ONKYO T-403

ONKYO T-403 をゲット!

2021年1月10日、 ONKYO T-403 を平塚市の S さんより、研究用に寄贈していただきました。



程度&動作チェック

  1. 外観

  2. 入手した状態のまま電源 ON してチェックしました



カバーを開けてみました

  1. 基板の作りは良いです 写真をクリックすると拡大写真を表示できます

  2. 以下の IC を使用して合理化が図られています

    メーカ IC 機能
    NEC uPD75268CW-025 MCU
    Panasonic AN7470 FM stereo decoder
    SANYO LA1266 FM/AM Tuner of Electronic Tuning Type
    LM7001 PLL Frequency Synthesizer

  3. FM フロントエンド

  4. FM IF 部

  5. FM 検波部

  6. MPX 部

  7. AM 受信部

  8. プリセットメモリのバックアップ



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. 調整ポイント



    BAND 種別 調整ポイント 調整内容
    FM L フロントエンド内
    L2
    L4
    RF
    フロントエンド内
    L6
    OSC
    IFT フロントエンド内
    IFT
    IF
    L102 クォードラチュア検波 (歪率)
    L101 クォードラチュア検波 (同調点)
    VR R101 ミューティングレベル
    R201 MPX VCO
    LPF L202 キャリアリーク抑止 (L ch.)
    L203 キャリアリーク抑止 (R ch.)
    AM L L151-R RF
    L151-O OSC
    IFT L152 IF

  2. テストポイント (TP)

    BAND TP 接続先 内容 備考
    FM TP1 TP1〜TP2 間 クォードラチュア検波 NULL 電圧 FM 受信同調で 0±10mV
    TP2
    TP4 TP4〜GND 間 パイロット信号チェック 19kHz±10Hz
    FM
    AM
    TP6 TP6〜GND 間 VT 電圧 バリキャップ印加電圧
    TP8 TP8〜GND 間 S メータ 受信レベル

  3. 電圧チェックポイント (VP)

    VP 標準値 実測値 備考
    VP1 +12V +11.89V チューナ/オーディオ用
    VP2 +5.6V +5.62V デジタル用 (MCU)
    VP3 -27V -28.22V FL 管用

  4. FM 受信部の調整

    手順 SSG出力 T-403 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - BAND:FM
    FM MUTE:OFF
    - -  
    2 - 90.0MHz 受信 L6 TP6〜GND 間電圧 = 7.41V (実測値)
    調整し辛いのでパスしてもよい
    3 76.0MHz 受信 - TP6〜GND 間電圧 = 1.825V 確認のみ (実測値)
    確認だけなのでパスしてもよい
    4 83.0MHz
    30dB
    変調:OFF
    83.0MHz 受信 L2
    L4
    TP8〜GND 間電圧 = 最大 RF 調整
    調整し辛いのでパスしてもよい
    5 IFT IF 調整
    6 83.0MHz
    90dB
    変調:mono 1kHz
    L102 オーディオ出力 = 歪率最小  
    7 L101 TP1〜TP2 間電圧 = 0±20mV (同調点調整)
    8 手順6と7を数回繰り返す クォードラチュア検波調整
    9 - BAND:FM
    FM MUTE:ON
    - -  
    10 83.0MHz
    90dB
    変調:stereo 1kHz
    83MHz 受信 R201 以下の [VCO 調整手順] を参照 VCO 調整
    11 IFT オーディオ出力 = 歪率最小 ステレオ歪率調整
    12 83.0MHz
    変調:mono 1kHz
    R101 SSG 出力 = 17.2dB で MUTE OFF
    SSG 出力 = 16.2dB で MUTE ON
    になるよう調整する
    ミューティングレベル調整

  5. AM 受信部の調整

    手順 SSG出力 T-403 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - BAND:AM - -  
    2 - 522kHz 受信 L151-O TP6〜GND 間電圧 = 1.3±0.1V OSC 調整
    3 603kHz
    60dB
    変調:1kHz 30%
    603kHz 受信 L151-R TP8〜GND 間電圧 = 最大 RF 調整
    4 999kHz
    60dB
    変調:1kHz 30%
    999kHz 受信 L152 IF 調整

  6. 調整結果

    項目 L R 単位
    ステレオセパレーション 52 41 dB
    パイロット信号キャリアリーク -65 -66 dB
    オーディオ出力レベル偏差 0 -0.04 dB



使ってみました

  1. フロントパネル

  2. リアパネルの端子

  3. プリセットメモリ

  4. 同調方式は [マニュアル] [オートスキャン] [プリセット]

  5. その他

  6. 感度や音質

  7. 評価



仕様ほか

  1. ドキュメント

  2. 仕様

    FM 受信部
    受信周波数範囲 76.0〜90.0MHz
    実用感度 (IHF 75Ω) 1.0uV (11.2dBf)
    S/N 50dB 感度 (IHF 75Ω) 2.4uV (18.8dBf)
    イメージ妨害比 60dB (83MHz)
    IF 妨害比 120dB (83MHz)
    スプリアス妨害比 85dB
    2信号選択度 60dB
    歪率 (400Hz) stereo: 0.2%
    mono: 0.1%
    ステレオセパレーション 40dB (1kHz) / 38dB (100Hz〜10kHz)
    AM 抑圧比 60dB
    キャプチャーレシオ 1.0dB
    S/N 比 stereo:74dB / mono:82dB
    周波数特性 20Hz〜15kHz +0dB -1dB
    キャリアリーク -65dB
    出力電圧 (400Hz) 500mV (100%)
    出力インピーダンス 4kΩ
    アンテナ 75Ω (F 端子)
    AM 受信部
    受信周波数範囲 522〜1611kHz
    実用感度 20uV/m (付属ループアンテナ)
    イメージ妨害比 (999kHz) 35dB
    IF 妨害比 (999kHz) 50dB
    選択度 (±10kHz) 35dB
    S/N 比 50dB (100mV/m)
    歪率 (400Hz) 0.3%
    出力電圧 (400Hz) 150mV (30%)
    出力インピーダンス 4kΩ
    アンテナ ループアンテナ (付属)
    総合
    電源 AC100V, 50/60Hz
    消費電力 (電気用品取締法) 12W
    外形寸法 455(W)×75.5(H)×306(D)mm
    重量 3.4kg
    その他
    発売時期 1992年
    定価 税抜28,000円