SANSUI T-E500

SANSUI T-E500 をゲット!

2016年7月29日、SANSUI T-E500 を平塚市の K さんより研究用として寄贈いただきました。 リペア&再調整を8月14日に完了しました。

製造シリアルは 635118584 です。



早速、程度&動作チェック

  1. 外観

  2. 入手した状態のまま電源 ON してチェックしました



カバーを開けてみました

  1. ローコスト機なのに複雑な作りです。 写真をクリックすると拡大写真を表示できます。

  2. 以下の IC を使用して合理化が図られています。

    メーカ IC 機能
    SANYO LA1231N FM IF System
    LA1240 AM Electronic Tuner
    ROHM BA1332 FM stereo demodulator
    TOSHIBA TC9182P-2 High Speed PLL with Built-In Prescaler

  3. FM フロントエンドは3連バリキャップ式です。 全体が金属シールドされているので、詳細不明です。

  4. FM IF 部は以下の超シンプルな構成です。

  5. FM 検波部は [LA1231N] のクォードラチュア検波です。

  6. MPX 部は [BA1332] を使った PLL MPX です。

  7. AM 受信部は [LA1240] で全てを構成します。 AM フロントは2連バリキャップ式です。

  8. プリセットメモリのバックアップは C5 4700uF/6.3V 電解コンデンサで行います。



修理

  1. FM 受信で周波数ズレがあり、音がブツブツ切れ、マトモに受信できない

  2. AM がほぼ受信できない



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. 調整ポイント

    FM/AM 基板 種別 調整ポイント 調整内容
    FM FM フロントエンド L L1 RF
    L L2
    L L3 OSC
    TC TC1
    IFT IFT IF
    FM IF 基板 IFT T3 QR 検波 (同調点)
    FM MPX 基板 VR VR2 MPX VCO
    ベース基板 VR VR1 Muting Level
    AM L T1 RF
    TC TC1
    L T3 OSC
    TC TC2
    AM IF 基板 IFT+CF CF1 IF
    IFT L1


  2. FM 受信部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 T-E500 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - FM/AM : FM
    FM MUTING : ON
    - -  
    2 - - 76MHz 受信 フロントエンド
    L3
    フロントエンド
    VT 電圧 = 1.87V (実測)
    OSC トラッキング調整
    3 - - 90MHz 受信 フロントエンド
    TC1
    フロントエンド
    VT 電圧 = 5.96V (実測)
    4 手順2と3を数回繰り返す
    5 83MHz 30dB
    変調 : OFF
    83MHz 受信 フロントエンド
    L1
    L2
    IFT
    ベース基板
    SM 電圧 = 最大
    RF&IF 調整
    6 83MHz 90dB
    変調 : OFF
    83MHz 受信 FM IF 基板
    T3
    ベース基板
    TP〜TP 間電圧 = 0V
    QR 調整 (同調点)
    7 83MHz 22dB
    変調 : MONO 400Hz
    83MHz 受信 ベース基板
    VR1
    MUTING ON/OFF 切替ギリギリに設定 MUTING レベル調整
    8 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : ON
    変調 : OFF
    83MHz 受信 FM MPX 基板
    VR2
    VR2 を回して [STEREO] ランプが点灯
    する範囲の中間位置に設定
    MPX VCO 調整
    9 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : ON
    変調 : R/L ch. only 1kHz
    83MHz 受信 FM MPX 基板
    VR2
    L/R ch. オーディオ出力電圧 = 最小
    VR2 はほんの僅か回す。[STEREO] ランプが
    消えてしまったら手順8からやり直す
    セパレーション調整

  3. AM 受信部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 T-E500 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - FM/AM : AM - -  
    2 - - 522kHz 受信 ベース基板
    T3
    VT 電圧 = 0.87V (実測値) OSC トラッキング調整
    3 - - 1629kHz 受信 ベース基板
    TC2
    VT 電圧 = 9.29V (実測値)
    4 手順2と3を数回繰り返す
    5 603kHz 40dB
    変調 : 1kHz
    603kHz 受信 ベース基板
    T1
    オーディオ出力電圧 = 最大 RF トラッキング調整
    6 1404kHz 1404kHz 受信 ベース基板
    TC1
    7 手順5と6を数回繰り返す
    8 999kHz 40dB
    変調 : 1kHz
    999kHz 受信 AM IF 基板
    CF1
    L1
    オーディオ出力電圧 = 最大 IF 調整

  4. 調整結果

    項目 L R 単位
    ステレオセパレーション 46 46 dB
    パイロット信号キャリアリーク (19kHz) -37 -35 dB
    オーディオ出力レベル偏差 (MONO) 0 -0.02 dB



使ってみました

  1. デザイン

  2. リアパネルの端子

  3. 操作ボタンやスイッチ

  4. 評価



仕様など