT High
    4 - - - - 手順2と3を数回繰り返す OSC トラッキング調整
    5 603kHz 40dB
    変調 : 400Hz
    603kHz 受信 T201 TP3 電圧 = 最大  
    6 1404kHz 40dB
    変調 : 400Hz
    1404kHz 受信 TC101 TP3 電圧 = 最大  
    7 - - - - 手順5と6を数回繰り返す RF トラッキング調整
    8 999kHz 40dB
    変調 : 400Hz
    999kHz 受信 F201 TP3 電圧 = 最大 IF 調整

  4. 調整結果

    1. 初期チェックで動作に問題ないと思いましたが、やはり調整ズレがありました

      • FM フロントエンドや同調点でズレがありました。

      • 感度は大きく向上しました。

    2. FM ステレオセパレーションなどは以下となりました

      • セパレーション調整ボリュームがないので、こんなものです。

      • その割には頑張っていると思います。

      項目 L R 単位
      ステレオセパレーション 32 32 dB
      パイロット信号キャリアリーク -32 -32 dB
      オーディオ出力レベル偏差 (MONO) 0 -0.13 dB



使ってみました

  1. 小型でシンプルなデザインです

  2. 機能関連

  3. 音質はマアマア



仕様