GPS 同期基準パルス発生器の製作

技術検討

  1. 2009年9月2日、ユニバーサル周波数カウンタを校正する目的で GPS 同期基準パルス発生器 を製作しました。

  2. 製作前の技術検討は以下でした。



回路図

  1. 1PPS 信号を取り出すだけなら FV-17 だけでもよいのですが、使い易くするために若干回路を追加しました。 右の図が回路図です。 回路図をクリックすると等倍の pdf ファイルで参照できます。

  2. GPS と同期が取れたことを表示する [SA LOCK] ランプを追加しました。

  3. シリアル出力を OC 化 (オープンコレクタ化) しました。

  4. 1PPS 出力を2系統にしました。



主要部品

  1. FV-17 GPS モジュール

  2. GPS アンテナ

  3. RS-232C <--> TTL 変換ケーブル

  4. ケース

  5. 5V AC アダプタ



製作しました

  1. 自慢できるような仕上げではありません。 基本はデジタル回路ですから、これでOKです。 蓋をしたら中身は判りません。 動けば良いのお気軽工作です。

  2. GPS モジュール FV-17 が基板に対して少し平行ではありませんが、これは FV-17 には裏側から留める2個のネジ穴があり、その間隔を 2.54mm ピッチ基板で合わすと、こうなってしまうのです。 別に問題はありません。

  3. CR2032 リチウム電池は交換しやすい位置にしました。 交換するのは10年後か20年後か???

  4. ユニバーサル基板にはガラスエポキシを使っています。 こういうところは、コダワリがあります。



サポートソフト

  1. FV-17 のシリアル出力フォーマットは NMEA-0183 ですから世界標準です。

  2. NMEA-0183 はテキストベースですから、ターミナルソフトでそのままパソコンのモニタに表示できます。 しかし、1秒ごとに大量に出力される NMEA-0183 データは目で追いきれません。

  3. そこで、フリーソフトの NMEA Monitor for windows を使うと、NMEA-0183 データが分析され、衛星位置や測位値などをビジュアルに把握できるようになります。



使ってみました

  1. FV-17 は思いの外、感度が良く、室内でも GPS アンテナを窓際に設置することで1分くらいで測位可能になります。 右の写真はフロントパネルです。 左から [SA LOCK] ランプ、[1PPS] 出力 (BNC) です。

  2. 校正器でありがちなウォーミングアップ時間が不要です。 GPS 測位可能になった時点から高精度です。

  3. 未校正であったユニバーサル周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 で 1PPS 信号の周期計測をしてみると、0.9999982秒 と表示され、安定しています。

  4. 1PPS が予想以上の精度である考察です。 右の写真はリアパネルです。 左から [GPS ANTENNA] (TNC) コネクタ、[Serial] 入出力 (Stereo Mini Jack)、[1PPS] (RCA)、[DC-IN] (+5V) です。 DC-IN は 2.1φのセンター+です。

  5. こういう校正器って、よく使っても1回/年くらいの頻度でしか使いません。 右の写真はサイド側より見たものです。

  6. 本機には RS-232C 出力もあるので、このまま GPS 地図と連動させて GPS ナビとしての使用も可能です。



ADVANTEST TR5822 の精度検証

  1. 製作した GPS 同期基準パルス発生器の 1PPS 出力をユニバーサル周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 で周期計測し、それをプロットしてみました。



  2. 縦軸は 10-7 での確度です。 横軸は経過時間 (時:分) です。

  3. 考察

  4. 結論



ドキュメント

  1. SanJose Navigation FV-17 User Manual

  2. FURUNO GN-79N Specification/Protocol Manual