SONY ST-JX22

SONY ST-JX22 をゲット!

2016年9月11日、 SONY ST-JX22 を平塚市の K さんより、研究用に寄贈していただきました。



程度&動作チェック

  1. 外観

  2. 入手した状態のまま電源 ON してチェックしました



カバーを開けてみました

  1. 基板の作りは良いです 写真をクリックすると拡大写真を表示できます

  2. 以下の IC を使用して合理化が図られています

    メーカ IC 機能
    NEC uPC1235C FM stereo decoder
    SANYO LA1231N FM IF System
    LA1245 AM Electronic Tuner

  3. FM フロントエンド

  4. FM IF 部

  5. FM 検波部

  6. FM MPX 部

  7. AM 受信部



リペア

  1. FM で 84MHz 以下で受信できない

  2. FM/AM とも放送局の周波数とダイヤル周波数がズレている

  3. 天板にかなりの汚れがある



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. 調整ポイント



    BAND 場所 種別 調整ポイント 調整内容 備考
    FM フロントエンド L L2
    L4
    RF トラッキング 76MHz
    TC CT1
    CT3
    90MHz
    L L5 OSC トラッキング 76MHz (調整不可)
    TC CT5 90MHz
    IFT IFT1 IF 10.7MHz
    チューナ基板 IFT IFT202 クォードラチュア検波 歪率
    IFT201 同調点
    VR RT201 ミューティングレベル  
    RT301 MPX VCO 19kHz
    RT302 ステレオセパレーション  
    AM チューナ基板 L バーアンテナ RF トラッキング 600kHz (調整不可)
    TC CT2 1400kHz
    L T401 OSC トラッキング 600kHz
    TC CT4 1400kHz
    IFT IFT401 IF 450kHz

  2. テストポイント (TP)

    BAND TP 接続先 内容 備考
    FM TP1 TP1〜TP2 間 クォードラチュア検波 NULL 電圧 FM 受信同調で 0±10mV
    TP2
    TP3 TP3〜GND 間 パイロット信号チェック 19kHz±50Hz
    FM
    AM
    D601F D601F〜GND 間 S メータ 受信レベル

  3. 電圧チェックポイント (VP)

    VP 標準値 実測値 備考
    JW7 +14.5V +14.32V チューナ/オーディオ用

  4. FM 受信部の調整

    手順 SSG出力 ST-JX22 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - BAND:FM
    MUTING:OFF
    - -  
    2 10.7MHz
    90dB
    変調:OFF
    R103R に
    SSG 出力を注入
    IFT201 TP1〜TP2 間電圧 = 0±10mV FM 同調点(仮)調整
    3 SSG 出力を通常のアンテナ入力に戻す  
    4 83MHz
    30dB
    変調:OFF
    83MHz 受信 CT5 SIGNAL メータ = 最大
    (D601F〜GND 間電圧 = 最大)
    ここでの調整はダイヤルスケールと
    指針を合わせることが目的
    OSC トラッキング調整
    5 76MHz
    30dB
    変調:OFF
    76MHz 受信 L2
    L4
    SIGNAL メータ = 最大
    (D601F〜GND 間電圧 = 最大)
     
    6 90MHz
    30dB
    変調:OFF
    90MHz 受信 CT1
    CT3
     
    7 手順5と6を数回繰り返す RF トラッキング調整
    8 83MHz
    30dB
    変調:OFF
    83MHz 受信 IFT1 SIGNAL メータ = 最大
    (D601F〜GND 間電圧 = 最大)
    IF 調整
    9 83.0MHz
    90dB
    変調:mono 1kHz
    IFT202 オーディオ出力 = 歪率最小  
    10 IFT201 TP1〜TP2 間電圧 = 0±10mV (同調点調整)
    11 手順9と10を数回繰り返す クォードラチュア検波調整
    12 - BAND:FM
    MUTING:ON
    - -  
    13 83.0MHz
    90dB
    変調:stereo 1kHz
    83MHz 受信 RT301 以下の [VCO 調整手順] を参照 VCO 調整
    14 IFT1 オーディオ出力 = 歪率最小 ステレオ歪率調整
    15 83.0MHz
    90dB
    変調:R/L only 1kHz
    RT302 L/R オーディオ出力電圧 = 最小 セパレーション調整
    16 83.0MHz
    変調:mono 1kHz
    RT201 SSG 出力 = 17.2dB で MUTE OFF
    SSG 出力 = 16.2dB で MUTE ON
    になるよう調整する
    ミューティングレベル調整

  5. AM 受信部の調整

    手順 SSG出力 ST-JX22 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - BAND:AM - -  
    2 600kHz
    60dB
    変調:1kHz 30%
    600kHz 受信 T401 SIGNAL メータ = 最大
    (D601F〜GND 間電圧 = 最大)
    ここでの調整はダイヤルスケールと
    指針を合わせることが目的
     
    3 1400kHz
    60dB
    変調:1kHz 30%
    1400kHz 受信 CT4  
    4 手順2と3を数回繰り返す OSC トラッキング調整
    5 1000kHz
    60dB
    変調:1kHz 30%
    1000kHz 受信 CT2 SIGNAL メータ = 最大
    (D601F〜GND 間電圧 = 最大)
    RF トラッキング調整
    6 IFT401 IF 調整

  6. 調整結果

    項目 L R 単位
    ステレオセパレーション 53 50 dB
    パイロット信号キャリアリーク -32 -31 dB
    オーディオ出力レベル偏差 0 -0.08 dB



使ってみました

  1. デザイン

  2. フロントパネル

  3. リアパネルの端子

  4. 感度や音質

  5. 評価



仕様ほか

  1. ドキュメント

  2. カタログ



  3. 仕様

    FM 受信部
    受信周波数範囲 76.0〜90.0MHz
    実用感度 1.8uV (IHF)、10.3dBf (新 IHF)
    実効選択度 60dB
    キャプチャーレシオ 1.0dB
    AM 抑圧比 54dB
    イメージ妨害比 50dB
    スプリアス妨害比 70dB
    S/N 比 76dB (mono)
    71dB (stereo)
    ステレオセパレーション 45dB (1kHz)
    高調波歪率 0.15% (mono)
    0.3% (stereo)
    周波数特性 40Hz〜12.5kHz ±0.5dB
    30Hz〜15kHz +0.5dB -2.0dB
    オーディオ出力 / インピーダンス 750mV (100%) / 2.7kΩ
    ミューティング閾値 25.2dB
    アンテナ 75Ω / 300Ω
    AM 受信部
    受信周波数範囲 522〜1602kHz
    アンテナ バーアンテナ (リアパネルに括り付け)
    総合
    電源 AC100V, 50/60Hz
    消費電力 7W
    外形寸法 430(W)×55(H)×310(D)mm
    重量 2.6kg
    その他
    発売時期 1981年
    定価 23,000円