プロローグ
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FLAC とは ・・・
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FLAC (Free Lossless Audio Codec)
は可逆圧縮音声ファイルフォーマットで、LPCM (WAV) の音楽情報鮮度を保ちます。
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FLAC にすると 40% 程度 NAS 容量が増えたと同様の効果が見込まれます。
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FLAC は可逆圧縮なので WAV (LPCM) に完璧に戻すこともできます。
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FLAC は、ジャンル、アーティスト、アルバム名などの TAG 情報を FLAC ファイル内に埋め込むことができます。
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WAV ではなくて FLAC を使う最大の理由はここにあります。
FLAC のほうが WAV より TAG 情報に汎用性があるのです。
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我が家では CD リッピングに [EAC] を標準的に使っています
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[EAC] はリッピング中に CD データのエラー訂正や、その正確性を計測してくれます。
設定に依ります。
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ただし、リッピング時間は長くなります。
[WMP] に比べて3倍以上の時間がかかります。
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なぜ [EAC] を使うのか ・・・
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[WMP] のリッピングは短時間ですが、成否は再生してみないとわからないのです。
音飛びがあったり、音楽性が損なわれているかもしれない。
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[EAC] のリッピングは時間がかかりますが、再生しなくても成否がわかります。
正常にリッピング終了すれば、それは成功です。
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確実なリッピングを考えると [EAC] に軍配が上がります。
有名な高級オーディオメーカ
LINN
でも
[EAC] は使われています
。
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処理が速くてもイチイチ確認試聴していては、かえって時間がかかることになります。
本末転倒!
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[foobar2000] でもエラー訂正をやっていますが、その動作がイマイチ不明で不安、[EAC] は安心となります。
EAC
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EAC とは ・・・
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EAC
は Exact Audio Copy の略です。
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リッピングの精度向上を目指したソフトで、[CD-R へのライティング] [オーディオエディタ] 機能を併せ持っています。
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インストールと設定
・・・ 全体の流れは
高機能 CD リッピングソフト Exact Audio Copy の使い方まとめ
です
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リッピングソフト Exact Audio Copy (EAC) のインストール&日本語化手順
を参考にしてインストールします。
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EAC オプションの設定手順
を参考にして EAC オプションを設定します。
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[EAC]→[EAC オプション]→[取り込み]→[エラー回復品質:高] とします。
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EAC ドライブオプションの設定手順
を参考にして EAC ドライブオプションを設定します。
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[EAC]→[EAC ドライブオプション]→[取り込み方法]→[セキュアモード:次のドライブ特性に従ったセキュア取り込み] とします。
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EAC メタデータオプションの設定手順
を参考にして CDDB を設定します。
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[EACオプション]→[ファイル名設定] を [%albumartist%\%albumtitle%\%tracknr2% %title%] にします。
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[アーチスト] フォルダが作成され、この下に [タイトル] フォルダが作成されます。
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音楽ファイルは [タイトル] フォルダ内に保存されます。
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今さらな感じの EAC
が参考になります。
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EAC における FLAC や ALAC のエンコード設定
を参考にして FLAC 取り込みを設定します。
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使い方
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音楽 CD をセットして、しばらくすると CDDB から楽曲名が自動的に取り込まれます。
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この状態で、右の図に示した [CMP] をクリックすると FLAC で音楽データを取り込みます。
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[CMP] の代わりに [WAV] をクリックした場合は WAV で音楽データを取り込みます。
foobar2000
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foobar2000 をインストール
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foobar2000 のインストール手順
を参考にして
foobar2000 ダウンロードページ
よりダウンロードしてインストールします。
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インストール中にいろいろ聞かれますがデフォールトで大丈夫です。
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foobar2000 を初期設定します。
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foobar2000 のインストール手順
を参考にして画面のレイアウトを設定します。
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最初は画面レイアウトを無難な [Main Layout : Simple Playlist+Tabs] [Playlist Layout : Default Playlist] にします。
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foobar2000 を使い慣れたら好きなレイアウトに変更してもイイです。
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foobar2000 で CD から FLAC を作る手順
を参考にして FLAC エンコーダを foobar2000 に入れます。
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FLAC 公式ページ
の [FLAC for Windows] をクリックして出る画面の下のほうに [flac-1.3.1-win.zip] があるので、これをダウンロードします。
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[flac-1.3.1-win.zip] を解凍すると [win32] または [win64] フォルダに [flac.exe] があります。
これが FLAC エンコーダです。
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使っている Windows に対応した [flac.exe] を foobar2000 がインストールされたフォルダ (通常は C:\Program Files (x86)\foobar2000) に入れます。
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foobar2000 の freeDB を設定する手順
を参考にして日本語対応の freeDB サーバ (CDDB) を使う設定にします。
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[File]→[Open Audio CD...]→[Drive setting] の [Read offset correction] にはドライブの読取補正数値を入れます。
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Accuraterip
にある [Correction Offset] の数値を入れればよいです。
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不明であれば、とりあえず空白でも構いません。
オフセット誤差があっても S/PDIF の1フレーム以下の誤差ですから、それぼど問題はないです。
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CD から FLAC でリッピング
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foobar2000 で CD から FLAC を作る手順
を参考にして CD から FLAC ファイルを作成します。
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FLAC の圧縮レベルは 0〜8 から選べますが、一番圧縮率が高い [level 8] でイイと思います。
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FLAC は可逆圧縮ですから、圧縮レベルによる音質の差はありません。
圧縮レベルが高いとパソコンやプレーヤの CPU に負担が掛るだけです。
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無圧縮の WAV ファイルで 45MB だったファイルが、FLAC level 8 で 32MB になったので、70% くらいの圧縮率のようです。
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私の環境
では CD 1枚リッピングするのに要した時間は10〜15分くらいでした。
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これは曲数などで変わります。
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キズの多い CD ではかなり時間がかかりました ・・・ ちゃんとリトライしている証拠です。
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キズの多い CD でもちゃんと読めれば NAS に保存された音楽データはエラーフリーです。
音が良いということになります。
WMP
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実は Windows10 に付属している WMP (Windows Media Player) でも FLAC にリッピングできます。
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Windows10 の WMP から FLAC エンコード/デコードができるようになりました。
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[ツール]→[オプション]→[音楽の取り込み] で [FLAC] を選択すればよいです。
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WMP の
CDDB
は
AMG (All Music Guide)
です。
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Windows10 に標準でインストールされている WMP を使うだけなので、超お手軽です。
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やや心配なこと
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圧縮レベルの設定ができないように思われます。
どのレベルで圧縮されているか判らず不安です。
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実際に使ってみると非常に高速でした ・・・ 逆にちゃんとエラー訂正していないようで不安です。
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WMP で困ること、その対策
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WMP を立ち上げると既存ライブラリを更新しようと、HDD をアクセスし放しになります。
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ネットから探してきたジャケット写真などを、アルバムフォルダに勝手に追加したりするのです。
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WMP には単なるリッピングツールとして働いてもらいたいのに迷惑です。
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CPU 負荷もかなり上がって困ります。
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この対策は以下のリンクを参考に Windows10 の設定を変えるとよいです。
エピローグ
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我が家では
DLNA サーバとして使っているパソコン
で CD リッピングも並行して行っています
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処理能力的には全然問題ないです。
他にも Web からジャケット写真を検索するなども並行して行っています。
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いずれにしても、リッピングには時間がかかるので、普段使いのパソコンとは別のパソコンでやったほうがよいです。
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[EAC] が一番安心して CD リッピングできます。
信頼性が高いです。
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リッピングの速さは
[WMP] > [foobar2000] > [EAC]
ですが、正確性 (信頼性) は
[WMP] < [foobar2000] < [EAC]
です。
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一番速い [WMP] でのリッピングでは確認試聴が必須です。
NG だったらやり直しとなり、結局は一番遅くなります。
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[EAC] での CD リッピングは信頼性が高いので、
ハードオフ
で売られているジャンク CD でも正常にリッピングできる可能性が高いです
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ハードオフではジャンク CD が54円とか108円で売られています。
おそらく、レンタル CD の廃棄品と思います。
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細かいキズや、手垢やカビの汚れが多く、このまま CD プレーヤで再生しても音飛びしやすいです。
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このジャンク CD をリッピングするため、私は以下のようにしています。
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まずは、ジャンク CD 購入時に CD の具合をチェックして同心円状にキズがあるものは避けます。
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同心円状のキズはバーストエラーになり、エラー訂正できない可能性があります。
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中心から放射状に付いているキズは深いもので無ければ、まず大丈夫です。
エラー訂正できるので ・・・
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手垢やカビの汚れは大丈夫です。
クリーニングで綺麗になりますから ・・・
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ジャンク CD を台所用中性液体洗剤を使って水洗いクリーニングしてから [EAC] でリッピングします。
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手垢やカビの汚れが取れるので、これだけで枚数的に 90% の CD が正常にリッピングできます。
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エラーで取り込めない楽曲があった場合は、その部分のキズを [プラスチック磨きクロス] で研磨してから [EAC] でリッピングします。
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これで、2で取り込めなかった CD の2枚に1枚は救出できます。
全体として 95% の CD が正常にリッピングできたことになります。
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研磨してもリッピングできなかった CD は諦めます。
おそらく、メッキ面の変形か腐食なので救出手段がありません。
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ジャンク CD でも、上記の手段を講じて [EAC] で正常にリッピングできれば、それは新品 CD をリッピングしたのと同じ品質です。
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ネットワークオーディオ再生のファイルとして何ら問題ありません。