SONY VGF-WA1
SONY VGF-WA1 をゲット!
2008年9月1日、Wi-Fi オーディオの
SONY VGF-WA1
をアキバの
TUKUMO
で税込14,800円で購入しました。 やけに安い!・・・どうもディスコンが近いと思います。
発売当初は税込3万5千円で販売されていましたが、最近 (2008年9月) の平均的なショップ価格は税込2万円前後が多いです。
一言で表現すると
Wi-Fi ラジオ
です。
通常のラジオと同じで電波を拾って音を出します。 違うのは、電波は Wi-Fi (無線 LAN)、受信するのは DLNA サーバーまたはインターネットラジオのデータと言う点です。
入手した VGF-WA1 のカラーはブラックモデルですが、ホワイトモデルもあります。
ファームウェアのバージョンアップ
購入時のファームウェアのバージョンは 1.020 でした。
本体の [ネットワーク設定] メニューを使って手動で設定しましたが、我が家の Wi-Fi アクセスポイントにどうしてもつながりません。
状態としては、「ネットワーク接続するようなメッセージ」が出ないので、内蔵 Wi-Fi が動作していないように見えます。 最悪、内臓 Wi-Fi の故障も考えられます。
上記の状態ではどうしようもないので、少しでも状況が変わればとの思いで、ファームウェアをアップデートしてみました。
ファームウェアを最新の 1.200 にアップデートする
ソフトウェアアップデートプログラム
を適用しました。 アップデート用の CD-ROM は付属していました・・・購入時点でのファームウェアは最新版でなく、アップデートは自分でやってくださいというのは、ちょっと不親切ではないでしょうか。
ファームウェアのアップデートは USB 接続で行います・・・しばらくして無事完了しました。 完了後、何にもしていないのに、突然、「ネットワークに接続しています・・・」のメッセージが出て、内臓 Wi-Fi が動作するようになりました。
設定を何も変えない状態で、ファームウェアのアップデートだけで動作するようになったので、設定自体は正しかったことになります。 内蔵 Wi-Fi も故障していなかったことになります。 原因は判りませんが、そもそも入っていたファームウェアに何か問題があったのでしょう。
原因判明しました!
1.020 は SSID ステルス設定のアクセスポイントに非対応だったためです。 1.200 は SSID ステルス設定のアクセスポイントに対応しています。 我が家の Wi-Fi AP はセキュリティ確保のために SSID ステルス設定です。
ファームウェア 1.200 について
1.020 に比べて本体操作メニューやその設定できる項目がかなり多くなりました。
[ネットワーク設定] [アクセスポイント] メニューに [AOSS] 設定が追加されました。
[ネットワーク設定] を複数保持できるようになりました。
WEP キーにアルファベットを利用可能になりました。
[時計] [時計設定] メニューに [自動で合わせる] 項目が追加されました。(NTP サーバーから時刻を取得しています。)
[WEB RADIO] モードで [SHOUTcast] の放送局に対応しました。
iTunes のプレイリストを再生可能になりました。
Windows からネットワークスピーカーとして鳴らせるようになりました。
RSS 表示に対応しました。
エラーメッセージが親切になりました。
使ってみました
私にとって一番重要なインターネットラジオ機能しか試していません。
我が家では Hi-Fi で聴く音楽は、リニア PCM レコーダーで HDD 化してミュージックボックス化しているので、わざわざポータブルプレーヤーで聴く必然性がありません。 利用方法は「ながら聴き」なので、音楽に何が登場するか判らないインターネットラジオのほうが意外性があって良いのです。
ほとんどノッペラボウに見えるシンプルなデザインですが、さすが SONY デザインのグッとくる感性の良さがあります。
タッチ式の操作パネルは、バックライトの点灯でホンノリと浮かび上がります。 この辺りの感性は素晴らしいです。
サイズ的には横幅 380mm ですが高さが低いのでコンパクトに感じます。
キャリングハンドルが背面にあります。 持ち運びに便利です。
インターネットラジオ放送局や DLNA サーバーと接続するには LAN 接続が必須ですが、LAN ケーブルで接続するのは面倒だし設置場所も限定的になります。 VGF-WA1 には Wi-Fi が内蔵されているので楽だし、設置場所の自由度があります。
Wi-Fi 設定しなければいけないので、一般ユーザにはほんの少し敷居が高いです。 巷の掲示板への投稿もほとんどが「Wi-Fi 接続できません」のサポート関連です。
今までインターネットラジオはマイナーなメーカしか製品がありませんでしたが、SONY という影響力のあるメジャーなメーカが製品化したことに意義がありません。 著作権等の問題でグレーゾーンだった
インターネットラジオがメジャーとなった
のです。 やはり SONY が製品化すると、従来のマイナーメーカの製品より、その完成度は遥かに上回ります。
付属品などは以下の通りです。 Wi-Fi アダプタや充電式バッテリも付属していて、至れり尽くせりです。 高機能かつオールインワンで1万5千円しない価格は破格でしょう。
カード型リモコン
ワイヤレスアダプタ (USB メモリ型の Wi-Fi インタフェース)
AC アダプタ (VGP-AC16V8, SW 型で 入力 AC100〜240V 出力 DC16V 4A)
電源コード
USB ケーブル
専用ワイヤレスアダプタ接続補助ケーブル (USB 延長ケーブル)
CD-ROM, 取扱説明書, おまかせ設定ガイド, 保証書 など
内蔵充電バッテリ (11.1V)
単体では単なるデッカイ MP3 プレーヤーです。 この VGF-WA1 は Wi-Fi 接続してシステムとして使う製品なのです。 SONY での製品カテゴリでは VAIO パソコンの周辺機器として位置づけられています。 本体にも「VAIO」の文字が刻印されています。 使い方は大きくは以下となります。 私は2番目の使い方が主体になります。 BGM 的な「ながら利用」です。
Wi-Fi 接続して DLNA サーバーと接続し、このサーバーに蓄積されている音楽データを受信して再生する。
Wi-Fi 接続してインターネットラジオ局と接続し、このラジオ局から送られてくる音楽ストリーミングデータを受信して再生する。
Wi-Fi 接続なしで、MP3 プレーヤー的に使う。(128MB のメモリを内蔵しており、USB 接続でデータ伝送できます。)
概略機能は以下です。
IEEE 802.11b/g 準拠の Wi-Fi
アナログ入力、ライン出力、S/PDIF 光出力、ヘッドホン端子
8cm×2個のスピーカー内蔵
ΔΣ (デルタ・シグマ) デジタルアンプ内蔵 (最大 8W×2ch)
DLNA ガイドライン HNv1 に準拠
対応インターネットラジオは SHOUTcast, live365.com, J-WAVE
対応フォーマットは L-PCM, MP3, WMA, WM DRM, AAC, ATRAC3/3plus
24bit DSP を搭載し、D-ノーマライザ, D-バスブースト, エフェクトを処理
128MB メモリ内蔵
電源は AC アダプタまたは内蔵バッテリー (内蔵バッテリーで4時間駆動可能)
特にデジタルアンプはスピーカー出力を D 級アンプ(PWM 出力)で行っており、ソースの入力から出力までを全てデジタル処理となるので、安価でもオーディオ的な性能が向上します。 S/N や消費電力の面でも有利です。
[POWER] [PC] [WEB RADIO] [AUX] [MEMORY] ボタンがありますが、それ以外はタッチパネルスイッチになっています。 よって、タッチパネル部には指紋が付いてしまうことになります。 私はデザインの良さのほうを優先するので、やむを得ないです。
本体操作以外に、付属のカード型リモコンでも操作可能です。
液晶ディスプレイには、アーティスト名や曲名などの楽曲ファイルに含まれるタグ情報などが表示されます。
液晶ディスプレイとタッチ操作パネルのバックライトは、しばらく放置しておくと消えてしまいますが、人が近づくと赤外線センサーで感知し、再度自動的に光ります。 面白いです。 本体操作パネル右端にある [ライト] ボタンを押してもバックライトが点灯します。
[WEB RADIO] ボタンを押すとインターネットラジオのトップ画面が液晶表示部に表示されます。 [J-WAVE Brandnew-J] [Live365] [SHOUTcast] [登録したラジオ局] のメニューが選択できます。
[Live365] はいつの間にか有料になっていました。
[SHOUTcast] は無料で使えます。 [SHOUTcast] でも [Live365] と何らの遜色がないので、あえて [Live365] を選択する必然性はないです。
[J-WAVE Brandnew-J] は意外に良い
です。 ライセンス登録は必要ですが無料です。 「J-WAVE 第2チャンネル」とも言えるリアルタイムのインターネットラジオサービスです。 CM は入らずお喋りも最小限で、音楽ばかり流れています。 これが本当の音楽放送(FM 放送も昔はこう呼ばれていた。)です。 パソコンからも
J-WAVE Brandnew-J
が聴けます・・・ぜひお試しを。
[登録したラジオ局] メニューで選択できるインターネットラジオ局のプリセット数は20局分あります。
プリセットは本体操作でできない
ようで、右のようなパソコンの Web 画面で行います。 (プリセットされた放送局の選択は本体でできます。)
受信中のインターネットラジオ放送局をそのまま登録する方法はない
ようです。
SUNTAC BiBio wGate
ではこれができるので、VGF-WA1 はちょっと不親切です。
本来、プリセットというのは、FM/AM チューナーのように、受信中の放送局を記憶させるのが普通です。
この Web 画面を出すには、パソコンにインストールした [ワイヤレスデジタルオーディオ設定ツール] を使います。
Web 画面を出すもう1つの方法
として、同じネットワークにつながっているパソコンのインターネットブラウザから URL 指定を [http://192.168.1.XX] のように VGF-WA1 の IP address 指定でも出せます。 余計なソフトウェアをインストールする必要がないので、こちらのほうが正解かもしれないです。 ID や Password は不要です。
VGF-WA1 の IP address を知るには、本体の [SETTING] ボタンを押し、[機器情報] - [ネットワーク情報] の画面で確認できます。
ここに入れる [表示名] [URL] は
SUNTAC BiBio wGate
と同じなので、そちらを参照ください。
この設定は、一般ユーザにはちょっと敷居が高いかもしれません。 やはり、受信中のインターネットラジオ放送局をワンタッチでプリセットできるようにすべきなのです。
当たり前ですが、ノイズは全くありません。 ある意味、FM/AM ラジオより良いです。
FM 放送だとペチャクチャお喋りがほとんどで、音楽だけを聴き流したい人には合わないですが、インターネットラジオ放送には CM みたいなものは滅多に入りません。
チューナーとしての性能
ここでは、「ラジオはスピーカー付きで単体で使える装置」、「チューナーはアンプと組み合わせて使う装置」と定義します。
VGF-WA1 には前述のように [ライン出力] [S/PDIF 光出力] があります。 これらの出力を使ってチューナーとして使えるか? また、その性能は? を検証してみました。
[ラジオモード] と [チューナーモード]
デフォールトモードは [ラジオモード] です。 内蔵スピーカーより音が出ます。
[チューナーモード] に切り換えるには、TOP メニューから [SETTINGS] ボタンを押して [各種設定] [出力設定] を選択すると [スピーカー] と [ライン/光デジタル] が表示されるので、[ライン/光デジタル] を選択します。
[ラジオモード] に戻すには、[スピーカー] を選択すればよいです。
[チューナーモード] になるとスピーカーより音が出なくなります。 その代わり、[ライン出力] [S/PDIF 光出力] が有効になります。 どちらへでも、
DSP 処理を外したフラット特性で出力
されます。
[チューナーモード] にして [ライン出力] をステレオ装置に接続して検証しました
チューナーとしての音質レベルは全く問題なく良好です。
[チューナーモード] では DSP による音質コントロールは無効になり、[ライン出力] にはフラットな周波数特性で出力されます。
SUNTAC BiBio wGate
と音を比較しましたが、どちらもチューナーとして問題ないレベルであり、VGF-WA1 のほうが僅かに音の豊かさを感じました。
以上より、チューナーとして問題なく使えます。
[チューナーモード] にして [S/PDIF 光出力] をリニア PCM レコーダーの
YAMAHA CDR-HD1500
経由でステレオ装置に接続して検証しました
CDR-HD1500 経由としたのは、これを DAC (デジタル→アナログ 変換機) として使うためです。 デジタル録音できるかの検証もこれでやります。
CDR-HD1500 は何の問題もなく VGF-WA1 の [S/PDIF 光出力] を受け付けてくれました。 音質も [ライン出力] の場合と特に変わりません。
CDR-HD1500 でデジタル録音しようと操作したら、コピープロテクトエラーが出て録音できません。 [S/PDIF 光出力] には SCMS のコピーガードがかかっています。 この辺り、
ONKYO NC-501V
のインターネットラジオ機能と同じようです。
NC-501V のインターネットラジオ機能はメーカーの都合で、現在停止されています。
上記のデジタル録音できない現象は、SCMS ガード解除器を使うと、当たり前ですが、デジタル録音できるようになりました。 デジタルオーディオ機器をフルに使いこなすには、やはり、このような解除器は必須です。
なお、内蔵メモリ (128MB) への録音もできないのか試してみましたが、これもダメでした。 メーカーとしては著作権の問題を配慮した結果なので、まあ、やむを得ないですけどね・・・ブツブツ。
RSS 表示
最初、「RSS 表示」ができるって何のことかサッパリ判りませんでした。
RSS とは RDF Site Summary の略で、RDF とは Resource Description Framework の略です。 新聞社などのニュース配信サイトでは最新ニュースを、テレビ局・ラジオ局では番組情報を、その他各種企業においてプレスリリースや新製品情報やサポート情報を、ヘッドライン情報として配信しているらしい。 「ブログ」に続くヒットだそうです。
・・・理解しました。 きっと FM 放送の「見えるラジオ」なんだ! 違うかな???
送ってくるデータは XML で、専用の RSS リーダーがないと受信できません。 VGF-WA1 では写真のように、電光ニュースみたいなテロップで液晶画面の下側に表示します。 VGF-WA1 は RSS リーダーを内蔵しているのです。 △▽キーを押すことで RSS 表示を選択できます。
「RSS サイト」をキーに電網検索するとイロイロ出てきます。 私は朝日新聞のビジネスを VGF-WA1 に登録しました。 VGF-WA1 には4サイトまで登録できます。
評価まとめ
[ラジオモード] のスピーカー出力の音質は DSP 処理によって、いかにも作ったというような音ですが、低音も高音もほどよく出ており、セパレーションも良く、Hi-Fi 調に聴こえるので
BGM 用途としての満足度は高い
です。
フラフラとしたクラゲのような超軽〜い音質です。 ロックもポップもクラシックもイージリスニング音楽風に聴こえてしまう不思議な音です。
正面から 0.5m 以内で聴くと、380mm の横幅よりも広く音が広がります。 やはり DSP 処理の擬似音響です。
しかしながら、この類のポータブルオーディオ装置は聴きやすければ良いのです。 誰もピュア Hi-Fi を期待していないでしょう。
[チューナーモード] での音質は問題なくチューナー品質で良好です。
デジタルアンプ採用により S/N が良く、余裕ある音の出かたです。
以上より、ラジオとして、チューナーとして、いずれにも推奨できるレベルの高い製品と評価します。 現在 (2008年) 存在するインターネットラジオとしては最高水準でしょう。
透視写真
高磁力ネオジウムマグネット採用のスピーカーユニットです。
左右独立エンクロージャー構造です。 共振対策されています。
本体底面部分に内蔵された基板です。
ARM コアを使った DSP チップ、アルテラ製の MAX U、TDK の NAND 型フラッシュメモリコントローラ(GBDriver RA3)など。
Wi-Fi モジュールとアンテナです。
仕様
取扱説明書
より仕様部分を抜粋しました。
その他
発売時期
2007年2月17日
定価
オープンプライス (新発売時の SONY style 価格 34,800円)