SONY ICF-SW7600 (2号機)

ICF-SW7600 (2号機) をゲット!

2017年2月4日、 HARD-OFF 東大宮駅前店で BCLラジオの SONY ICF-SW7600 のジャンク品が税込3,240円でした。

ラジオマニアなら誰でも知っている 伝説の BCL ラジオ です。 PLL シンセ方式です。 既に1台持っている のですが、外観が非常に良好であることと、元箱・付属品が揃っていたのでゲット!しました。

お店のコメントは「FM 受信の音が小さいです」でした。

1990年に定価39,800円で新発売され、1995年まで製造されました。 製造中止から22年経った現在、完動で綺麗な個体は非常に少なくなって、あればマニア感涙の逸品となっています。



自宅に持ち帰ってからチェックしました

  1. 外観など

  2. 動作チェック



修理

  1. AM 受信でブリブリという連続雑音が入る

  2. FM 受信音が小さい

  3. 修理中に気付いたのですが、プリセットメモリがせいぜい1時間ほどしか保持されません。

  4. 以上の修理で動作良好になりましたが、予防保守的に [危なそうなチップ電解コンデンサ] を交換することにしました

  5. 周波数ダイヤル面の透明プラスチック部分にややスレがある



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. 調整ポイント

    FM/AM 種別 調整ポイント 調整内容
    AM L T3 1st IF
    T4
    T5 2nd IF
    T7 2nd OSC
    VR RV2 5kHz step
    RV3 3kHz step
    FM L T8 1st RF
    TC CT1
    L T9 2nd RF
    TC CT2
    L T10 OSC
    VR RV4 MPX VCO

  2. AM 受信部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 ICF-SW7600 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - 153kHz 受信 T7 2nd OSC 周波数 = 55.390MHz±50Hz 2nd OSC 調整
    (右の図を参照)
    2 - - 156kHz 受信 RV3 2nd OSC 周波数 = 55.387MHz±50Hz 3kHz step 調整
    (右の図を参照)
    3 - - 5,000kHz 受信 RV2 2nd OSC 周波数 = 55.385MHz±50Hz 5kHz step 調整
    (右の図を参照)
    4 156kHz 40dB
    変調 : 400Hz 30%
    156kHz 受信 T3
    T4
    T5
    ヘッドホン出力 = 最大 1st & 2nd IF 調整


  3. FM 受信部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 ICF-SW7600 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - 108MHz 受信 T10 VT 電圧 = 12.5V±0.1V OSC トラッキング調整
    (下の図を参照)
    2 76MHz 40dB
    変調 : 400Hz 30%
    76MHz 受信 T8
    T9
    ヘッドホン出力 = 最大 RF トラッキング調整
    3 108MHz 108MHz 受信 CT1
    CT2
    4 手順2と3を数回繰り返す
    5 - - IC1-21pin〜GND 間に
    10uF を接続する
    RV4 MPX VCO 出力 = 76kHz±100Hz MPX VCO 調整
    フリーラン周波数
    (右の図を参照)




修理&調整後に使ってみました



仕様その他

  1. Service Manual

  2. 使われている主な IC

    メーカ IC 機能
    NEC uPD1715G Low Voltage Single-chip MicroComputer
    with Built-in Prescaler PLL Frequency Synthesizer
    and LCD Driver
    SANYO LA3335M PLL FM Multiplex Demodulator
    LA4550 2 channnel AF Power Amp.
    LA5003M 3V Low Saturation Voltage Regulator
    SONY CX20111 FM/AM Radio

  3. 仕様は以下です。

    項目 内容
    回路方式 FM: スーパーヘテロダイン方式
    AM: デュアルコンバージョンスーパーヘテロダイン方式
    受信周波数 FM: 76.0〜108.0 MHz
    LW: 150〜528 kHz
    MW: 531〜1611 kHz (9kHz ステップ時) / 530〜1610 kHz (10kHz ステップ時)
    SW: 1615〜29995 kHz
    アンテナ FM/SW 用ロッドアンテナ
    MW/LW 用フェライトバーアンテナ内蔵
    FM/LW/MW/SW 用外部アンテナ端子 (ミニジャック)
    スピーカ 直径77mm 丸形8Ω×1個
    実用最大出力 400mW (EIAJ/DC)
    出力端子 録音端子 (ミニジャック)
     録音出力レベル 0.775mV (-60dB)
     出力インピーダンス 1kΩ
    ヘッドホン端子 (ステレオミニジャック)
     ヘッドホン用 16Ω
    電源 DC6V (AC アダプアタ AC-D4M)
    単3型乾電池×4本
    電池持続時間 単3アルカリ乾電池使用時 約22時間
    最大外形寸法 191(W)×118(H)×32(D)mm
    質量 615g (乾電池含む)