Pioneer F-757 (2号機) をゲット!
2011年12月11日、
Pioneer F-757
のジャンク品を3,000円で入手しました。
専用リモコンが付属しており、これが狙いで本体はどうでもよかったのです。
状態チェック
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外観チェック
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天板の手前側に目立つ大きなヘコミ
があります。
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天板にシミや汚れが目立ちます。
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フロントパネル、リアパネル、底板は綺麗です。
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[リモコン] は付属していましたが、[AM ループアンテナ] は欠品です。
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電源ケーブルの製造マーキングより、この F-757 は1990年製と判明しました。
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電源 ON でチェック
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電源は正常に入り操作ボタンはそれなりに動作します。
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FM/AM とも全く受信できません。
局間ノイズが聴こえるのみです。
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蛍光表示器に少しヤセがあります。
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プリセットボタン等に若干チャタリングがあります。
修理
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FM/AM とも全く受信できない
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FM も AM もいずれも受信できない現象より「VT 電圧が出ていない」と判明しました。
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VT 電圧が出ない原因は VT 出力段の電源 +26V が印加されていないためと判明しました。
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電源回路を調べると +26V はちゃんと出ていました。
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こうなると +26V パターンがどこかで切れているとしか考えられません。
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テスターとルーペを使って調査したところ、パターン切れがみつかりました。
非常に稀なケースです。
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パターン切れをテフロン線で補修して FM/AM 共受信可能になりました。
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感度が異常に低く、再調整で非常にトリマ調整がやり辛い
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当たり前ですが、この現象は FM 受信できるようになってから気が付きました。
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Victor FX-711 (2号機)
で不良だったトリマコンデンサと同じものが使われています。
間違いなくトリマコンデンサ不良です。
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トリマコンデンサを全数交換しました。
写真のトリマコンデンサが不良だったものです。
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交換後、調整がビシッと決まるようになり感度も大幅アップしました。
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トリマコンデンサの容量抜けで最良点に調整できなかったのです。
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不良トリマコンデンサの裏側のハトメのような部分が接触不良になります。
再調整結果
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F-757 (1号機)
に記載の手順で再調整しました。
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結果は以下のように良好でした。
項目 |
IF BAND |
L |
R |
単位 |
ステレオセパレーション |
NORMAL |
58 |
60 |
dB |
ステレオセパレーション |
SUPER NARROW |
50 |
45 |
dB |
パイロット信号キャリアリーク |
- |
-67 |
-68 |
dB |
オーディオ出力レベル偏差 (MONO) |
- |
0 |
-0.11 |
dB |
感想など
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修理は楽しい!
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本機入手目的は F-757 本体ではなくてリモコン狙いだったのですが、本体の修理も楽しめてラッキーでした。
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修理は推論とその検証の繰り返しで、その過程で思考をフル回転するのが面白いのです。
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リモコン型式は Pioneer CU-F002 です。
もちろん良好動作しました。
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修理後の性能や音質は良好です
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FM 受信では、十分な感度や妨害電波排除能力があります。
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FM の音質は良いと言えますが、音が柔らか過ぎるようです。
解像度感に欠けます。
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AM の感度はかなり良いです。
音質も良いほうです。