SONY ST-S333ESXU

SONY ST-S333ESXUをゲット!

2006年3月18日、 ヤフオク にて SONY ST-S333ESXU のジャンク品を送料込2,000円落札しました。

さてさて・・・



程度&動作チェック

  1. オークション出品者のコメント

  2. 外観

  3. 到着した状態のまま電源 ON してチェック



SONY ST-S333ESXUについて

ブロックダイヤグラムを示します。 なかなか凝った、素晴らしい回路構成です。



  1. 低ひずみ化

  2. 高 S/N 比

  3. 高セパレーション化

  4. デジタル系ノイズを徹底排除

  5. オーディオタイマー対応のプログラム機能

  6. マルチプロセスメモリによるワンタッチ選局



カバーを開けてみました

  1. 基板は紙エポキシで綺麗です。 写真をクリックすると拡大写真を表示できます。

  2. FM フロントエンド部

  3. FM IF 部

  4. FM 検波部

  5. FM MPX 部

  6. AM 部

  7. プリセットメモリのバックアップ



リペア

  1. チューニングツマミの僅かな塗装ハガレ

  2. 音が出ない ・・・ 軽く叩くと一瞬音が出る



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. 調整ポイント

    BAND セクション 種別 調整ポイント 調整内容
    FM フロントエンド L L101
    L102
    L103
    RF トラッキング
    TC CT101
    CT102
    CT103
    L L104 OSC トラッキング
    IFT IFT101 IF
    WIDE IF IFT IFT201 mono ピーク
    IFT203 mono WOIS 歪補正
    VR RT202
    IFT IFT202 stereo ピーク
    IFT204 stereo WOIS 歪補正
    VR RT203
    NARROW IF VR RT201 IF GAIN
    同調検出 IFT IFT205 同調点
    検波 IFT IFT206
    IFT207
    PLL 検波
    TC CT201
    MPX L L301 パイロットキャンセル
    VR RT303
    RT301 ステレオセパレーション (L)
    RT302 ステレオセパレーション (R)
    SIGNAL VR RT204 S メータ
    MUTING RT205 ミューティングレベル
    ST LEVEL RT206 ステレオ表示レベル
    SST RT801 SST
    AM フロントエンド L FE401(R) RF トラッキング
    TC FE401(C)
    L FE401(O) OSC トラッキング
    IF IFT IFT401 IF
    SIGNAL VR RT401 S メータ
    AUTO STOP RT402 オートストップレベル

  2. テストポイント (TP)

    BAND TP 接続先 内容 備考
    FM R243 R243 両端 同調点電圧 0±20mV
    R812(R) R812(R)〜GND 間 SST 調整 IC802 (M4051BP) - 11pin と接続
    R814(R) R814(R)〜GND 間 IC802 (M4051BP) - 9pin と接続
    R258(R) R258(R)〜GND 間 PLL 検波 IF 波形観測 10.7MHz
    TP201 TP201 間 PLL 検波調整時に短絡 短絡すると FE〜LA1235 が直結される
    TP202 TP202 間 PLL 検波 NULL 0±20mV
    JP1 JP1〜GND 間 OSC VT 電圧 OSC バリキャップ印加電圧
    AM TP601(R) TP601(R)〜GND 間 AUTO STOP 検出 放送局を検出すると Low になる
    JP2 JP2〜GND 間 VT 電圧 バリキャップ印加電圧
    FM/AM JP3 JP3〜GND 間 S メータ 受信レベル

  3. 電圧チェックポイント (VP)

    VP 標準値 実測値 備考
    JP4 +16V +15.0V チューナ用
    JP5 +13V +13.0V FL 管用
    JP6 +5.6V +5.54V デジタル用 (MCU)
    JP7 +30V +30.4V VT 電圧用
    R909(R) -10V -9.65V コントロール用

  4. FM 部の調整

    手順 SSG出力 ST-S333ESXUの設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - BAND:FM
    IF-BAND:WIDE
    MUTING:OFF
    MODE:OFF
    CAL TONE:OFF
    - -  
    2 83MHz
    90dB
    無変調
    83MHz 受信 IFT205 R243 両端電圧 = 0±20mV 同調点調整
    3 - 90MHz 受信 L104 JP1〜GND 間電圧 = 21.0±0.2V OSC トラッキング調整
    4 - 76MHz 受信 - JP1〜GND 間電圧 = 8.0±1.0V
    5 - 76MHz 受信 RT801 R812(R)〜GND 間電圧 = Low SST 調整
    6 - 90MHz 受信 - R814(R)〜GND 間電圧 = High
    7 76MHz
    30dB
    無変調
    76MHz 受信 L101
    L102
    L103
    JP3〜GND 間電圧 = 最大 RF トラッキング調整
    8 90MHz
    30dB
    無変調
    90MHz 受信 CT101
    CT102
    CT103
    9 手順7と8を数回繰り返す
    10 83MHz
    30dB
    無変調
    83MHz 受信 IFT101 JP3〜GND 間電圧 = 最大 フロントエンド内 IF 調整
    11 - TP201 両端を短絡 - - PLL 検波調整
    12 83MHz
    90dB
    mono 1kHz
    83MHz 受信 IFT206 R258(R)〜GND 間波形 = 最大
    オシロスコープで観測
    13 CT201 オーディオ出力 = 高調波歪率最小
    14 IFT207 TP202 間電圧 = 0±20mV
    15 手順13と14を数回繰り返す
    16 - TP201 両端を開放 - -
    17 - BAND:FM
    IF BAND:WIDE
    MUTING:ON
    MODE:OFF
    CAL TONE:OFF
    - -  
    18 83MHz
    30dB
    mono 1kHz
    83MHz 受信 IFT201 JP3〜GND 間電圧 = 最大 mono WOIS 歪補正
    RT201 を時計回りに
    回し切ってから調整開始
    19 83MHz
    90dB
    mono 1kHz
    IFT203
    RT202
    オーディオ出力 = 高調波歪率最小
    20 83MHz
    90dB
    stereo 1kHz L+R
    IFT101 オーディオ出力 = 高調波歪率最小 stereo IF 歪補正
    21 83MHz
    30dB
    stereo 1kHz L+R
    IFT202 JP3〜GND 間電圧 = 最大 stereo WOIS 歪補正
    RT202 を時計回りに
    回し切ってから調整開始
    22 83MHz
    90dB
    stereo 1kHz L+R
    IFT204
    RT203
    オーディオ出力 = 高調波歪率最小
    23 83MHz
    90dB
    stereo 1kHz L+R
    83MHz 受信 L301
    RT303
    オーディオ出力 = 19kHz 成分最小 Pilot 信号キャンセラ調整
    24 83MHz
    90dB
    stereo 1kHz R
    RT301 L ch. オーディオ出力 = 最小
    (R→L への漏れ音)
    セパレーション調整
    25 83MHz
    90dB
    stereo 1kHz L
    RT302 R ch. オーディオ出力 = 最小
    (L→R への漏れ音)
    26 83MHz
    20dB
    stereo 1kHz L+R
    83MHz 受信 RT206 STEREO インジケータ = 点灯
    ちょうど点灯するよう調整
    STEREO 点灯レベル調整
    27 83MHz
    25dB
    mono 1kHz
    83MHz 受信 RT205 MUTING = OFF
    ちょうど OFF になるよう調整
    ミューティングレベル調整
    28 IF BAND:NARROW
    83MHz 受信
    RT201 MUTING = OFF
    ちょうど OFF になるよう調整
    IF NARROW ゲイン調整
    29 83MHz
    50dB
    無変調
    IF BAND:WIDE
    83MHz 受信
    RT204 S メータ = フル
    ちょうどフルになるよう調整
    S メータレベル調整

  5. AM 部の調整

    手順 SSG出力 ST-S333ESXU の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - BAND:AM
    MODE:OFF
    CAL TONE:OFF
    - -  
    2 - 1602kHz 受信 FE401(O) JP2 電圧 = 22±0.2V OSC トラッキング調整
    3 - 531kHz 受信 - JP2 電圧 = 1.8±0.1V
    4 603kHz
    30dB
    無変調
    603kHz 受信 FE401(R) JP3〜GND 間電圧 = 最大 RF トラッキング調整
    5 1395kHz
    30dB
    無変調
    1395kHz 受信 FE401(C)
    6 手順4と5を数回繰り返す
    7 999kHz
    30dB
    無変調
    999kHz 受信 IFT401 JP3〜GND 間電圧 = 最大 IF 調整
    8 999kHz
    64dB
    無変調
    RT401 S メータ = フル
    ちょうどフルになるよう調整
    S メータ調整
    9 999kHz
    53dB
    無変調
    RT402 TP601(R)〜GND 間 = High/Low
    High/Low ギリギリに調整
    AUTO STOP 調整

  6. 再調整結果



使ってみました

  1. 現在では高級オーディクラスのチューナはどこのメーカも作っておらず、非常に価値のある逸品です。

  2. デザイン

  3. 機能

  4. 感度と音質



レベルメータ



仕様その他

  1. ドキュメント

  2. 仕様は以下です



    発売時期
    1987年10月
    定価
    49,800円(税抜)