ONKYO PT-220

ONKYO T-403 をゲット!

2016年9月11日、ONKYO PT-220 を平塚市の K さんより、研究用に寄贈していただきました。

ルックスはなかなか良いと思います。



程度&動作チェック

  1. 外観

  2. 入手した状態のまま電源 ON してチェックしました



カバーを開けてみました

  1. 基板の作りは良いです 写真をクリックすると拡大写真を表示できます

  2. 以下の IC を使用して合理化が図られています

    メーカ IC 機能
    NEC uPC1161C3 FM stereo decoder
    uPC1167C2 FM IF System (HA11225 と同じ)
    uPC1243C AM TUNER
    SANYO LB1403 5-Dot Red/Green LED Level Meter

  3. FM フロントエンド

  4. FM IF 部

  5. FM 検波部

  6. FM MPX 部

  7. AM 受信部



リペア

  1. FM 受信できない

  2. 全体に汚れがあり、特に天板が汚い



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. 調整ポイント



    BAND 場所 種別 調整ポイント 調整内容 備考
    FM フロントエンド L L1
    L2
    RF トラッキング 76MHz
    TC TCF1
    TCF2
    90MHz
    L L3 OSC トラッキング 76MHz
    TC TCF3 90MHz
    IFT T1 IF 10.7MHz
    チューナ基板 IFT L101L クォードラチュア検波 歪率
    L101R 同調点
    VR R217 MPX VCO 19kHz
    AM チューナ基板 L L151 RF トラッキング 600kHz
    TC TCA1 1400kHz
    L L152 OSC トラッキング 600kHz
    TC TCA2 1400kHz
    IFT X151
    L153
    IF 455kHz

  2. テストポイント (TP)

    BAND TP 接続先 内容 備考
    FM TP1 TP1〜TP2 間 クォードラチュア検波 NULL 電圧 FM 受信同調で 0±20mV
    TP2
    TP3 TP3〜GND 間 パイロット信号チェック 19kHz±10Hz
    FM
    AM
    J105 J105〜GND 間 S メータ 受信レベル

  3. 電圧チェックポイント (VP)

    VP 標準値 実測値 備考
    J902 +12V +11.37V チューナ/オーディオ用

  4. FM 受信部の調整

    手順 SSG出力 PT-220 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - BAND:FM
    MUTE:OFF
    - -  
    2 10.7MHz
    90dB
    変調:OFF
    R102L に
    SSG 出力を注入
    L101R TP1〜TP2 間電圧 = 0±20mV FM 同調点(仮)調整
    3 SSG 出力を通常のアンテナ入力に戻す  
    4 76MHz
    30dB
    変調:OFF
    76MHz 受信 L3 SIGNAL メータ = 最大
    (J105〜GND 間電圧 = 最大)
    ここでの調整はダイヤルスケールと
    指針を合わせることが目的
    L3 がワニスで固められているため
    調整できなかった。
    従って、TCF3 だけ調整した。
    5 90MHz
    30dB
    変調:OFF
    90MHz 受信 TCF3
    6 手順4と5を数回繰り返す OSC トラッキング調整
    7 76MHz
    30dB
    変調:OFF
    76MHz 受信 L1
    L2
    SIGNAL メータ = 最大
    (J105〜GND 間電圧 = 最大)
     
    8 90MHz
    30dB
    変調:OFF
    90MHz 受信 TCF1
    TCF2
     
    9 手順7と8を数回繰り返す RF トラッキング調整
    10 83MHz
    30dB
    変調:OFF
    83MHz 受信 T1 SIGNAL メータ = 最大
    (J105〜GND 間電圧 = 最大)
    IF 調整
    11 83.0MHz
    90dB
    変調:mono 1kHz
    L101L オーディオ出力 = 歪率最小  
    12 L101R TP1〜TP2 間電圧 = 0±20mV (同調点調整)
    13 手順11と12を数回繰り返す クォードラチュア検波調整
    14 - BAND:FM
    MUTE:ON
    - -  
    15 83.0MHz
    90dB
    変調:stereo 1kHz
    83MHz 受信 R217 以下の [VCO 調整手順] を参照 VCO 調整
    16 T1 オーディオ出力 = 歪率最小 ステレオ歪率調整

  5. AM 受信部の調整

    手順 SSG出力 PT-202 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - BAND:AM - -  
    2 600kHz
    60dB
    変調:1kHz 30%
    600kHz 受信 L152 SIGNAL メータ = 最大
    (J105〜GND 間電圧 = 最大)
     
    3 1400kHz
    60dB
    変調:1kHz 30%
    1400kHz 受信 TCA2  
    4 手順2と3を数回繰り返す OSC トラッキング調整
    5 600kHz
    60dB
    変調:1kHz 30%
    600kHz 受信 L151 SIGNAL メータ = 最大
    (J105〜GND 間電圧 = 最大)
     
    6 1400kHz
    60dB
    変調:1kHz 30%
    1400kHz 受信 TCA1  
    7 手順5と6を数回繰り返す RF トラッキング調整
    8 1000kHz
    60dB
    変調:1kHz 30%
    1000kHz 受信 X151
    L153
    SIGNAL メータ = 最大
    (J105〜GND 間電圧 = 最大)
    IF 調整

  6. 調整結果

    項目 L R 単位
    ステレオセパレーション 28 28 dB
    パイロット信号キャリアリーク -35 -36 dB
    オーディオ出力レベル偏差 0 +0.01 dB



使ってみました

  1. デザイン

  2. フロントパネル

  3. リアパネルの端子

  4. 感度や音質

  5. 評価



仕様ほか

  1. ドキュメント

  2. 仕様

    FM 受信部
    受信周波数範囲 76.0〜90.0MHz
    アンテナ 75Ω (F 端子)
    AM 受信部
    受信周波数範囲 522〜1611kHz
    アンテナ ループアンテナ (付属)
    総合
    電源 AC100V, 50/60Hz
    外形寸法 330(W)×65(H)×220(D)mm
    重量 2.15kg
    その他
    発売時期 1983年頃