TRIO KT-9700 (2号機) が到着
2023年6月10日、香川県高松市の I さんから
TRIO KT-9700
の修理依頼品が到着しました。
定価15万円
で
パルスカウント検波
の
FM 専用チューナ
です。
この写真は照明を LED 化した後です。
フィラメントランプ時のぼやっとした黄昏感から、明るくてコントラストの高い素晴らしい輝きになりました。
程度&動作チェック
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依頼者のコメント
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1977年に購入しました。
購入当初は自宅の屋根に8素子のアンテナを設置し、快適な受信環境でエアチェックを楽しんでいました。
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その後集合住宅に引っ越したため、FM の受信環境が劣悪となり KT-9700 はその真価を発揮できないまま年月が流れてしまいました。
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最近、石井式リスニングルームを構築、屋根にも FM アンテナを設置したので、KT-9700 を蘇らせたいと思いました。
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最近ほとんど電源を投入していませんでしたが、試してみるとちゃんと音は出ていますので、致命傷はないかと思います。
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アンテナ入力端子、音声出力端子を新品に交換していだだきたいです。
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アンテナ端子は2系統ありますが、切替SWをバイパスしてF端子のみの B 系統直結 としてください。
3パラの A 系統は不要です。
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IF バンド切替の表示ランプが1セグメント切れていますので修理お願いします。
また、全てのランプを LED 化お願いします。
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[deviation] メータ の動きが不安定です。
マルチパスメータとの切替 SW が接触不良を起こしているようです。
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電源部の電解コンデンサは全て交換してください。
その他の電解コンデンサ、パーツも不良が疑われるものに関しては交換をお願いします。
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可変出力用のボリウムに問題があれば交換をお願いします。
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外観
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製造シリアル番号は [520481] で、電源コードの製造マーキングより [1976年製造品] とわかりました。
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1オーナのためか全体的にはかなり綺麗です。
キズやスレは無いようです。
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[power] スイッチのレバーに錆が出ています。
これ以外のスイッチやノブは綺麗です。
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[antenna] [meter] プッシュプルスイッチの戻りが悪いです。
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電源 ON してチェック
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電源は問題なく入りました。
フィラメントランプ切れはないです。
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IF band 表示の LED のうち真ん中の1個が点灯しません。
残りの4個は点灯しますが、輝度がかなり下がっています。
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ランプ点灯してわかったのですが、ダイヤルスケール内に煤のような汚れがビッシリ付着しています。
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音は出ますが、かなり歪っぽいです。
時報の音が濁っています。
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[stereo] ランプは点灯して音もステレオになっていますが、ステレオ感が弱いです。
調整ズレしています。
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-0.2MHz 程度の周波数ズレがあります。
80MHz の放送が 79.8MHz の指針位置で受信します。
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[S メータ] [T メータ] [D メータ] はそれなりに振れます。
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[M メータ] は音の強弱に合わせ、まるで [D メータ] のごとく振れます。
調整ズレしています。
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カバーを開けてチェック
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1オーナのためか、内部の状態は非常に良いです。
目視で確認できる劣化部品は無いようです。
リペア (その1):IF band 表示の LED のうち真ん中の2個が点灯しない
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左の回路図は [SW 基板] にある IF band 表示回路で、右はこれまで基板に実装されていた構成部品です。
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緑色の部品は LED で半世紀前の
超古典的
な緑色 LED でした。
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真ん中の2個がが点灯しない原因は NARROW 表示用 LED が故障でした。
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使われていた LED は古過ぎて同じものは入手不可なので、最新のツバなしの緑色 3mm LED (7.3lm) に6本とも交換しました。
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交換後使ってみると明る過ぎて眩しくて直視できません。
半世紀で LED の発光効率が劇的に向上したのです。
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明るさを下げるため、[R55] 180Ω→47kΩ、[R56] 270Ω→62kΩ、[R58] 560Ω→120kΩ に交換して、やっと直視できるようになりました。
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従来の LED では 15mA 流していましたが、交換した LED ではたった 0.08mA で同じ明るさです。
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消費電力は 0.4W→0.002W へ激減し、エコになりました。
(1/200)
リペア (その2):電解コンデンサ交換 ・・・ 修理依頼者の要求
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交換方針
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電源関係部分の電解コンデンサは [105℃クラス] にします。
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オーディオ信号が通過する電解コンデンサは [オーディオクラス] にします。
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タンタルコンデンサは短絡故障になりやすいので、できるだけ [オーディオクラス] 電解コンデンサに交換します。
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交換リスト
基板 |
部品番号 |
交換前 |
交換後 |
備考 |
PS 基板 |
C5 |
2200uF/25V (85℃) |
2200uF/35V (105℃) |
105℃クラスに交換 |
C6 |
470uF/35V (85℃) |
2200uF/35V (105℃) |
C7 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (MUSE) (BP) |
オーディオクラスに交換 |
C8 |
220uF/25V (85℃) |
220uF/35V (105℃) |
105℃クラスに交換 |
C9 |
100uF/25V (85℃) |
100uF/35V (105℃) |
C10 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (MUSE) (BP) |
オーディオクラスに交換 |
C11 |
10uF/25V (85℃) |
10uF/50V (105℃) |
105℃クラスに交換 |
C12 |
3300uF/16V (85℃) |
3300uF/16V (105℃) |
C13 |
3300uF/16V (85℃) |
3300uF/16V (105℃) |
C14 |
3.3uF/25V (タンタル) |
3.3uF/50V (MUSE) (BP) |
オーディオクラスに交換 |
C15 |
10uF/25V (85℃) |
10uF/50V (105℃) |
105℃クラスに交換 |
C16 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (MUSE) (BP) |
オーディオクラスに交換 |
IF 基板 |
C32 |
0.22uF/25V (タンタル) |
0.47uF/35V (MUSE) (BP) |
オーディオクラスに交換 |
DET 基板 |
C5 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (MUSE) (BP) |
オーディオクラスに交換 |
C6 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (MUSE) (BP) |
交換できなかった |
C7 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (MUSE) (BP) |
C8 |
470uF/6.3V (85℃) |
470uF/16V (105℃) |
105℃クラスに交換 |
C9 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (MUSE) (BP) |
交換できなかった |
C10 |
330uF/16V (85℃) |
470uF/16V (105℃) |
105℃クラスに交換 |
C11 |
10uF/16V (85℃) |
10uF/25V (MUSE) (BP) |
交換できなかった |
C13 |
330uF/16V (85℃) |
470uF/16V (105℃) |
105℃クラスに交換 |
C15 |
10uF/16V (85℃) |
10uF/25V (MUSE) (BP) |
交換できなかった |
C16 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (MUSE) (BP) |
C17 |
47uF/6.3V (タンタル) |
47uF/25V (MUSE) (BP) |
C22 |
47uF/6.3V (タンタル) |
C18 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (MUSE) (BP) |
オーディオクラスに交換 |
C19 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (MUSE) (BP) |
C20 |
10uF/16V (85℃) |
10uF/25V (MUSE) (BP) |
C21 |
10uF/16V (85℃) |
10uF/25V (MUSE) (BP) |
MPX 基板 |
C2 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (MUSE) (BP) |
オーディオクラスに交換 |
C8 |
47uF/16V (85℃) |
47uF/25V (FG) |
C9 |
10uF/25V (85℃) |
10uF/25V (FG) |
C11 |
1uF/35V (タンタル) |
1uF/50V (MUSE) (BP) |
C12 |
1uF/35V (タンタル) |
1uF/50V (MUSE) (BP) |
C13 |
220uF/16V (85℃) |
220uF/16V (105℃) |
105℃クラスに交換 |
C14 |
220uF/16V (85℃) |
220uF/16V (105℃) |
C15 |
33uF/6.3V (85℃) |
33uF/35V (FG) |
オーディオクラスに交換 |
C16 |
10uF/25V (85℃) |
10uF/50V (FG) |
C21 |
220uF/16V (85℃) |
220uF/16V (105℃) |
105℃クラスに交換 |
C22 |
0.33uF/35V (タンタル) |
1uF/50V (MUSE) (BP) |
オーディオクラスに交換 |
C23 |
0.33uF/35V (タンタル) |
1uF/50V (MUSE) (BP) |
C26 |
0.68uF/35V (タンタル) |
1uF/50V (MUSE) (BP) |
C28 |
0.68uF/35V (タンタル) |
1uF/50V (MUSE) (BP) |
C34 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (MUSE) (BP) |
C38 |
470uF/16V (85℃) |
470uF/16V (105℃) |
105℃クラスに交換 |
C38 |
220uF/16V (85℃) |
220uF/16V (105℃) |
105℃クラスに交換 |
SW 基板 |
C1 |
47uF/10V (85℃) |
47uF/25V (MUSE) (BP) |
オーディオクラスに交換 |
C2 |
47uF/10V (85℃) |
47uF/25V (MUSE) (BP) |
C3 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (MUSE) (BP) |
C4 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (MUSE) (BP) |
C5 |
10uF/25V (85℃) |
10uF/25V (MUSE) (BP) |
C6 |
10uF/25V (85℃) |
10uF/25V (MUSE) (BP) |
C9 |
47uF/10V (85℃) |
47uF/16V (105℃) |
105℃クラスに交換 |
C11 |
0.47uF/25V (タンタル) |
0.47uF/50V (MUSE) (BP) |
オーディオクラスに交換 |
C12 |
470uF/16V (85℃) |
470uF/16V (105℃) |
105℃クラスに交換 |
C13 |
470uF/16V (85℃) |
470uF/16V (105℃) |
C14 |
1uF/50V (85℃) |
1uF/50V (MUSE) (BP) |
オーディオクラスに交換 |
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交換後の写真
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[PS 基板]
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電解コンデンサを全数交換しました。
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基板のシルク円が元の電解コンデンサの大きさで、交換後は小さくなり風通しが良くなって信頼性が上がります。
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[IF 基板]
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写真で黄〇で囲んだ部分にはタンタルコンデンサが使われていましたが、オーディオクラス電解コンデンサに交換しました。
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[DET 基板]
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電解コンデンサを全数交換したかったのですが、金属ケースが邪魔で基板の端のほうにハンダゴテが入りません。
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やむを得ず、電解コンデンサ交換はできるものだけとしました。
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[MPX 基板]
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[SW 基板]
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電解コンデンサを全数交換しました。
写真は [SW 基板] のごく一部です。
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交換前に基板に載っていた電解コンデンサの記念写真
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綺麗に並べるのは諦めて、グシャと積み重ねて記念撮影。
お疲れ様でした。
サヨウナラ。
リペア (その3):マイグレーション対策 ・・・ 予防保守
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[MPX 基板] に実装されている [IC2] HA1156 の足が真っ黒になっていました
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この黒いカビみたいなものはマイグレーションで、電位差のあるピン間で成長しレアショートして故障に至ります。
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今のところ障害には至っていないのですが、対策したほうがよいです。
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マイグレーション対策
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HA1156 を一旦基板から取り出し (左の写真)、[無水アルコール] [ハブラシ] [爪楊枝] を使って足を洗浄します。
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足の黒ずみより、ピン間を爪楊枝で丹念に清掃するのが重要です。
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HA1156 の足の金属が直接空気に触れないようワニスコーティングします。
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ワニス液はダイソーのマニュキュア透明ベースコート液です。
安くて刷毛付きで便利です。
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化粧が目的ではありません。
防錆処置 (防マクィグレーション処置) が目的です。
念のため。
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[IC2] の部分を IC ソケット化してから HA1156 を基板に戻します。
(右の写真)
リペア (その4):F 端子交換 ・・・ 修理依頼者の要求
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F 端子を交換するのは大変
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リアパネルを分解して [ANT SW 基板] を外す必要があり、この基板にアクセスできるようになるまでが大仕事です。
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KT-9700 では [antenna] スイッチにアンテナ信号が流れている訳ではありません。
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[ANT SW 基板] に搭載の3つのリレーでアンテナ信号を切り換えています。
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[antenna] スイッチはこのリレーへ切り換え信号を送ります。
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F 端子を新品に交換しました
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左の写真は交換済みの F 端子で、美しくなりました。
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右の写真はこれまで実装されていた F 端子です。
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写真からわかるように、古い F 端子は真っ黒になっていました。
茶色の丸みのある部品はタンタルコンデンサです。
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[3.3uF/16V タンタルコンデンサ] は将来短絡事故が心配されるので、[3.3uF/50V MUSE BP 電解コンデンサ] に交換しました。
リペア (その4):F 端子交換 ・・・ 修理依頼者の要求
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当て板の製作
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新しい RCA 端子を取り付けるには既存の穴が大き過ぎるのです。
当て板の製作から開始しました。
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当て板には片面銅箔のプリント基板の原板をつかいました。
まずは穴位置の正確な測定をしました。
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写真は完成した当て板です。
大きな穴は直径 8mm で端子が入ります。
小さな穴は直径 3.5mm で M3 ネジ留め用です。
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RCA 端子が要求するのは直径 7.5mm なので、工作精度を考慮して 8mm としました。
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M3 ネジが要求するのは直径 3.2mm なので、工作精度を考慮して 3.5mm としました。
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ステップドリル刃で 8mm にしたので綺麗で正確な穴が開きました。
少し出たバリはノガバーで除去しました。
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RCA 端子を取り付けて配線
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当て板裏側の銅箔は放置すると錆るのでハンダメッキし、ご覧のように配線しました。
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KT-9700 を裏返して撮影しているので上下が反転しています。
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使った RCA 端子のセンタ端子はプラグ挿入時の空気逃げ道にもなっているので、ハンダで塞がないよう考慮しています。
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当て板の裏側をベタグランドにしたので、オリジナルの時より配線がスッキリしました。
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ネジ留め部分には緩まないように透明ネジロック剤を塗布しました。
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完成
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金ピカで綺麗でウットリする仕上がりでしょ。
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なお、金ピカですが、純金ではなく金メッキですから長時間空気に触れていると薄いサビが出てくると思います。
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使わない端子にはダストカバーを装着することをお奨めします。
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交換前にリアパネルに載っていた RCA 端子台の記念写真
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接栓部分が真っ黒になってマトモに使えない状態でした。
お疲れ様でした。
サヨウナラ。
リペア (その5):照明の LED 化 ・・・ 修理依頼者の要求
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照明構造の調査
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フロントパネルの右側面を分解して、ダイヤル面と D/M メータの照明構造を調べました。
(左の写真)
左側面もほぼ同じ構造です。
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ダイヤル面は側面にある斜めのダイヤル板を FUSE 型ランプで直接照射します。
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メータは導光アクリル板を介して間接照射します。
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照明構造は
KT-9900
とほぼ同じとわかったので、右の写真のウォームホワイト・テープ LED を使います。
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LED 化の方法は
KT-9900
と同じなので、そちらの記事も参照ください。
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LED 化前後のランプ回路
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オリジナルのフィラメントランプの時の回路です。
ランプへは電源トランスの専用巻線から AC 駆動しています。
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LED 化後の回路です。
LED なので全て DC 駆動します。
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[電源トランスからの AC7.5V の配線] [フィラメントランプ] は不要なので取り外します。
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LED の電流は僅かなので、駆動電源は [PS 基板] の [C2] 両端から取ります。
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完成しました!
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期待以上の素敵で綺麗な表示です。
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色は電球色とは違い、オレンジ色〜レモン色の中間くらいでスッキリ感があります。
KT-9700 としてはニューカラーです。
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劇的に消費電力が減りました。
エコです!
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改造前のフィラメントランプでは 12W 電力消費していましたが、LED 化後は 0.6W 以下です。
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更に [DIMMER] スイッチ ON では 0.15W 以下です。
室内で普通に使う分には DIMMER で十分かも。
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フィラメントランプの時より明るくコントラストが上がったのに消費電力が激減、LED 化は大正解です!
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長期的に考えると、安くなった電気代で今回の改造費はチャラになるような。
リペア (その6):その他
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[antenna] [meter] プッシュプルスイッチの戻りが悪い
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スイッチを
エレクトロニッククリーナ
で洗浄し、可動部に
CRC 5-56
を塗布して直りました。
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修理依頼者の言う [マルチパスメータとの切替 SW が接触不良を起こしている] ではなく、単にスイッチの動作が重くなっていただけです。
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[power] スイッチのレバーに錆が出ている
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錆は直せないです。
レバーをよく見ると反対側 (下側) は比較的綺麗でした。
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レバーを180度ひっくり返して取り付け、見た目綺麗になりました。
普通、レバーの下側を覗く人はいないと思います。
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ダイヤルスケール内に煤のような汚れがビッシリ付着している
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周波数表示ガラスは中性洗剤を使って水洗いしました。
ゴミが綺麗に除去できました。
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パネル内は無水アルコールで清掃しました。
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フロントパネルの裏側の左右に光漏れ防止のスポンジが貼られていましたが経年変化でボロボロでした。
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今回、テープ LED で照明 LED 化したので、テープ裏側から光が漏れることはありません。
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こうなると、スポンジは不要なので除去しました。
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アンテナ端子は切替 SW をバイパスしてF端子のみの B 系統直結としほしい ・・・ 修理依頼者の要求
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先にも述べたように、[antenna] スイッチにアンテナ信号が流れている訳ではありません。
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今回、[antenna] スイッチが正常動作するよう修理したので、改造しないほうがよいと思います。
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ですから、何もやっていません。
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可変出力用のボリウムに問題があれば交換してほしい ・・・ 修理依頼者の要求
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試してみると少しガリがありましたが、同じボリュームの入手は困難です。
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ボリュームを
エレクトロニッククリーナ
で洗浄したらガリが消えたので、これでお使いください。
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以下の現象は再調整で直りました。
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音は出ますが、かなり歪っぽい。
時報の音が濁っている。
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[stereo] ランプは点灯して音もステレオになっているが、ステレオ感が弱い。
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-0.2MHz 程度の周波数ズレがある。
なお、バリコン精度に依るので完全に誤差ゼロとはできません。
±0.1MHz 以内が調整目標です。
-
[M メータ] は音の強弱に合わせ、まるで [D メータ] のごとく振れる。
なお、検波出力の 38kHz 成分をマルチパス歪と仮定してみているので、音楽によってはある程度フラフラするのはやむを得ないです。
再調整
-
電圧チェッック (VP)
-
実測値は以下のように正常でした。
VP |
標準値 |
実測値 |
判定 |
[PS 基板] 2pin (+B) |
+13V |
+13.3V |
〇 |
[PS 基板] 4pin (-B) |
-13V |
-13.3V |
〇 |
-
FM 受信部の調整
-
調整結果
-
到着時に感じていた歪感は再調整で消滅し、良い音になりました。
-
再調整の結果、ステレオセパレーションや高調波歪率は以下のような優秀な値になりました。
項目 |
IF band |
stereo/mono |
L |
R |
単位 |
ステレオセパレーション (1kHz) |
wide |
stereo |
70 |
70 |
dB |
normal |
57 |
55 |
dB |
narrow |
51 |
48 |
dB |
高調波歪率 (1kHz) |
wide |
mono |
0.016 |
% |
stereo |
0.016 |
% |
normal |
mono |
0.021 |
% |
stereo |
0.021 |
% |
narrow |
mono |
0.31 |
% |
stereo |
0.31 |
% |
パイロット信号キャリアリーク |
wide |
stereo |
-66 |
-69 |
dB |
オーディオ出力レベル偏差 |
wide |
mono |
0 |
0 |
dB |
使ってみました
-
デザイン
-
ともかく大きくて重いです。
アンプより重いかもしれません。
-
フロントパネルは 5.3mm の分厚いアルミ材で高級感あります。
-
今回、照明を LED 化したのでクッキリ・ハッキリの素敵な表示になりました。
-
チューニングノブは直径 50mm のアルミ材で高級感あります。
-
チューニングノブでダイヤル指針は、高級感のある動きをします。
-
最前面の透明パネルと内部の周波数パネルがガラスでできています。
このため透明度が高く高級感バッチリです。
-
感度や音質
-
感度は良好で、妨害電波排除能力も優れています。
ともかく安定感があるというか、さすが高級機です。
-
ウットリ聴き惚れてしまうほうどの高音質!
-
スッキリ爽快な誇張のないクリアな音質です。
ナチュラルサウンドという感じする素敵な音です。
-
音に解像度があって、ハーモニーもしっかり再生します。
-
放送局のモニタ機として測定器代わりに使えるほどのクセない超高音質です。