TECSUN PL-210

TECSUN PL-210 をゲット！

Dual Conversion 方式パームトップ BCL ラジオ

TECSUN PL-210 です。 2010年9月11日、中国・重慶の商社電器にて348元で買いました。 （当日のホテルでの換金レートは 10,000円＝778.29元 でしたから、日本円に換算すると4,472円です。）

右の写真は、前作の PL-200 です。 大きさは全く同じで外観もそっくりですが、よく比べるとボタンが2個増えて形状も違うのが判ります。 PL-210 の背面スタンド板の製造マークに PL-200 と刻まれていることより、ほぼ同じ樹脂型を使ったと思われます。

PL-200 は Single Conversion でしたから大幅な性能向上です。 そもそも PL-200 シリーズは小型 BCL 入門機というコンセプトだったのです。 これを Dual Conversion にした TECSUN の意気込みを感じます。

参考です。 「オールバンド・デジタル・ステレオ・ラジオ」の中国語は「全波段数字解調立体声收音机」です。

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操作ボタン/スイッチや端子など

• 一般的な機能はボタンの名称で判ると思うので、特徴的な操作のみを解説します。
  
  
  • 慣れれば操作性は良いと思えるようになりますが、ボタンの短押し／長押しなど、少ないボタンで多くの機能を詰め込んでいるので、最初は戸惑います。
    
    
  • 操作は同社の PL-310 にかなり似ています。 PL-450 より操作性が進化していて洗練されていると感じます。
    
    
• 正面パネル
  
  
  1. [POWER] ボタン
     
     
     • [POWER] ボタンで電源 ON/OFF します。
       
       
     • 電源 ON 時に [POWER] ボタンを押したままにして、[TUNING] ノブを回すと、スリープタイマー時間の 1/5/15/30/45/60/75/90/120/On を選択できます。 [On] は常時電源 ON です。 数字はスリープ時間で単位は分です。 数字の時間後に電源 OFF となります。
       
       
  2. [VF/VM] ボタン
     
     
     1. 短押しで P001 などのプリセット番号が消えたら、VF (周波数可変) モードになります。
        
        
        • [TUNING] ノブを回すと受信周波数が変わります。 なお、[TUNING] ノブを「ゆっくり回す」「素早く回す」で、周波数ステップが以下のように変化します。
          
          

          バンド	ゆっくり回す	素早く回す
          FM	0.01MHz	0.1MHz
          MW	1kHz	9/10kHz
          LW	1kHz	9kHz
          SW	1kHz	5kHz

          
          
        • このモードで [VF/VM] ボタンを長押しすると、周波数スキャンします。 放送局が見つかると一旦その放送を受信しますが、しばらくすると再びスキャンを再開します。 スキャンを停止させるには [VF/VM] ボタンを押します。
          
          
     2. 短押しで P001 などのプリセット番号が表示されたら、VM (メモリ可変) モードになります。
        
        
        • [TUNING] ノブを回すとプリセット番号が変わります。
          
          
        • このモードで [VF/VM] ボタンを長押しすると、プリセットスキャンします。 順にプリセットされた放送局をスキャンします。 スキャンを停止させるには [VF/VM] ボタンを押します。
          
          
  3. [FM SET] ボタン
     
     
     • 電源 OFF の時に長押しすることで、以下のように FM 受信周波数範囲を切り換えできます。 中国製ラジオで日本の FM 周波数範囲専用に対応したのは初めてではないかと思います。
       
       

       FM 受信周波数範囲	対応国
       87〜108MHz	標準 (日本/ドイツ/ロシア 以外)
       87.5〜108MHz	ドイツ
       76〜90MHz	日本
       76〜108MHz	広範囲

       
       
  4. [9/10kHz] ボタン
     
     
     • 電源 OFF の時に長押しすることで、MW 受信の周波数ステップを 9/10kHz のいずれかに切り換えできます。
       
       
  5. [Battery] ボタン
     
     
     • 電源 OFF の時にこの操作が有効です。
       
       
     • 長押しして [CHA On] と表示されたら Ni-MH 充電池モードになります。 [USB] 端子に 5V を供給すると充電できます。
       
       
     • 長押しして [CHA OFF] と表示されたら乾電池モードになります。
       
       
• 左サイド
  
  
  1. [ANT. GAIN] スライドスイッチ ・・・ 感度を H/M/L に切り替えます。
     
     
  2. [USB] 端子
     
     
     • mini USB そのものです。 この端子より外部電源入力します。
       
       
     • 電源入力端子を USB 端子にするとは、面白いアイデアです。 世の中に USB 電源アダプタは溢れているので、自分の気に入ったアダプタが使えます。 パソコンから電源供給することだって可能です。
       
       
• 右サイド
  
  
  1. [TONE] スライドスイッチ ・・・ 音質を HIGH/LOW に切り替えます。
     
     
  2. [FM ST.] スライドスイッチ ・・・ FM 受信時のステレオ ON/OFF を切り替えます。
     
     
• 底面
  
  
  1. [RESET] スイッチ ・・・ 動作不調時に、このスイッチで MCU をリセットできます。リセットしてもプリセットメモリは消えません。
     
     

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使ってみました

1. とっても小さいことに感激！！！
   
   
   • DEGEN DE11 よりは、ほんの少し大きいサイズですが、この パームトップサイズ は旅行用として、お散歩用として、大変貴重です。
     
     
   • DE11 が丸みをおびた質感のシッカリしたデザインに対し、PL-210 はカクカクとして質感では負けます。 PL-210 は性能で勝つので、まあ納得です。 DE11 は性能はともかく、持つ喜びを感じるラジオです。
     
     
   • Dual Conversion 方式 で、本格的な BCL ラジオの作りです。 品質や質感も日本製と変わらず、満足できます。
     
     
   • ソフトケースが付属しているので、お出かけに気軽に持って行けます。
     
     
   • 背面にスタンドが収納されており、このスタンドを使うと、少し水平斜めに設置でき、操作しやすくなります。
     
     
   • ロッドアンテナは360度回転させることができます。 FM/SW バンドに有効です。 8段ロッドになっているので、伸ばした時の長さは PL-310 と全く同じです。 PL-310 のロッドアンテナは7段です。
     
     
2. PLL シセサイザー同調
   
   
   • アナログチューニングより楽で、周波数ズレもありません。
     
     
   • 同調方式は [マニュアル] [プリセット] [ダイレクト周波数入力] [オートスキャン] です。
     
     
   • プリセットメモリは1,700局分もあるので十分過ぎです。 使い切れません。
     
     
     1. FM/MW/LW 各バンド専用メモリが100個＋SW 専用メモリが200個＝合計500個
     2. 自由に使えるページメモリ100個×12ページ＝合計1,200個
     3. 1と2を合わせて総合計1,700個です。
     
     
   • [ATS] という機能があり、自動で受信可能周波数をスキャンしてプリセットしてくれます。 もちろん、マニュアルでプリセットすることも可能です。
     
     
3. その他
   
   
   • 暗い所での利用ができるようイルミネーション機能があります。 LCD 表示が橙色に照明されます。
     
     
   • シグナルレベルは5段階のバー表示です。
     
     
   • 「時計」「アラーム」が付いています。
     
     
   • バッテリは「単3乾電池×2本」または「単3 Ni-MH 充電池×2本」が使用できます。 充電回路も内蔵しています。
     
     
   • 新品の中国製アルカリ電池を実装して1日約5時間ずつ使ってみました。
     
     
     1. 2日目でバッテリメータがフルから1目盛減りました。
     2. 5日目でバッテリメータがゼロになりました。 意外とバッテリメータの減りが早いようです。 しかし、ここからが本領発揮のようで、これでも問題なく動作しています。
     3. 9日目でとうとうバッテリメータがフリッカし始めました。 しかし、これでも問題なく動作しています。
     4. 11日目で LCD に「Lo」と表示が出て電源 OFF となりました。
     
     結局、バッテリメータはあまりあてにならないという結論です。 また、5時間×10日＝50時間以上 はバッテリが持つと判りました。
     
     
4. 評価
   
   
   • 全体的な特長
     
     
     1. パームトップサイズなのに Dual Conversion が最大の特長でしょう。
        
        
     2. 外部電源入力に USB 端子使用 がとっても今風で汎用性が高いです。
        
        
     3. 電池2本 というのが良いです。 中国製ラジオでは電池3本が多く、中途半端で使いづらいです。 電池2本のおかげでパームトップサイズ化にも貢献できています。
        
        
     4. 操作ボタン等の表記が英語 です。 中国語表記だと野暮ったく感じますが、英語なら慣れているので問題ありません。
        
        
   • 感度
     
     
     1. FM
        
        
        • PL-310 のほうが遥かに感度が良いです。 PL-450 と比較した時も同様に感じました。
          
          
        • と言うか、DSP ラジオは FM が高感度のようです。
          
          
        • FM を主体に聴くなら PL-310 をお奨めします。
          
          
     2. LW/MW
        
        
        • PL-210 のほうが PL-310 より感度が良いです。
          
          
        • LW/MW については PL-210 はバーアンテナが同調型に対し、PL-310 はバーアンテナがバンドパス型なので不利です。 当然の結果です。
          
          
     3. SW
        
        
        • 問題なく感度が良いです。
          
          
        • PL-310 と比べると感度は高いと感じますが雑音も拾いやすいです。
          
          
   • 選択度
     
     
     1. PL-310 は DSP 処理により選択帯域を 6/4/3/2/1kHz に切り替えでき、S/N を上げることができます。 PL-210 では、このような器用なことはできません。 また、PL-310 のほうが選択度が高く、不要な周波数をスパッと切っているようで、DSP 処理の威力を感じます。
        
        
     2. 従って、PL-310 のほうが S/N が高く、ある程度の強度のある電波では PL-310 のほうが明瞭度が高いです。 比較してみて、あらためて DSP 処理の威力が判りました。
        
        
   • 音質
     
     
     1. この大きさとしては、かなり良いほうです。 FM 放送のような高音質放送でも聴き疲れしません。
        
        
     2. PL-310 と音質比較すると、やはりスピーカと筐体の大きさが主な要因で負けます。 PL-310 は全てのバンドで PL-210 より音質が良いです。 DSP 処理による音質の優位性もありそうです。
        
        
   • その他
     
     
     1. FM 受信周波数範囲を 76〜108MHz の広範囲にすると、オバケが出やすいです。 例えば 101.5MHz の放送局のイメージが 80.1MHz で受信できたりします。 101.5-80.1=10.7×2 なので、FM IF 周波数は 10.7MHz で間違いないでしょう。 実使用ではそれほど問題ではありません。 PL-310 は DSP 処理の原理上このようなオバケは出ません。
        
        
     2. 外部アンテナ接続ジャックがありません。 その代わり、ロッドアンテナに接続するタイプのワイヤアンテナが付属しています。 お出かけ用途と考えると、これでも納得できます。 PL-310 には外部アンテナ接続ジャックがあります。
        
        
   • PL-210 と PL-310 のどちらがお奨め？
     
     
     1. 小型を優先するなら PL-210 がお奨めです。
        
        
     2. FM を主体に使って音質重視なら PL-310 のほうがお奨めです。
        
        
     3. AM (SW/MW/LW) では、「高感度だが S/N で劣る PL-210」と「感度では劣るが S/N が高い PL-310」のどちらを選ぶかですが、放送を楽しむなら PL-310、受信限界に挑戦するなら PL-210 です。 私は放送というのは楽しめてこそ価値があると思うので、PL-310 のほうに軍配を上げます。 両方持っていて使い分けるのがベストですが ・・・
        
        

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仕様その他

1. 取扱説明書 (英文)
   
   
2. 仕様は以下です。
   
   

   項目	スペック
   受信周波数	�@FM 87〜108 / 87.5〜108 / 76〜90 / 76〜108 MHz (0.01/0.1MHz step) �AMW 522〜1620kHz (1/9kHz step) / 520〜1710kHz (1/10kHz step) �BLW 150〜519kHz (1/9kHz step) �CSW 1711〜29999kHz (1/5kHz step)
   感度	�@FM (S/N=30dB) 3uV �AMW (S/N=26dB) 1mV/m �BLW (S/N=26dB) 5mV/m �CSW (S/N=26dB) 20uV
   選択度	�@FM 25dB 以上 �AMW 40dB 以上 �BLW 40dB 以上 �CSW 25dB 以上
   FM ステレオ分離度	24dB
   音声出力	スピーカ 350mW イヤホン 10mW
   プリセットメモリ数	合計 1700個 �@FM バンドメモリ 100個 �AMW バンドメモリ 100個 �BLW バンドメモリ 100個 �CSW バンドメモリ 200個 �Dページメモリ 100個/ページ×12ページ＝1200個
   目覚モード	ラジオ受信
   消費電流	�@FM 27mA 以下 �AMW 45mA 以下 �BLW 45mA 以下 �CSW 53mA 以下 �Dスタンバイ 40uA 以下
   スピーカ	直径40mm, 12Ω, 500mW
   イヤホン端子	直径3.5mm ステレオミニジャック, 32Ω
   電源	�@単3乾電池×2本 または 単3 Ni-MH 充電池×2本 �ADC5V/250mA (USB 端子)
   外形寸法	125(W)×75(H)×26(D) mm
   質量	200g (電池含まず)
   付属品	�@ステレオイヤホン �Aワイヤアンテナ �Bソフトケース �C取扱説明書 (中文) �D保証書 (中文) �Eアンケート調査票 (中文)
   発売日	2010年5月27日

   
   

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