aiwa S-R22

aiwa S-R22 をゲット!

2015年9月5日、 ハードオフ さいたま上小町店で aiwa S-R22 の中古ジャンク品を税込1,080円で入手しました。

このチューナの存在は前から知っており [バリコン式なのにデジタル周波数表示] [コンパクトでキュート] [性能はいかほどか?] と思い入手しました。 価格が予算内で外観の程度がかなり良かったことも購入を決心した理由です。

購入前にお店の動作チェックコーナで、NHK さいたま (85.1MHz) に同調すると S メータが振れ stereo ランプが点灯することを確認しました。

本機のシリアルナンバーは [00123772] です。



早速、程度&動作チェック

  1. 外観

  2. 入手した状態のまま電源 ON してチェックしました



カバーを開けてみました

  1. コンパクト筐体に多くの部品を詰め込んでいるのでゴチャゴチャしています。 写真をクリックすると拡大写真を表示できます。

  2. 以下の IC を使用して合理化が図られています。

    メーカ IC 機能
    HITACHI HA11211 FM/AM Tuner System
    NEC uPC1161C PLL FM Stereo Demodulator
    TOSHIBA T1400-J 日本バンド用 FM/AM OSC 周波数カウンタ / LCD ドライバ

  3. FM フロントエンド部

  4. FM IF 部

  5. FM 検波部

  6. AM 受信部



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. 調整ポイント

    基板に部品番号のシルク印刷がないので、適当に調整ポイント番号を振りました。

    FM/AM
    区分
    種別 調整ポイント 調整内容
    FM L T1, T2 RF
    TC TC1, TC2
    L T3 OSC
    TC TC3
    IFT T4 IF
    IFT T5 QR (歪率)
    IFT T6 QR (同調点)
    VR VR1 MPX VCO
    VR VR2 セパレーション
    AM L バーアンテナ RF
    TC TC4
    L T7 OSC
    TC TC5
    IFT T8 IF

    FM/AM
    区分
    TP 詳細 調整内容
    FM TP1 2本の TP 端子 同調点
    TP2 CF の 1pin IF
    AM TP3 バーアンテナ
    の白線
    IF

  2. FM 受信部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 S-R22 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - band : FM
    muting : off
    hi bend : off
    - -  
    2 10.7MHz 90dB
    変調 : OFF
    SSG 出力を
    TP2 に注入
    T6 TP1 端子間電圧 = 0V 同調点のプリ調整
    ±10mV 以内
    3 - - チューニングノブを
    反時計回りに回し切る
    T3 周波数表示 = 75.0MHz OSC トラッキング調整
    4 チューニングノブを
    時計回りに回し切る
    TC3 周波数表示 = 91.0MHz
    5 手順3と4を数回繰り返す
    6 78.0MHz 10〜30dB
    変調 : OFF
    78.0MHz 受信 T1
    T2
    S メータ = 最大 RF トラッキング調整
    SSG 出力を S メータが半分くらい
    で最上位が薄らと点灯する程度に
    すると調整し易い
    7 88.0MHz 88.0MHz 受信 TC1
    TC2
    8 手順6と7を数回繰り返す
    9 83.0MHz 10〜30dB
    変調 : MONO 1kHz (100%)
    83.0MHz 受信 T4 S メータ = 最大 IF 調整
    10 90dB
    変調 : MONO 1kHz (100%)
    T5 オーディオ出力 = 高調波歪最少 QR 検波調整
    まず TP1 端子間電圧 = 0V にな
    るようチューニングノブを調節して
    から調整を開始すること
    11 T6 TP1 端子間電圧 = 0V
    12 手順10と11を数回繰り返す
    13 83.0MHz 90dB
    Pilot 信号 : ON
    変調 : OFF
    83.0MHz 受信 VR1 VR1 を一旦反時計方向に回し切り
    徐々に時計方向に回し STEREO
    ランプが点灯する位置を記録・・・(1)
    VR1 を一旦時計方向に回し切り
    徐々に反時計方向に回し STEREO
    ランプが点灯する位置を記録・・・(2)
    VR1 を(1)と(2)の中間に設定する
    MPX VCO 調整
    14 90dB
    Pilot 信号 : ON
    変調 : R/L ch. only 1kHz
    VR2 L/R ch. オーディオ出力 = 最小 セパレーション調整

  3. AM 受信部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 S-R22 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - band : AM - -  
    2 450kHz 80dB
    変調 : 400Hz (30%)
    SSG 出力を
    TP3 に注入
    T8 オーディオ出力 = 最大 IF 調整
    3 600kHz 30dB
    変調 : 400Hz (30%)
    600kHz 受信 バーアンテナ
    T7
    トラッキング調整
    4 1400kHz 1400kHz 受信 TC4
    TC5
    5 手順3と4を数回繰り返す

  4. 調整結果

    項目 L R 単位
    ステレオセパレーション 60 56 dB
    パイロット信号キャリアリーク -62 -61 dB
    オーディオ出力レベル偏差 (MONO) 0 -0.12 dB



使ってみました

  1. コンパクトでキュートなデザイン

  2. 機能関連

  3. 性能・音質



仕様その他

  1. ドキュメント

  2. 仕様は以下です。

    FM 受信部
    実用感度 (75Ω) mono 0.9uV
    S/N 比 50dB 感度 (75Ω) stereo 21.5uV
    S/N 比 stereo 70dB (100% 変調, 1mV 入力)
    実効選択度 70dB
    全高調波歪率 stereo 0.2%
    キャプチャーレシオ 1.5dB
    スプリアス妨害比 80dB
    イメージ妨害比 55dB
    AM 抑圧比 55dB
    ステレオセパレーション 45dB (1kHz)
    サブキャリア抑圧比 60dB
    出力レベル 0.15V
    ミューティング動作レベル (75Ω) 10uV
    アンテナインピーダンス 75Ω不平衡型 / 300Ω平衡型
    AM 受信部
    感度 250uV/m (バーアンテナ)
    選択度 35dB
    S/N 比 50dB (30% 変調, 1mV 入力)
    全高調波歪率 0.7%
    総合
    電源電圧 AC AC100V, 50/60Hz
    DC DC12V (カーバッテリ端子)
    定格消費電力 6W
    外形寸法 210(W)×71(H)×174(D)mm
    重量 2.0kg
    その他
    発売時期 1978年11月
    定価 26,800円