AUDIO DYNAMICS T-1

AUDIO DYNAMICS T-1 をゲット!

2009年12月28日、AUDIO DYNAMICS T-1 の中古品を YAMAHA t-2x (2号機) の修理のお駄賃にいただきました。 Schotz FM noise reduction system 搭載が特長です。

AUDIO DYNAMICS は、アメリカのプロ用音響機器のメーカ dbx のコンシューマーブランドです。



早速、程度&動作チェック

  1. 外観

  2. 入手した状態のまま電源 ON してチェックしました



カバーを開けてみました

  1. 何だか全体にジャンパー線が多くゴチャゴチャしています。 少し雑さも感じます。 写真をクリックすると拡大写真を表示できます。

  2. IC を使用して合理化が図られています。


  3. FM フロントエンドは TDK 製で4連バリキャップです。 トリマーコンデンサがありません ・・・ よってトラッキング調整は空芯コイルによる1点調整となります。

  4. FM IF 部は以下のローコストな構成です。

  5. FM 検波部は [LA1266] を使ったクォードラチュア検波です。

  6. MPX 部は [LA3410] を使った PLL MPX です。 この IC は良い音がします。

  7. AM 部のフロントエンドは2連バリキャップです。 [LA1266] で全てを構成します。



リペア

  1. 修理

  2. クリーニング



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. 電圧チェック

    TP 標準値 実測値 備考
    U801 (7812) - OUT +12V +12.23V チューナー全般電源
    オペアンプ電源
    U802 (7912) - OUT -12V -12.20V オペアンプ電源
    Q801 - E +5.6V +5.71V MCU 電源
    Q802 - E +27V +27.40V FL 管電源

  2. FM 受信部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 T-1 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - band : FM
    schotz nr : OFF
    - -  
    2 - - 90MHz 受信
    mono : ON
    FM フロントエンド
    OSC コイル
    TP2 電圧 = 8.0V VT High
    3 - - 76MHz 受信
    mono : ON
    - TP2 電圧 = 1.5V VT Low
    確認のみ
    4 83MHz 30dB
    変調 : MONO 1kHz
    83MHz 受信
    mono : ON
    FM フロントエンド
    RF コイル×3
    R601 フロント側電圧 = 最大 RF 調整
    5 83MHz 30dB
    変調 : MONO 1kHz
    83MHz 受信
    mono : ON
    FM フロントエンド
    IFT
    R601 フロント側電圧 = 最大 IF 調整
    6 83MHz 90dB
    変調 : MONO 1kHz
    83MHz 受信
    mono : OFF
    T105 オーディオ出力 = 高調波歪最小  
    7 83MHz 90dB
    変調 : MONO 1kHz
    83MHz 受信
    mono : OFF
    T104 TP3〜TP4 端子間電圧 = 0V (FM 同調点)
    8 - - - - 手順6と7を数回繰り返す QR 検波調整
    9 83MHz 50dB
    変調 : MONO 1kHz
    83MHz 受信
    mono : OFF
    RV102 S メータ = ちょうどフル S メータ調整
    10 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : ON
    変調 : STEREO 1kHz
    83MHz 受信
    mono : OFF
    FM フロントエンド
    IFT
    オーディオ出力 = 高調波歪最小 ±90度の範囲で調整
    11 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : ON
    変調 : R/L ch. only 1kHz
    83MHz 受信
    mono : OFF
    RV103 L/R ch. オーディオ出力電圧 = 最小 セパレーション調整

  3. AM 受信部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 T-1 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - band : AM - -  
    2 - - 1602kHz 受信 T102 TP2 電圧 = 7.5V VT High
    3 - - 531kHz 受信 - TP2 電圧 = 1.4V VT Low
    確認のみ
    4 603kHz 40dB
    変調 : 400Hz
    603kHz 受信 T101 R601 フロント側電圧 = 最大  
    5 1404kHz 40dB
    変調 : 400Hz
    1404kHz 受信 T101 近くのトリマ R601 フロント側電圧 = 最大  
    6 - - - - 手順4と5を数回繰り返す RF トラッキング調整
    8 999kHz 40dB
    変調 : 400Hz
    999kHz 受信 T103 R601 フロント側電圧 = 最大 IF 調整

  4. 調整結果

    1. 全体にズレがありました。

    2. FM ステレオセパレーションなどは以下となりました。 問題ない数値です。

      項目 L R 単位
      ステレオセパレーション (1kHz) 47 45 dB
      高調波歪率 (stereo 1kHz) 0.15 0.15 %
      パイロット信号キャリアリーク -79 -68 dB
      オーディオ出力レベル偏差 (mono) 0 +0.21 dB



使ってみました

  1. デザインは欧米風です

  2. 機能関連

  3. 音質はビックリするほど良い



仕様