SONY ICF-SW7600G をゲット!
定価4万円のデュアルコンバージョン方式 BCL ラジオ
2022年8月13日、山梨県上野原市の N さんより、長年使用された
SONY ICF-SW7600G
を寄贈いただきました。
後継機の
ICF-SW7600GR
は2001年発売なので、少なくとも20年以上使われていると思うのですが、SW/MW/FM とも動作良好でした。
付属品は右の写真のグローバル対応の [AC アダプタ] だけでした。
程度&動作チェック
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寄贈者のコメント
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ベッド脇に置いて使っていましたが、引退させることにしました。
購入時期・経緯とか忘れてしまいました。
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普通に FM、AM 放送は聞けており、本体と AC 電源アダプタのみ残っています。
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ホームページの修理記録などを楽しく拝見しています。
楽しい記事へのお礼として送ります。
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外観
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製造シリアル番号は [307112] です。
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付属していた AC アダプタは、[型式 AC-E601] [入力 AC100〜120V/AC220〜240V] [出力 DC6V/300mA] でした。
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ワレ、スレ、文字消えなどはなく良好です。
よくよく見れば汚れはありますが、全体的には綺麗な逸品です。
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ディスプレイの透明板に全くキズやスレが無いです。
非常に良い状態です。
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スピーカ部の右上でディスプレイの左側がなぜか?少し盛り上がっています。
目立たないので無視です。
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ロッドアンテナがフラフラしていました。
根元のプラスネジを締め直したら直りました。
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ロッドアンテナに僅かにサビが出ていました。
ティッシュで磨いて CRC 5-56 を少量付けて実用的に問題なくなりました。
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電源 ON してチェック
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FM/AM とも何の問題もなく感度抜群で受信できました。
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SW は [ラジオ NIKKEI] の [6.055MHz] [6.115MHz] [3.925MHz] が良好に受信できました。
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時刻設定やプリセットも良好でした。
使ってみました
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デザイン
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定価4万円だけのことはあります。
デザインや操作性が良いです。
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周波数記憶用のプリセットメモリは、[FM 10個]+[AM 10個]+[FM/AM ランダムに2個] の合計22個 あります。
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アンテナ入力部に ATT (アッテネータ) を備えており、強力電波の弊害に対応しています。
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時計やタイマ機能があります。
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下の写真は左右サイドです。
これからわかるように、BCL に便利な [同期検波] [SSB 受信] 機能があります。
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感度
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FM の感度が良く、越谷では主要放送局がロッドアンテナを伸ばすことなく受信できています。
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AM (MW/SW) の感度も良いです。
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さすが、高感度 BCL ラジオです。
SW のラジオ NIKKEI [6.055MHz] [6.115MHz] [3.925MHz] が安定して受信できました。
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音質
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ポータブルサイズでこの音は良いです。
Hi-Fi ではなく、ラジオとして綺麗な音が出ます。
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AM を同期検波で聴いても音が変わりません。
同期検波を通常位置としても問題なく使えます。
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その他
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前作の
ICF-SW7600
では [チップ電解コンデンサ] の液漏れ・容量抜けで使用10年を超えた辺りからトラブル続出でした。
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SONY が採用した [チップ電解コンデンサ] の品質が悪かったと思います。
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自動車だったらリコール物ですが、家電品は仕方ないと諦めなのかな?
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初代の ICF-SW7600 の中古は買わないほうが幸せです。
買ってしまったらトラブルや修理で苦しみますよ。
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二代目の ICF-SW7600G ではこの点を改善し、[チップ電解コンデンサ] → [通常の電解コンデンサ] になりました。
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このおかげで本機のように20年以上経てもトラブルが発生していません。
プチ改造
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[LIGHT] ボタンを押しての照明が暗いのでプチ改造
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左の写真はプチ改造前の照明です。
点いているのか/いないのか、よくわかりません。
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右の写真はプチ改造後です。
明るく見やすくなりました。
明るくなったのに消費電力は大きく減ってグッドです。
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プチ改造は
ソニーのラジオ:ICF-SW7600G
の記事を参考にしました。
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ICF-SW7600G を分解
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左の写真で示した裏面にある黄色〇で囲んだ [ネジ×5本] を外します。
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そうすると、右の写真のように [ラジオユニット] が取り外せます。
ネジ×5本でここまで分解できるのは作りが良い証拠です。
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分解して発見!!!
・・・ 電池ホルダのプラスチック部分に電池からの液漏れがありました。
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まだ液体状態でしたので、すぐに無水アルコールで拭き取りました。
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幸いなことに金属部に腐食はありませんでした。
重大故障を未然に防げてよかった!
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スピーカ右横にある [CN201] コネクタに挿入されている FFC (フレキシブルフラットケーブル) を取り外します。
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スピーカを少し左側にズラします。
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[CN201] コネクタの灰色プラスチック部分をケーブル側にズラしてロック解除します。
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これで FFC を取り外しできます。
【注意】 この手順を守らないと FFC が断線して修復が困難になります。
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スピーカに細かいゴミがかなり溜まっていたので、ついでに清掃しました。
刷毛でチョイチョイ
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FFC を外せば [ディスプレイ基板] を取り外せます。
写真は [ディスプレイ基板] の表面と裏面です。
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黄色〇の場所に照明用 LED が実装されています。
[3mm 砲弾型 緑色 LED] です。
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LED と電流制限抵抗を交換します
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交換する LED には [3mm 砲弾型 超高輝度 25000mcd 白色 LED] を使いました。
交換方法は簡単なので省略します。
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[R316] が電流制限抵抗で220Ωです。
このままでは交換する LED が明るくなり過ぎるので820Ωと交換します。
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左の写真は [R316] 交換前で、右の写真は交換後です。
チップ抵抗は実装しにくいので、[820Ω 1/6W] と交換しました。
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電流制限抵抗は 220Ω→820Ω となり LED に流れ込む電流が減り、明るくなったのに消費電力は減りました。
ご参考までに ・・・
元々 [ディスプレイ基板] に実装されていた LED とチップ抵抗です。
仕様ほか
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ドキュメント
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参考記事
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仕様
その他 |
発売開始年 |
1994年7月 |
定価 |
39,800円 |