Marantz ST-40F

Marantz ST-40F をゲット!

2009年11月30日、私のチューナーページのファンからシンセサイザー FM/AM チューナーの Marantz ST-40F の寄贈を受けました。



早速、程度&動作チェック

  1. 外観

  2. 入手した状態のまま電源 ON してチェックしました



カバーを開けてみました

  1. ごく一般的なローコスト機の作りです。 写真をクリックすると拡大写真を表示できます。

  2. IC を使用して合理化が図られています。


  3. FM フロントエンドはミツミ製で3連バリキャップです。 トリマーコンデンサがありません ・・・ よってトラッキング調整は空芯コイルによる1点調整となります。

  4. FM IF 部は以下のローコストな構成です。

  5. FM 検波部は [LA1266] を使ったクォードラチュア検波です。 通常、クォードラチュア検波ではディスクリ IFT 2段構成にするのが普通ですが、ST-40F ではディスクリ IFT は1個だけです。 あまり性能は期待できないです。

  6. MPX 部は [TEA5581] を使った PLL MPX です。 私はこの IC は初めて見ました。

  7. AM 部のフロントエンドは2連バリキャップです。 [LA1266] で全てを構成します。

  8. メモリバックアップはチューナー基板上の電解コンデンサ C509 (3300uF 6.3V) で行います。



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. 電圧チェック

    TP 標準値 実測値 備考
    U801 (ジャンパー) +12V +11.90V チューナー全般用
    [Q802 (L78MR05)]-5pin +5.6V +5.68V MCU 電源

  2. FM 受信部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 ST-40F の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - SELECTOR : FM - -  
    2 - - 90MHz 受信
    FM MODE : MONO
    FM フロントエンド
    OSC コイル
    R504 (10kΩ) 右側電圧 = 8.3V VT High
    3 - - 76MHz 受信
    FM MODE : MONO
    - R504 (10kΩ) 右側電圧 = 1.6V VT Low
    確認のみ
    4 83MHz 30dB
    変調 : MONO 400Hz
    83MHz 受信
    FM MODE : MONO
    FM フロントエンド
    RF コイル×2
    C211 リア側電圧 = 最大 RF 調整
    5 83MHz 30dB
    変調 : MONO 400Hz
    83MHz 受信
    FM MODE : MONO
    FM フロントエンド
    IFT
    C211 リア側電圧 = 最大 IF 調整
    6 83MHz 90dB
    変調 : MONO 400Hz
    83MHz 受信
    FM MODE : AUTO
    L201 J201 端子間電圧 = 0V QR 検波調整
    7 83MHz 22dB
    変調 : MONO 400Hz
    83MHz 受信
    FM MODE : AUTO
    R211
    (FM MUTING)
    MUTING ON/OFF の閾値に設定 MUTING レベル調整

  3. MPX 部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 ST-40F の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - SELECTOR : FM
    FM MODE : AUTO
    - -  
    2 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : OFF
    変調 : OFF
    83MHz 受信 R314
    (FM MPX VCO)
    J301 周波数 = 228kHz ± 600Hz VCO 調整
    周波数カウンタで測定
    3 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : ON
    変調 : STEREO 1kHz
    83MHz 受信 FM フロントエンド
    IFT
    オーディオ出力 = 高調波歪最小 WIDE 歪調整
    ±90度の範囲で調整
    4 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : ON
    変調 : R/L ch. only 1kHz
    83MHz 受信 R301
    (FM STEREO SEP)
    L/R ch. オーディオ出力電圧 = 最小 セパレーション調整

  4. AM 受信部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 ST-40F の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - SELECTOR : AM - -  
    2 - - 1602kHz 受信 LA02 R504 (10kΩ) 右側電圧 = 7.5V VT High
    3 - - 531kHz 受信 - R504 (10kΩ) 右側電圧 = 1.4V VT Low
    確認のみ
    4 603kHz 40dB
    変調 : 400Hz
    603kHz 受信 LA01 C211 リア側電圧 = 最大  
    5 1404kHz 40dB
    変調 : 400Hz
    1404kHz 受信 CA01 C211 リア側電圧 = 最大  
    6 - - - - 手順4と5を数回繰り返す RF トラッキング調整
    7 999kHz 40dB
    変調 : 400Hz
    999kHz 受信 FA01 C211 リア側電圧 = 最大 IF 調整

  5. 調整結果

    1. FM フロントエンドで若干ズレがありました。

    2. FM ステレオセパレーションなどは以下となりました。 問題ない数値です。

      項目 L R 単位
      ステレオセパレーション 50 50 dB
      パイロット信号キャリアリーク -53 -48 dB
      オーディオ出力レベル偏差 (MONO) 0 -0.24 dB



使ってみました

  1. Marantz らしいデザインです

  2. 機能関連

  3. 音質はイマイチ

  4. ST-50 との比較



仕様